今度のUSB-DACを紹介します(2)-仕様と性能-

 

USB-DACの仕様は次のとおりです。

USB-DACの仕様

項目 仕様 備考
入力
USB PCM 44.1-192kHz 24bit
DSD 2.8MHz / 5.6MHz
SPDIF 光 44.1-96kHz
同軸 44.1-192kHz
DAC1 ESS ES9018S サンプリングレート 44.1-384kZHz
DAC2 TI PCM1704x4 サンプリングレート 44.1-768kHz  1704はモノなのでバランス用に4ケ使用しています
DAC3 NONE
SRC PCMのみ サンプリングレート
Bypass/96/192/384/768kHz
表示 LCD USB サンプリングレート
PCM/DSD信号表示
出力 DAC1 XLR RCA
DAC2 XLR RCA
Selected: DAC1 or DAC2 XLR RCA

SPDIFとUSBが使用できます。

サンプリングレートコンバーターで768kHzまでアップサンプリング出来ます。

DACチップは現在TI社のマルチビットDAC、PCM1704とESS社の9018が搭載できます。PCM1704モノ仕様ですので基板1枚あたり4ケ必要になります。既に市販されていないので、手持ち在庫の分のみの販売となります。

特性

ここでこのUSB-DACの特性の一部を紹介します。

これらは実際に測定されたTHD(ノイズ含まず)データです(カタログスペックではありません)。

PCM1704はサンプリング周波数を上げると、特に高域の歪率が低下していきます。THD上は384kHzがベストです。

ES9018ではサンプリング周波数を上げても歪率に変化はありません。これはDACチップ内部でオーバーサンプリングしているからと考えられます。

音質の違いもこれらの結果とほぼ一致しています。

今度のUSB-DACを紹介します(1)-その前にDACにとって重要なこと-

今度弊社ではUSB対応のDAコンバーターを発売予定です。

その仕様を説明する前に考えてみたいのですが、そもそも、そのDAコンバーター音質はに左右しているのでしょうか?

考えられる要素として

1. DACチップそのもの/ メーカー、型名、基本性能、構成(モノ/ステレオ)

2. 音源のフォーマット/ DSDかPCMか、 サンプリング周波数、ビット数

3. デジタルソースの影響/SPDIFかUSBか 音源のPCへの依存性

3. クロック(ジッター)/

4. 電源、アナログ回路/

等が挙げられると思います。

こういったことを総合的に勘案してDAコンバーターを製品化することになるのですが、もう一つ考えなければいけない事があります。それは、

「DAコンバーターはすぐ古くなってしまう」

ということです。新しいDACチップが出るたびにDAコンバーター全体を買い換えるのは大変非効率ですが、そうせざるを得ないという現実があります。

またDAコンバーター毎に使用DACチップが決まっているので、DACチップそのものの音質差を、同じ条件で、聴き比べることができないということがフラストレーションではなかったでしょうか? (私はそう・・・)

こんな諸事情を勘案して作ったのが、今度のUSB-DACです(エヘン)。

つまり最初に挙げた1-4の要素を総合的によく考えた上で、

・古くならないDAコンバーター
・異なるDACチップの比較試聴が1台でできる

という、やや画期的なDAコンバーターが今度の新製品になります。

名付けて、Progressive  DA converter, DCDAC-200です。

その仕様は次のとおりです。

項目 仕様 備考
入力
USB PCM 44.1-192kHz 24bit
DSD 2.8MHz / 5.6MHz
SPDIF 光 44.1-96kHz
同軸 44.1-192kHz
DAC1 ESS ES9018S サンプリングレート 44.1-384kZHz
DAC2 TI PCM1704 サンプリングレート 44.1-768kHz
DAC3 NONE
SRC PCMのみ サンプリングレート
Bypass/96/192/384/768kHz
表示 LCD USB サンプリングレート
PCM/DSD信号表示
出力 DAC1 XLR RCA
DAC2 XLR RCA
Selected: DAC1 or DAC2 XLR RCA

(続く)

 

 

ハイレゾ下さーい! はい、”つゆだく”になりますけどよろしいですか?

最近、ハイレゾ対応のポータブル・デジタル音楽プレーヤー(DAP)を購入してみました。当初、バランス駆動でデジタル出力も出るものを買おうと思ったのですが、現物をみると大きいのと、バッテリーが1日しか持たないそうなので、気持ちが萎えて、結局3万円くらいの安価でバランス対応なし、デジタル出力無しのベーシックなものをかってみました。

ハイレゾを再生してみると、何の問題もなく192Hz,24bitやDSD音源を再生できて、非常に良く出来ている。特性をちょっと調べて見ると(これは私の癖)、面白かったので紹介します。

8je1mp7b

購入したプレーヤーはこれ、プレーヤーとしては良く出来ていて、唯一難点をあげればアルバムの写真をタグ付けするソフトが無いことくらいです(PCソフトが無い)。音質は悪く無いと思います。特に刺激的というわけではなく、また物足りないというわけでもなく、普通に良く出来ています。

ただ、ハイレゾ音源を再生してみるとなんだか大変なことになっている様です。

 

CD音源再生時のスペクトル (0-2Mhzスケール)

CD音源再生時の信号スペクトル
(0-2MHzスケール)

 

これが通常のCD音源再生時の信号波形のスペクトルです。これは何の問題ないのです。

(ポータブルプレーヤーはスペアナ50Ωを充分駆動できるので、スペアナにそのまま直結して測定しています)

 

 

 

ハイレゾ再生時の信号スペクトル(0-2MHzスケール)

ハイレゾ再生時の信号スペクトル(0-2MHzスケール)

 

ところが、ハイレゾ音源を再生すると(96Khzでも192Khzでも)ものすごい高周波ノイズを発生しています。その高周波ノイズの周波数帯はMHz帯です。

 

 

加えて時々発振しているようで、発振波形の振幅は信号波形の振幅よりも大きいくらいです。(トーンバースト波形の様に時々出ているのが発振波形です)

やはり小さい筐体に機能を盛り込んでいるので、いろいろなことが起きているようです。この辺の対策を施したら良くなるんでしょうか?ということで、逆にいろいろと興味が湧いてきました。それに、デジタル出力やバランス駆動に改造してみるのもいいかなと、思っています。

またこのポータブルプレーヤーだけが多量の高周波ノイズを出しているわけではなく、ほとんどの機種で似たような状況になっているのではないかと考えています。

そういえば、弊社のポタアンPEHA-100はノイズのまったく無いアナログアンプですが、展示会などで聴いてもらっていると、まれにノイズが出ているという人がいました。各自のデジタル音源+DACなどを接続するので、凄い高周波ノイズが出ている場合にアナログアンプを通して可聴帯域にノイズが降りてきているのではないかと思います。これだけ、あるいはこれ以上にRFノイズが出ているとそういうことが起きても不思議はありません。

ということで、ハイレゾにすると高周波ノイズがつゆだくで(ごはんの量よりつゆが多いくらいに)付いてきますというお話でした。

 

CDプレーヤー機種間の音質差について

CDプレーヤーの購入動機

最近CDプレーヤーを入れ換えました。これまで使用していたCDプレーヤーはソニーのCDP-555ESDというもので、まだソニーも音響製品に力を入れていた20年くらい昔のものです。価格は128000円くらいだったと思います。 記憶が正しければ当時の最高級モデルでパーツから何から相当凝ったものでした。 このCD、途中で中のベルトが外れてトレーが動かなくなることが何度かありましたが、それを自分で直した他はトラブルもなく動作しています。
このCDの音質は非常に骨格がしっかりしたという感じの音で、(カートリッジで言えばDL-103のような感じです)悪くないのですが、唯一の気になる点は音が(特に中高音が)硬いことです。 昔CDが出始めた頃、よくデジタルくさいという表現が用いられましたが、まさにそういう音で、中高音がちょっと聴きづらいのです。 何しろ昔のものなので、今聴いてみて少々難があって当然かもしれません。555ESDの音質がずっと気になっていてさぞかし最近のCDPは音がいいのだろうなと想像していたのです。

実は2年前にSACDも再生できるマランツのSA-8400というのを買ったのですが、音が薄っぺらく、音楽を聴いてあまり感動できないので結局使用しないでいました。

新しいCDプレーヤーの音質差

今回は定評のあるDCD-SA1を購入しました。実際聴いてみてびっくりしました。音が良くなったことにではありません、音が期待したほど変わらなかった事にです。 価格も4倍ですし、50万円という定価から考えれば相当の物量を投入できるはずです(事実そうなっていると思います)。しかしその結果出てくる音がこの程度の差であるとすると、はたして音質面から考えて、この価格差は妥当なのかと思ってしまいます。と同時にこのCDを絶賛しているオーディオ雑誌、業界は何なのだろうかと疑問を感じぜざるを得ません。 確かにDCD-SA1は555ESDと比較して、一番気になっていた音の硬さはありません、ただその他の点ではほとんど互角です。むしろ55ESDの方が低音がしっかりしていて聴いていて気持ちがいいこともあります。555ESDの方がスピーカーBOXの補強をしたような低音域のしっかり感があるのです。

CDメディアによる音質差

少し話は変わりますが、皆さんはCDをパソコンなどで一度良質のCD-Rに焼き付けると音がよくなるというのをご存知でしょうか? 太陽誘電の高音質デジタル録音用「美録」という金色のCDがあるのですが、これにパソコンでCDをコピーすると、オリジナルのCDより音が(特に高音が)よくなります。 高音がきれいになり、しかも高音のレベルが上がった(正常に戻った)様に聞こえるのです。

太陽誘電製 音楽専用CD-R
音の良いCDメディア
音の良いCDメディア2

このCD−Rにコピーするという手法は結構音質を大きく変えるのです。そこで2台のCDPにオリジナルのCDとコピーしたCD−Rを入れてセレクターで二つのCDPの出力を瞬時切り替えを行い試聴比較すると下表のようになりました。
つまりCDP間の音質差というものはCDのメディア(実際には焼付け方法も含みますが)の音質差よりも小さかったのです。

CDプレーヤー 試聴CD 試聴結果
CDP-555ESD(ソニー) CD-RコピーCD ソニーのCDPで再生した方が高音がきれいに聞こえます
トータルでもソニーの方が好ましい音です
DCD-SA1(DENON) オリジナルCD

CDP-555ESD(ソニー) オリジナルCD デノンのCDPの方が当然音は全般的に良いです
DCD-SA1(DENON) CD-RコピーCD

むすび

デノンのCDPの音質は価格に見合っただけの向上がなかったので正直少しがっかりしました。と同時にオーディオ業界というものをつくづく考えさせられた体験でした。

CDとレコードの音質差について

アナログレコードの復活

大昔はレコードを聞いていましたが、いつのまにか音楽ソースはCDになりました。第一今はレコードを特殊なものを除いて売っていませんので・・・。 ただ弊社のお客様の中にはレコードを聴かれる方も多く、大変ご要望も多かったのでフラットアンプをベースにイコライザアンプを開発しリリースしました。

今聞くレコードの音質

イコライザアンプを発売するに当たり聴かずに出すわけにもいかず、昔のレコードプレーヤーを引っ張り出し(プレーヤーの修理も依頼し)、カートリッジを購入し、音出しをするに到りました。久しぶりに聞いて驚いたのですが、CDとレコードを聴き比べるとレコードの方がいい音がします。具体的にはレコードの方が音の骨格がしっかりしていて、厚い音というのでしょうか中低音がしっかりしていて、ふくよかで(ぶよぶよしているという意味ではありません)聴いていて心地よいのです。低音がしっかりしたピラミッド型の音とでもいうのでしょうか、とにかくいい音です。今聞くとなぜかレコード特有のノイズや歪感も以前より少なくなっている様に感じられます。
ビニールの凹凸を拾うレコードからどうしてこれだけいい音が出るのか本当に不思議です。レコードを聴かれる方がいまだ多くいらっしゃる理由が良くわかりました。対するCDはといいますと、確かに音はいいのですが、どうしても音の厚さのようなものがでにくく、ともすると薄っぺらい味気のない音になりがちです。最近定番ともいえるデノンのDCD-SA1を購入しましたが、それでもこの傾向は同じです。このCDP、正直、雑誌などで絶賛されるほどにはいいとは感じられませんでした。ただレコードは新版がほとんどありませんし、あってもCDの2倍近い価格です。また20分程度で終わってしまうので、一日中かけると操作も大変で、やはりメインのソースは依然としてCDです。
次はDAC基板を作って、この辺も改良を試みたいと考えています。