インターナショナルオーディオショウ2017雑感

9/29(金)にインターナショナルオーディオショウに行ってきましたので、気づいたことを紹介します。あくまで個人のちょい聞きした感想ですのでその点はご理解下さい。また今回は少しお下品な表現も入りますがご容赦下さい。

面白かった展示物

どこのブースか忘れてしまったのですが、面白いものを見つけました。このリニアトラッキングアーム、発想が面白いです。それと、展示の見せ方が上手なのですぐに主旨がわかります。緑のレーザーが効いてます。

 

ヤマハのNS-5000

ある複数の評論家の先生がとても良いとほめていたので(雑誌の記事ではなく,本音として聞いたことがあるので)一度聴いて見ようと思いました。

ちょうどマーラーの復活がガツンと掛かってていました。たしかに凄さの片鱗は聴かせていました。非常にトランジェントの良い低音、これは只者ではない。中高域にキラリと光る美しさがあって華やか。ただ聴感上、100Hz近辺がやけにボーンと膨らんだ感じで、肝心のズシーンという超低域が出ていない、中高域のには音の立ち上がりにきらびやかな面がある反面、高域が苦しそうに鳴っているようにきこえました。

一般に、出てくる音からだけで、その特徴がスピーカー由来なのか、アンプ由来なのか、音源のせいなのかはわからないのですが、私の直感ではアンプが合わなかったのではないかと思いました。CD・アンプ類はヤマハではなく、とある有名メーカーの最高位モデルの超弩級アンプを使っていましたけどね。

このSP、またじっくり聞ける機会があればと思います。

ソナースファーベル

ソナースファーベルはイタリアのカッコつけたSPで、音は柔らかく聞きやすくして後はイメーージで売っている、と思っていたらまったく違ってました。鳴らしていたのはおそらくLilium(リリウム)というモデルだと思う(カタログの文字フォントがかっこよすぎてまったく読めないやつ)。とにかく音の広がり、特に低域を豊かに、しかもブーミーにならずに、これだけ出すのは大したものです。おそらく低域の(部屋を含めた)特性がほぼフラットにできているのだと思った(そうでないとこういう音にならないぞよ)。

後でカタログを見たら、なんと下に向けてサブウーハー(80Hz以下)を付けてあるらしい。加えて後ろ向きに2wayのスピーカーがついているそうです。ああそれで低域の部屋の反射による乱れを低減しているのね、と思ったら合理的、かつ大胆な会社だったのね。それで音質が伴っているのだからたいしたもの、あのエンクロージャーの形も、単に楽器を真似たのではなくて、独自の理論・思想によるものなのかもね。

フォナースファーベルってそういう会社だとは(この理解が正しいかどうかはわからないのだけれど)知りませんでした。おまけに、安いモデルもあってペアで79万円のモデルもあった。これくらいなら買いやすい。

ただこのスピーカー、おそらくどんな(非力な)アンプでもそこそこいい音がしてしまうと思うので、個人の趣味で聴くのはいのですが、アンプやさんがアピールするスピーカーには向かないかな。アンプやさんは鳴らすのが難しいSPをガンガン鳴らすのがイイんで。

カタログの価格のところにシールが張ってあって読めなかったので(子供は見ないでねってことかな?)、ネットで調べてみたらなんと880円、・・・・じゃなくて880万円でした。

その横にATCのSPが置いてありました。実機をみると小口径のブップシェルフでも結構存在感があって、安っぽくない。ATCは能率が低く、アンプの素性を暴くのにはもってこいのSPです。実際ある評論家の方は普段はマルチアンプで鳴らしているのですが、パワーアンプのテストのときにはATCの30cmウーハーのモデルを出してきて試聴されます。このSPがアンプの比較をするにはもってこいだとおっしゃっていたのはごもっともです。

マジコはマジか、まじなのか?

ちょうど鳴っていたのは2本で2000万円超の最上級モデル。金管楽器の音がきつすぎるやけに変な音、弦楽器の音も首絞められているかような苦しい音。海外製の超弩級アンプで鳴らしていたのですが、SPの実力はほとんど出ていないように思いました。締まった中低域に、かすかに良さが顔を覗かせていました。MAGICOは展示会では、もっと下のモデルも含めて、ほとんどまともな音で鳴っていないことが多いように思います。個人宅2箇所でMAGICOの他のモデルを聴いたことがありますが、もっとずっといい音で鳴っていましたけど、どうしたのでしょう。この音だったらすぐに他の低価格モデルに変えた方が(言い訳できるので)営業的には良かったのではないでしょうか?(あ、余計なお世話ですね。)

BROADMANN社のVC7というスピーカー、240万円なり

説明によると。ウーハーの口径は13cmが左右に分かれて4本だそうで、なんと吸音材を一切使用していないという、とにかく変わったスピーカーです。最初の説明が長かったのですが、どんだけ変な音か聴いてから出ようと思って粘っていたら、これがあら不思議、何故かいい音。響きが有るのですが嫌な残響音ではなく心地よく、きれいな響きであれ不思議。値段はハイエンドなので、いい音なのは当然かも知れませんが、エンクロージャーの形、構成などからは想像できない音。

まあオクターブの一番高価なアンプ(?)で鳴らしているのだから音が良いのはそのせいかもしれないが・・・。

後ででカタログを見たらしっかりとした理論があったのね。と変に感心したスピーカーでした。

日本のメーカーはやたら振動板の素材だなんだと、そこだけにこだわるけれど、もう少し大きな視点でSPを根本から考える方法もあるのかなーと感じました。

◯◯◯◯(メーカー名・モデル名は180才未満の方はご覧になれません)

あるヴィンテージと言ってもいい大型スピーカーの音(鳴っているのは現行型だと思うが)、これが低音のボンボンさがひどい。今時こんな音を聴いて、いい音だと思う人がいるのだろうか?というくらいひどい。広い部屋なのにバスレフポートが効きすぎているというか、もともとこういう設定なのかは知らないが。低音にマスクされて高音がほとんど聞こえない。レコードをかけていたが、これだとすべての粗を隠すのには良いかもしれません。さしずめ、もうすぐ15夜なので「月夜のお見合い」「闇鍋オーディオ」といったところでしょうか。

雑感と言いながら長々書いてしまった。アンプを作る立場からか、ほとんどがSP話になってしまいました。

以上ただの感想でした。

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