ディナウディオのConfidence C4を導入しました。早速、周波数特性等を測定してみましたので報告します。
事務所の試聴スペースの間取りと写真はこのような感じです。
リスニングルームのレイアウト
写真はこのレイアウト図の矢印から撮っています
リスニングスペースとしては(都心としては)比較的広めのリビングルーム程度の大きさはあります。スピーカーはこの辺が良かろう、というところにポンと置いて特にそれ以上の調整はしていません。
測定は測定用の無指向性コンデンサマイクECM-800をUSBインターフェースのマイクアンプを通してPCに接続し、スピーカー特性測定用ソフト「Myspeaker」を使用して行いました。
測定結果
周波数特性はこちらになります。
測定位置はソファに寄りかかった位置、ちょうど赤顏印のあたりです。
200Hzから500Hzあたりがやや凹んでいますが、全体的にフラットで良い特性です。どこまで信頼できるかわからないところもありますが、20Hzまで落ちていません。高域も普通は1KHz以上でなだらかに低下していきますが、10KHzくらいまでほぼフラットです。
右CHも同様の特性ですが右壁の方が近いせいかやや低域が暴れています。
ソファに寄りかかった位置から50cm位前にでた位置(青顔印と赤顏印の間位)で測定した周波数特性です。200-500Hzのくぼみも改善されて全体的によりフラットになっているのがわかります。
さらに前にでて青顏印で取得した周波数特性です。200Hz以上でよりスムーズな特性になっています。やはり後ろ壁よりも少し離れた方が良いようです。
同じく背面壁から1m離れた位置で測定した左CHのC4の周波数特性。
RCHと同様にかなりフラットになりました。 ただこの位置ですとSPに近づきすぎていて、高域も完全にフラットに出ていますので、ややはっきり聞こえすぎる感があります。まるでヘッドホンの様なバランスです。こう考えると、C4を理想的なバランスで鳴らすには前後の距離が8m位欲しい所です。
改善案としては、現在の位置からSPを少し後ろに動かした方が良いかもしれません。
C4の歪率特性
次に歪率特性を測定してみました。黒が周波数特性で、緑線が第2次高調波、青線が3次高調波歪、グレーがノイズスペクトルです。両歪とも40dBUpさせています。
500Hz以上では歪率は-60dB(0.1%)程度とスピーカーとしては非常に優秀ですグレーのノイズレベルまで低下していますので、実際はもっと小さいかもしれません。100Hz以下の低域においても-40dB以下で、通常スピーカーでは大振幅となる低域ではもっと上昇しますので、かなり優秀だと思います。
残響時間測定
残響時間は部屋の特性で本来スピーカーには依存しないはずですが、C4からパルス音を発生させて、残響時間を測定したのが下の図です。
全体的には0.2秒で、50-200Hzで約0.3秒程度に伸びています。
累積スペクトラム特性
累積スペクトラム特性は各周波数ごとの立ち下がりの様子を3次元的に表現したちょっとかっこいいグラフです。トーンバースト波形を全周波数で見ているようなものでしょうか?
これを見ると高域の方がきれいに音が切れているように見えますが、時間軸でみているので低域はどうしても減衰するのに時間がかかります。時間ではなく、波数(あるいはサイクル数)でみた方が公平なトランジェント特性になるかもしれません。1KHz以上の周波数では一度立ち下がった後には波形が一切見えずきれいです。低域では200Hz以下が盛り上がってますが、インパルス応答はSN比が悪く、信号の変動分を低域と勘違いする傾向があるのであまりあてにはなりません。200Hz以下が信用できるとすると、50Hz以下で特にレベルが低下していないことがわかります。50Hz以下は部屋の定在波などでずっと鳴りっぱなしなのかもしれません。
C1,C2に比較してC4は低域が出すぎるというプロの方のコメントを複数聴いたことがあるのですが、無響室の周波数特性ではどのモデルもフラットです。C4が50Hz以下の超低域が出ているので、部屋の定在波などの影響で、低音の切れが悪いように聞こえているのかもしれません。
以上、ディナウディオのConfidenceC4スピーカーを導入したので、基本特性を調べてみました。非常に参考になる特性が取れましたので、これらを参考にして今後のセッティングを詰めていきたいと思っています。