パワーアンプの性能・音質比較 

弊社のパワーアンプの性能は非常に優れているのですが、測定をしない方にとってはその数値がどのくらい良いのかわかりづらいと思いますので、パワーアンプの性能と音質を同クラスの他社製アンプ比較してみたいと思います。性能(実測値)をまとめると次表のようになります。

パワーアンプ総合性能比較表

項目 オーディオデザイン
DCPW-100
B社
セパレートアンプ
備考(*は実測値)
構成 バイポーラトランジスタ出力段 3並列バイポーラトランジスタ出力段
最大出力 80Wx2 150Wx2
ゲイン 20dB 31dB
周波数特性 DC-1MHz(-3dB) 10-100KHz(−1dB)
高調波歪率* 0.002%
0.0005%
0.01%
0.0015%
20-20KHz@1W
1KHz@80W
SN比* 131dB 113dB @80W
出力ノイズ* 7uV 53uV A補正,入力ショート
DF* 1500 110 実測値(8Ω)
定価 (税別) 270,000円 350,000円
音質 低域がローエンドまでスーと延びた感じになる。低音のダンピングが効いている。情報量が多く高解像度ソースの録音の良否を非常に良く出す。 聴感上中低域が膨らんでいるように聴こえる。低音のしまりはあまりない。全体的に柔らかい音色だが、中高音の音色がかすかに硬く感じる。ゆったり聴ける感じ
コメント

比較したパワーアンプは国内の老舗アンプメーカー(以下B社)がちょっと前に作ったモデルで、このアンプと比較したのは所有しているからということもありますが、このアンプは性能も音質も外観もすべてにわたって非常に良くできていると思ったからです。

powerampview240.jpg  m-07-240.jpg

DCPW-100   B社製セパレートパワーアンプ

パワーは若干弊社の方が小さいのですが、価格帯ではほぼ同じです。ただこのモデルはやや古いモデルで、改良機種はありますが現行モデルでこの機種に相当するものは無くなっているようです。価格は発売当時のもので現在、同レベルのパワーアンプの価格は50万円クラスだと思います。

上記特性の内、高調波歪率/ SN比/ 出力ノイズ/ DFについては実際に計測した数値です。

見ていただいてわかるとおり、全体にわたって弊社のアンプの方が特性は大きく上回っています。SN比、ノイズレベルに関しては、DCPWの方がゲインが少ない分良好なのは当然なのですが、それを差っぴいてもB社の方が少し悪くなっています。

大きく異なるのがダンピングファクターでB社の方がかなり小さいのですが、この辺は聴感上の結果と見事に一致しています。SPシステム自体のネットワークコイルの抵抗値から考えると、DFが100以上になると判別できなくても不思議はありませんが、意外とよくわかるのかもしれません。

B社の方は特定の音色をあえてつけている様な感じすべてのソースである音色を感じる。心地よい音色といえばそうだがすべてにそのカラーがつくので気にな るといえば気になる。DCPWの方は逆にソース、組み合わせる装置で音色が変わる。良い録音のソースを聞いたときには絶品。情報量の多さはヘッドホンに近 づいた感じです。

<パワーアンプの歪率特性の比較>

DCPW-100                          B社
ddcpw-dist.jpg  m-7dist.jpg

弊社アンプの方が全体的に下にあるのはSNが良いことを示しています。弊社アンプでは高域10KHzの歪率が特に小さいことがわかります。

B社のアンプが悪いことではなく、これでもかなりいいほうで教科書に載っていいる様な特性だと思います。
< 過度応答特性の比較> 100KHz(8Ω負荷)

power-100khz.jpgm-7-100khz.jpg

DCPW-100                          B社

100KHzだと普通のアンプは矩形波を再現しないので、かわいそうなので10KHzで比較してみると
 10KHz(8Ω負荷)

power-10khz.jpgm-710khz.jpg

DCPW-100                          B社

やっぱりDCPW-100の方が特性はいいんです(ほぼ完璧)。実はこの過度応答特性を完全にするというのはパワーアンプでは特に難しい事なんです。

B社のアンプもこれでもかなりいいほうだと思います。酷いのになると派手なピークがあったり、寄生振動が生じていたりします。そうなると明らかに耳障りな音になります。どの辺が効くかと言うと、基板の配線パターンの引き回しだとか、位相補正技術、広義には実装、部品レイアウトなどが影響します。弊社のアンプは回路パターンの最適化だけで1年以上費やし、基板パターンの大幅な改訂だけでも5、6回はやっています。それくらいやらないとこういう特性は得られないのです。

肝心の音質ですが、弊社のアンプは何でも無難にこなすというよりも聴いているソフトやオーディオ装置の素性を非常にはっきり出します。良い録音のソフトをSPのセッティングを上手に行って再生した際はこの上も無いリアルで圧倒的な音を出します。

かたやB社の方が何を聞いてもある種の心地よさは感じさせるのですが、すべてが同じ音になって場合によっては癖が耳につく事もありますし、あまりリアルという感じではありません。

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