何故レコードの音質がいいのか考えてみました、CDごめんね

アナログレコードは良い録音のものを上手に鳴らせたた時にはCDなどのデジタル音源とは違った良さが出てきて、「こりゃたまらん」という感じになるのですが、単純に考えると塩化ビニールの溝をダイヤモンドのついた棒(カンチレバー)でこすって発電する方式から、どうしてこんなにいい音が出るのか不思議です。逆にハイレゾ音源など進歩を極めたはずのデジタル方式がたいしてパッとしない(と感じている)のは何故なのか?というのが私の大きな疑問でした。

(そもそもレコードの音質が良くないと思われる方は読み飛ばして下さい)

この疑問点について、最近ようやくある程度合理的な説明が自分の頭のなかでは出来るようになったので紹介したいと思います。
アナログレコードの方が原理的には圧倒的に優れている所が2点あると思うのです。
それは、

デジタル録音よりアナログ・レコードの方が音質が良くなる2つの理由
1.デジタル録音では音量が小さくなればなるほど、原理的に歪が大きくなる。
   (アナログ・レコードでは小音量でも原理的には歪率は変わらない。)
2.デジタル録音では高音域が原理的に小音量で録音されている(音楽信号は1/F分布しているため)。
  アナログ・レコードではRIAAカーブで高域を100倍に増幅して録音しているので、高音域の音質を保ちやすい。

CDでは信号強度を補正せずに、基本的にはそのまま録音します。高音域の楽器の信号は振幅が小さいので、録音される信号レベルも結果的に小さくなってしまいます。
レコードの録音では高音域程大きな信号となるように録音されています。レコードのイコライザカーブであるRIAAカーブをみるとわかりますが、高音域は低音域のなんと100倍のレベルに増幅して録音してあるのです。100倍に増幅して録音した信号を1/100に抑制して再生するしくみなので、SN比が良いだけでなく、歪率でも圧倒的に有利です。レコード再生には高性能なイコライザアンプが必要ですので、ずいぶんと面倒くさいやり方をしているなと思っていましたが、今考えるとこの再生方式が高音質を支える重要な仕組みだったのです。

CDはなまじ基本性能が優れていたために、(当時は理想的な方法と誰もが思っていました)、音質を良くする工夫を一切しなかったために、実は音質ではレコードに負ける側面もあるのだと思います。
例えるならば、兎と亀の話です。

絵に書くとこんな感じです。

以前に交響曲のCDを調べてみたブログがあるのですが、バイオリンソロの信号レベルは約-40dBでした。CDのフォーマット16bitですと7bit下のレベルが最大音量ですのでバイオリンのダイナミックレンジは56dB(9bit)分しかありません。バイオリンの音色は基本波と高調波から成り立っていますが、高調波成分になると、5bit分(32段階)しかありません。歪率でいうとおよそ3%くらいでしょうか。これではそもそも良い音質になるはずがないのです。

一方レコードですが、この方式のダイナミックレンジを60dBとしても、実はCDよりも有利です。それはアナログ録音の場合、信号レベルが小さくなっても歪率は増加しないからです。加えてレコードではRIAAカーブで高音域を100倍に大きくして録音しているので、小レベルの高音域の音質が低下しにくくなっています。
バイオリンソロでもなんとかレコードで再生できますし、歪率も0.1%程度は可能なのです。

CDではクラシックの交響曲のソロ部分などが一番音質的には不利で、同じオーケストラの録音でも映画音楽などの様にすべての録音レベルが大きめだと音質もよく聞こえるものが多いなどという事の説明としても合理的です。

そうはいってもアナログレコードであれば音質がいいというわけではなく、まず録音が特に良いもので、カッティングにも気を使ったものを、非常に上質(高価)な再生装置を使用して初めて音質がよくなるので、平均的なレコードの再生音質がいいというわけではありません。

私は特にレコード収集家というわけではありませんので、20年以上前に購入したレコードがほとんどですが(なので変な趣味のレコードが多い)、今聴いて本当に良い音質だと思えるレコードは数枚しかありません。

レコード再生はレコード、カートリッジ、プレーヤーなどあらゆるものが以前の数倍から10倍位の値段になってきていて、そういう意味でも大変なのですが、もう少し楽しんでみようと思っている今日このごろです。


京都で試聴会開催7/21(月)祝日 こちらもよろしくお願いします

関西地区でオーディオデザインとdynaudioの組み合わせが聞ける絶好の機会です。

『第9回 Arbitrary Time* in 京都』
*****いま注目すべき国産2ブランド(オーディオデザイン、テクノクラフト・オーディオデザイン)の高性能セパレート・アンプを聴く!!Part3*****

日時:7月21日(月)祝日 15:00-17:30
場所:Music Cafe SOEN
〒616-8211京都市右京区常盤御池14-11
Tel:075-467-3450

◇講師:オーディオ評論家 井上千岳氏、小林 貢氏

当日は稀少なアナログ音源(ディスク&テープ)や高音質デジタル音源などを織り交ぜ、オーディオデザイン、テクノクラフト・オーディオデザイン2社の新型セパレート・アンプの魅力を引き出したいと思います。

使用スピーカー:DYNAUDIO Confidence C1 Signature

アンプ:オーディオデザイン
プリアンプDCP-210
パワーアンプDCPW-200


*Arbitrary Timeは井上先生、小林先生が主催するオーディオ機器の試聴会です。
皆さんに聞いていただきたい機器、音を両先生が厳選してお届けします。

関西地区でオーディオデザインとdynaudioの組み合わせが聞ける絶好の機会です。

お申込みはこちらの申し込みフォームからお願いします。

最近アナログレコードがいい感じです -マイブーム到来-

ここのところどこかでオーディオ機器の音を聴く機会がポチポチありますが、そこで決まって感心するのがアナログレコードです。
レコードの再生音はもちろんレコードでいい音を出すにはかなり良い機器を使用しないとダメなのですが、そこそこ整った環境のレコード再生音はデジタル音源とは次元の違う音が聴こえてきます。

最近はこういった経験に刺激されて、アナログレコード熱が少し出てきました。ここ数年の弊社のアナログレコード再生環境はあまり良いとはいえない状態だったのですが、いろいろ手を入れてみると素晴らしく良くなりました(この辺がやればやるほどがっかりしてしまうハイレゾとは逆です)。

アナログレコードの再生音の何がいいかというと、音に弾力があって、低音がまろやかさを伴ってはずんで来ます。その低音に乗っかって高音も綺麗に聴こえてくるので、音そのものの気持ちよさがたまりません。同じアルバムでCDとレコードが出ているものを聴き比べるとレコードの方がいい音がします。

もちろんレコードの場合
・どうしてもミシミシとノイズが入る
・時にはパチっとノイズも入る
・メンテナンス、準備が大変で曲を送ることも出来ない。
・ずっと聞いているとレコードも針先も劣化する。
・最近のレコード関連グッズは異常に高い
・アナログレコードで録音の良いものは少ない
・曲目が非常に限られている
・レコードを購入しようと思っても、試しに聴くことが出来ない

等その短所を挙げればきりがないのですが、その短所を超えた魅力があります。
DAC、CD(DSDも含めて)かなりフォーマットなどを変えても対して代わり映えのしないデジタル音源とは逆にやればやるほど音質も良くなるのも面白いところです。

最近のレコード再生機器はこんな感じです。

レコードプレーヤーはパイオニア・リニアトラッキングPL-L1

カートリッジ
以前はDL-103やAT-15Eを使用していましたが、DL-103は3倍の価格になり、もう使う意味は無くなったと思います。太めの音で結構いいと思っていましたが、上位機種に比べると価格の価値は・・・・。

最近購入したのがオルトフォンのMC-30Wです。すでに廃番ですが未使用のものが入手出来ました。クラシックがよくなるのでは?と思っていましたが、ところがどっこい、Jazzやロックに非常に合うとおもいました。MC-30Wは低音が量感豊かで、しかもブルンと気持いいのです。
高域も素晴らしく低音が大音量で出ていても綺麗に高音域も再生されトラッキングも完璧です。
その上、おそらく柴田針の効能だと思いますが、他のカートリッジでは常時出ていたノイズもMC-30Wにしてから目立たなくなりました。おそらく丸針でトレースしてできたレコードのダメージ部位とは柴田針は少し違うところをトレースするので、多少擦り切れたレコードもある程度復活するようです。

レコード再生のコツ
・レコードクリーニング
レコードはまず盤上のゴミを除去する事が必要で、これまで乾式でおこなっていましたが、これだとゴミが移動するだけでした。湿式のクリーナーにした所、だいぶゴミが気にならなくなりました。

・レコードのそり
これも結構効きます。スタビライザーを載せていましたが、完全ではないので、最近オーディオテクニカの吸着テーブルを入手しました。ポンプは無いのですが、強引に他の物で代用するとまだ吸着した状態で再生出来ました。
これは低音に効くのではと思っていましたが、そうではなく(もちろん低音も良くなりますが)高音域の歪がかなり改善されました。今まではレコード盤のビリつきで高音が歪んでいたようです。

・イコライザアンプ
フォノイコはレコード再生の要です。当然の事ながら弊社のイコライザアンプDCEQ-100にMC-30Wをダイレクトに接続して聴いています。ハムもノイズも試聴位置では聞こえないレベルになっています。

というわけで最近はレコード再生に感心しているのですが、定期的に聴いているので針の劣化が心配な今日このごろです。

事務所試聴再開しました
また、アンプの事務所での試聴も再開しましたので、弊社アンプ類にご興味のある方はご利用お待ちしております。

フォノイコライザアンプの入力インピーダンスとカートリッジのいけない関係

アナログレコードの用のMM,MCカートリッジについて、フォノイコライザアンプの入力インピーダンスはどうあるべきかという点について技術的な記載はあまり見当たらないので考えてみました。

一言で言うと
MMカートリッジの場合、47KΩで受けるべき、また入力容量は大きくしないこと
MCカートリッジの場合、MCカートリッジの内部インピーダンスの数倍で受けるべき
ということになります。

最近はよくMMカートリッジに容量を変化させるスイッチが付いているものもありますが、本来こんなものは必要ないと思うのですが(お寿司に焼き鳥のタレをつけているようなものです)、最近はこういう変なものが流行ってきているので、あーあ残念と言った感じがしています。

次に、技術的な観点からその理由を紹介します。


1.MMカートリッジの場合

MMカートリッジはコイルの巻数が多いので結構なインダクタンス成分を持ちます。したがってフォノイコライザアンプの入力インピーダンス(抵抗+容量)とで共振回路を形成するとして考えなければいけません。ちょっと古いカートリッジですがV-15?の場合で計算すると以下の様な周波数特性となります。
これはカートリッジ自体の周波数特性は考慮せず(フラットとして)、電子回路としての周波数特性になります。
MMカートリッジ使用時のフォノイコの入力容量を変化させた時の周波数特性

入力容量を大きくすると500pF以上でピークが発生します。当然音質も変わると思いますが、わざわざ高域にピークを作るのは(そうしないと音質が良くないという場合は)おかしな話です。

2. MCカートリッジの場合
MCカートリッジの場合、巻線のインダクタンスは小さいのでアンプ側の入力容量は影響しません。ただしアンプ側の入力インピーダンスは適切な値を選択する必要があります。入力インピーダンスが小さいとアンプ側に入力される信号電圧が小さくなるため(カートリッジの抵抗で損失するため)、カートリッジの数倍の抵抗値で受けるのが適切とされています。Ref1
これにさらにノイズ成分として、カートリッジとアンプ入力部で形成されるループの誘導電圧による影響を考慮すると以下のような結果になります。

MCカートリッジ使用時のSN比の負荷抵抗依存性

ここではDL-103を想定して内部インピーダンス40Ω、出力電圧0.3mVの値を使用しています。パラメータとして誘導電流を1nV,10nV,100nVで計算しています。
負荷抵抗が大きくなると誘導電流によるノイズの影響が大きくなるため、負荷インピーダンスはやはり数倍程度に留めておくべきということになります。

弊社のフォノイコライザーアンプDCEQ-100ではDL-103用に100Ω、オルトフォンの様な低インピーダンスMCカートリッジ用に10Ωのインピーダンスが選択できるようになっています。
ちなみにMMカートリッジのインピーダンスは47KΩ固定です。

Ref1) p117,基礎トランジスタアンプ設計法、黒田徹著、ラジオ技術社

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イコライザアンプの販売予定とエッセンスの解説

アナログレコード用のイコライザアンプを作っていますとお知らせしましたが、いくつかお問い合わせをいただきましたので、今回もう少し詳しく説明させて頂きます。

販売予定に関してはこんな感じです。

<販売予定・価格等>

アナログレコード用イコライザアンプ
型名:DCEQ-100
市販予定:7月中旬
予定価格:20万円前後

<進捗状況>
現在回路の調整改良・特性検討を終え、基板の再発注・再組立を終了した所です。また今回ケースデザインに関しても、グレードを上げるべくいろいろと検討しています。そのため当初考えていたよりも1ヶ月位遅くなっています。

<プリアンプ内蔵EQアンプとの違い>
プリアンプDCP-EF-105にもオプションでイコライザアンプユニットが有るのですが、こちらはフラットアンプのNFB素子をRIAAカーブにした、いわゆるNF型です。こちらは構成上MMカートリッジにしか対応できません。MCカートリッジの場合はヘッドトランスを使用する必要があります。今度の単体イコライザアンプはCR型でかつMCカートリッジもダイレクトに接続可能です。
DCP-EF105のイコライザアンプも評判が非常に良かったのですが、今度の単体イコライザアンプはさらに上を狙ったものと言えます。

<仕様>
仕様は以下のとおりです
入出力
入力1系統
出力1系統(通常出力)
ヘッドアンプ出力1系統(MCヘッドアンプとしても使用できます)。

機能
MM,MC切り替えスイッチ
入力抵抗切り替えスイッチ30Ω/100Ω(MC時)

イコライザアンプの種類
CR型イコライザアンプになります。

性能
ゲイン:40dB(MM),60dB(MC)@1KHz
歪率:0.003%
残留ノイズ:-136dBV(A)
(特性などはプロトタイプの暫定値です)

技術的なエッセンス
詳細は技術解説のページで説明していますが、イコライザアンプの設計において重要なノイズ特性に関してはいろいろと検討しました。

イコライザアンプで重要な点は初段の設計でノイズ特性はまずここで決まってしまいます。
通常イコライザアンプにはFETはを並列接続するのですが、最近はこの辺に適した高GmのFETが廃番になっているので、初段をトランジスタで構成しました。下手に現在のFETを使用するよりも適したトランジスタを使用した方がノイズ特性の点で有利なのです。この辺をわかりやすく図示したものがこちらです。


       イコライザアンプ用トランジスタのノイズ特性

この図からわかるように高Gm・FETよりもトランジスタのほうがノイズ特性はいいのです。ただトランジスタの場合は入力インピーダンス、あるいはバイアス電流の関係でそのまま使用出来ませんので、pnpとnpnの対称形アンプにして使用し、さらにオフセット電流の補正をして使用しています。

この辺の理屈は技術解説のページで詳細を説明していますのでそちらを参照して下さい。

さらにトランジスタを使用した場合、トランジスタ自信が持つベース抵抗が小さいことが重要で、その辺の選別をした結果がこちらです。

トランジスタ品種によるノイズ依存性

参考書にも書かれているのですが、この辺のトラジスタ選択はいわゆる低ノイズトランジスタを使用しても駄目で、イコライザアンプに適した品種を見つけて採用することが重要です。

この辺の初期検討を終えて現在最終的な製品化を進めているところですのでもう少々お待ち下さい。

アナログレコード用イコライザアンプ作っています

今回は久しぶりにアナログレコードの話をしたいと思います。
新しいプリアンプ(DCP-200)にはイコライザアンプを搭載していません。ですのでアナログレコードを聴くには別途イコライザアンプが必要になります。

そこでアナログレコード用のイコライザアンプを製作中です。そこそこ出来てきましたので現状をさらっと報告させて頂きます。

基板の感じはこの様な感じです。アンプ回路、電源回路そのものは表面実装になっています。アンプ回路は2段構成になっていますが、1段目のアンプはノイズ低減に影響する重要なところですので、今回各種検討を行なって専用回路を組みました。
イコライザアンプ基板
手前が安定化電源、右に初段アンプ、左がRIAA補正後の2段目のアンプになります。プリアンプ、DAC等と同じ大きさのケースに収まります。

基本仕様
入力1系統
MM,MC切り替えスイッチ
入力抵抗切り替えスイッチ(MC時)
ゲイン:40dB(MM),60dB(MC)@1KHz
歪率:0.003%
残留ノイズ:-136dBV(A)
さらっと測定した結果はかなり良い数値になっています(といいますか良くなるようにいろいろやってますので・・・)。

特徴
・音質的に良いとされているCR型RIAA補正回路を使用しています。
・MCアンプもダイレクトに接続できます。
・SN比向上のためノイズ低減検討にも力を入れました。
・初段アンプにはトランジスタでDCでアンプを構成しています。
・信号部はすべて個別素子で構成しています(OPアンプは使用していません)。
・パッシブDCサーボ回路を使用してDCゲインを抑えています。
・表面実装を使用して全体がコンパクトにまとまっています。
(この基板だけでDCP-EF105と同じ回路規模があります)

音質
聴感上の特徴としてノイズが圧倒的に少ないです(そうなるように入念に設計・検討したので)。通常レコード再生では多少のサーノイズが聴こえるのが当たりまえと思っていましたが、このイコライザアンプを使用するとノイズが気にならないと言うよりも聴こえません。
スピーカーの前まで行って耳を近づければ聴こえますが…。

音質はというとこれはレコードプレーヤーその他もろもろの影響を受けるので評価は難しいと思いますが、情報量はまるでCDをの様に多いのに意外と高音域がおとなしく聴こえます。ジャズもクラシックもいい音だなーと聞き惚れてしまう様な音になっています。
レコード特有の音の厚み・柔らかさの様な良さも出ていますし、これは相当いいんじゃないかと思います。

いろいろ細部の調整など行いますが、早ければ6月に販売できると思います。アナログレコードを聴く方は是非お試しいただければと思います。

こちらではこんなプレーヤーを使用しています。
アナログプレーヤーはパイオニアのリニアトラッキングPL-L1です

アームはこんな感じです。アームベース毎横にスライドします。

最近購入したオーディオ機器(3) -レコードカートリッジ- 

今回はレコードカートリッジについて紹介します。
最近はアナログレコードにミニブームが来ている様でカートリッジやイコライザアンプの記事も増えている様に見えますが、カートリッジにしろ、ヘッドアンプなどにしろやたらに高価で、しかも値段に見合う品質かどうかは???な物が多い様に感じます。オーディオ雑誌が評価する分にはデモ機として借用するので費用がかからないので良いのですが、実際購入する立場から見ると有益な情報が少ないように思えます。最近2,3のカートリッジを買って損した、得したという思いがあったので、紹介させて頂き、皆様の参考にしていただければ幸いです。

評価環境は前のブログで紹介したとおりです。
MC用のヘッドトランスはいまだにAU-320というデノンのものを使用しています。

カートリッジの写真
右からAT-15E、DL-103、AT33、AT-13E、2M Blue(気に入っている順番でもある)

DL-103
いわずと知れたMCの名機です。何十年も前に放送用に開発されたものです。非常にダンピングの効いた低音が心地よく響き、JAZZなどではこれより気持ちいい低音を聞かせるカートリッジは無いのではないでしょうか。ダンパーが2重構造になっているのが特徴で、温度変化によって弾性が変化しないようにとの開発意図と思いますが、心地よい低音に貢献している気がします。ダンパーを制するものはカートリッジを制すとおっしゃっていた方がいたような気がします。唯一の欠点は丸針だからかと思いますが、レコード内周で高域が若干歪っぽくなる事があることです。
実測周波数特性も付いてます(見事)。
DL-103の周波数特性

AT33PTG(pcOCC6N)
これもMCカートリッジのロングセラーですね。DL-103に比べると低音の心地よさはありませんが、高域がきれいなった気がします。高域が3dB程持ち上がっているのが残念です。このF特通りの音ですね。
AT33の周波数特性

AT13EVM型(MM型)
30年くらい前に購入して残っていたものです。なぜ購入したかも忘れました。何かに付属していたのかも知れません。このカートリッジの音質はかなり落ちます。一応ちゃんと音が出ますよ程度のもの。と思っていましたが、弊社のイコライザアンプで聞くようになってビックリ。音が格段に良くなりました。情報量、トレース能力が上がった気がします。DL-103などとくらべても、同じ土俵で比較できるかも?位の音になりました。弊社のイコライザアンプは(他のものと比べると)MCカートリッジも良くなりますが、それ以上にMMカートリッジの音が格段によくなるような気がします。MCカートリッジは汎用のヘッドトランスを使用していますので、そのせいもあるかもしれません。

AT15Ea/G VM型
最近このカートリッジを購入しましたが、このカートリッジには驚きました。音質が良くて安いからです。AT-13を昔から所有していましたので、ATシリーズはこんなものだろうと思っていたのですが、AT-15は格が違いますね。VM型のリファレンスというだけの事はあります。AT33よりずっといいと思います。どういいかというと帯域バランスです。低音域厚く、重心が下がったピラミッド型のバランスでレコードの良さが存分に発揮されています。もう一つの美点は高音が静かな事です。レコードはどうしても高域が歪っぽく聴こえたり、パチパチノイズが耳障りになったりしますが、そういう音が他のカートリッジに比べるとかなり抑えられています。というか、こういう音にもなるんだ~と感心させられていしまいます(ちょっと大げさに言っていますが)。アンプでもそうですが、性能をかなり上げていくと音が静かになります。弊社のイコライザアンプはパチというレコードの傷から聞こえるノイズが目立たなくなったといわれる事があるのですが、それと似ています。
情報量も多く、出すべき音はきっちり出し、出さなくていいものは出さないという感じで、トレース能力も非常に高いと思います。
これでマグネシウムヘッドシェルが付いて、プレーヤーにさせば使用できて、今は1万円ちょっとで売られているのですから、コストパフォーマンス的にもビックリです。MM型に分類されると思いますが、こちらの環境では他のMCよりいいです。
ただこのカートリッジ、本当にいい装置(イコライザアンプも含めて)でないとそれだけの力量が出ないというか、装置なりの音を出すという結果になるかもしれません。

オルトフォン2M Blue
これは失敗しました。AT-15Eを購入する前にこれを買ってだめだったのでAT-15Eを購入したのです。オルトフォンは昔MC-20Wを使用していてこれはクラッシックは絶品だったので、間違いないメーカーだとずっと思っていました。このカートリッジのだめな点
・音が悪い
・ヘッドシェルを選ぶ(取り付けられないものが多い)
・デザインはおしゃれだが実用性が悪い
という事で全部だめです。
音がどう悪いかというと、一言で言うと「トンシャリ」です。「ドンシャリ」ではありません。ドンシャリならまだ高域と低域のバランスが取れている(両方ですぎだが)のでまだ聞けると思うのですが、このカートリッジは低音が出ていないんじゃないか(例えば100Hz以下をカットしてる様な)と疑いたくなるバランスで、高音ばかりが目立ちます。高域は確かにはっきりと聞こえて明快なのですが、いかんせん低音が出ていない(様に聞こえる)のでどうにもなりません。プレーヤーを変えても同じ音の傾向でした。この帯域バランスのせいでAT-13より悪いです。がっかりです、子供だましの音です(子供に失礼か)。このカートリッジには何か重要な欠点があるのではないでしょうか?ダンパーの設計ミスでF0が数十Hzに来てしまっているとか…。
欠点は音質だけではありません。このカートリッジネジ穴が上に貫通していないので、上からネジとめるタイプのヘッドシェル(ほとんどがそう)が使用できません。なので同社のヘッドシェルも後から購入する羽目になりました。
さらに、カートリッジの保護カバーが非常に取り付けにくく、プレーヤに装着した状態では、見えない位置にある保護カバーの爪を指ではずす動作を要求されます。一歩まちがえるとカートリッジはおしゃかです(日常使用していればたぶん時間の問題でしょう)。

というわけでこのカートリッジにはがっかりさせられました。でもおかげでAT-15Eにめぐり合ったので、良しとしましょうか。

続きを読む

最近購入したオーディオ機器(2) -レコードカートリッジの前振り- 

最近購入したオーディオ機器編第2弾として、レコードカートリッジについて紹介したいと思います。

アナログレコードは通常は聞いていません。聞きたいと思うソースがレコードでは(中古を除けば)発売されていませんし、いちいちホコリを拭いてからたった30分で終わってしまうというのは今の生活スタイルに合いません。ただプリアンプのイコライザアンプのテストに定期的にレコードを掛ける事になるので、聞くたびにレコードの音はいいと思うのです。

レコードの音がそこまでいいと思えるようになったのは、手前味噌ですが自社のイコライザアンプを使用してからです。どういいかというと、音の厚み、中低音に重心を置いたピラミッド型の帯域バランスという点です。レコードによっては録音の悪いものも多いのですが、そこそこいい録音のレコードでは例外なくバランスの良い音ができてきます。またプリアンプのイコライザアンプ、パワーアンプなどアンプの性能を良くしていけば良くしていくほど比例して音が良くなるのもアナログレコードの特徴です。

以前他社製のプリメインアンプ付属のイコライザアンプでレコードを聴いていた際はレコードの音には特に良いと思える部分が無く、すべてにわたってCDに負けている感じでした。今のイコライザアンプにしてからレコードの情報量、帯域バランスなど非常に良い点が引き出されて来た感があります。

何故かはわからないのですが特にMMカートリッジの音が抜群に良くなりました。レコードカートリッジといえばMCで、MMはどうしても1-2ランク落ちた音質というのが常識かと思うのですが、弊社のイコライザアンプを使用するとMMがMCクラスに仲間入りします。MCももちろん良くなるのですが、音質向上がMMの方がずっと大きいのでほとんど差が無くなった感じです。MCは汎用のMCヘッドトランスを使用しているのでそのせいもあるかもしれません。
たまたま手元にあったMMカートリッジはオーディオテクニカのAT-13Eという安物で、以前でしたら音が出るというだけでとても音楽を鑑賞する代物ではなかったという認識だったのですが、これが結構聞けるようになりました。(もともと何かの間に合わせで購入したか、おまけについてきたもの)

ここからやっと購入した機器(カートリッジ)の話になるのですが、その前にレこードプレーヤーについてお話します。通常使用しているのはパイオニアのリニアトラッキングプレーヤーPL-L1です。このプレーヤーは現在使用されている方はほとんどいないと思いますが、30年位前に(学生時代?)にメカにほれ込んで中古で購入したものです。
パイオニアPL-L1
これのいいところはもちろんリニアトラッキング(カートリッジが常にレコードの接線方向に向く)という事はもちろんですが、実はアーム長が短いという事もあるのです。通常トーンアームはトラッキングエラーを小さくするために長く設計されていますが、リニア式の場合その心配が無いのでアーム長が20cmくらいしかありません。通常の2/3の長さですから慣性モーメントにすると半分以下になるはずです。
短い上にストレートのカーボンアームでしかも通常のヘッドシェルが使用できます(通常のプレーヤーではストレートアームではオフセットしたヘッドシェルが必要になります)。

リニアトラッキング式プレーヤーのいい点はそのほかにレコード内周で音質が悪くなってきた場合、接線速度が小さくなったためと結論付ける事ができるという事もあります(オフセット角の問題から開放されているため)。まあそんな事に満足感を覚えるのは私くらいのものでしょうが。

加えてこのリニアトラッキングプレーヤーのアームは針圧をスプリングでかける方式で、通常の傾いたヤジロベーの様な方式と違って、レコード盤が多少うねっていても常に一定の針圧を掛けようとする(ほんと?)方式も気に入っています。

このPL-L1プレーヤーは壊れたら修理不能なのでオーディオショーに持っていく気がしません。それに26Kgと重いのです。奥行きがあって遠くを持たなくてはいけないので余計に重く感じます。今回ハイエンドショー向けに軽いプレーヤーをオークションで購入しました。それがこれ。

ビクターQL-Y66F

何とフルオートマチック(ボタン一つで勝手にレコードに針を落として終わると戻って来る)、電子制御のトーンアームがついています。もっとシンプルなプレーヤーが欲しかったのですが、手ごろな物が見つからなかったので、これになりました。又も電子制御になりましたが、別にこの電子制御が欲しかったのではないのです。いいナーと思うものはみんながいいと思うので、20年前のプレーヤーが一部部品欠け・保証無し・個人出品で、定価の半値以上価格で取引されています。そうなるといくら何でも買う気になりません。どうしても不人気品に落ち着いてしまいます。
購入した実物は傷が無くしかも感動品で非常に程度の良いものでした。20年経って電子制御が感動というのはしっかりした設計・製造をやっていたんだなーという事がうかがい知れます(同機種のほとんどが感動品として出品されています)。ただ音質はやはりPL-L1に比較すると落ちます。アナログレコードの良さがそぎ落とされてしまった感じでCDに対する音質の優位性をあまり感じる事ができないかもしれません。ハイエンドショーではレコードの良さ(イコライザアンプの良さ)をお聞かせしようとしたつもりでしたが、今ひとつCDとの差が感じられなかったかもしれません。

レコードカートリッジの事を書こうと思っていたら、その前置きで1ページ分になってしまいました。次はいよいよ(といってもたいした事は無いが)カートリッジ編です。