ご挨拶に代えて(その2) -オーディオとのかかわり-

 ここでは私個人のオーディオとのかかわりを説明したいと思います。

私がオーディオに熱中していたのは実に35年から30年くらい前までで、今思えばオーディオの全盛期でした。秋葉原はオーディオ関連のお店であふれ、活気がありました。私は中学2年の時にマランツ7型真空管プリアンプのレプリカを作りました。ロータリースイッチ式のトーンコントロール、可変周波数の切り替えレバースイッチ付の本当のデッドコピーです。その作り方を紹介した専門書が本屋さんで売っていて、また秋葉原をちょっと歩けばすべての部品が入手できる、今考えるとすごい時代でした。もちろん部品の銘柄等は本家とは異なりますので、どこまで原型の良さを再現したかはわかりかねますが、ちゃんと動作してレコードが聴ける状態でした。中学生だというのにお年玉でオシロスコープを買い、中古のAC電圧計を買い、発信機は自作しましたのですでに最低限の測定器も持っていました。

 その後大学生くらいまではオーディオに熱中していましたが、その後いつしかだんだんオーディオのことは忘れていました。オーディオ雑誌もほとんど読まなくなっていたのです。当時は大手家電メーカーがオーディオを事業としていた時代で新規技術が目白押しでした。その当時は、新製品の目新しさにつられて装置を買ったものの、大した効果も感じられずがっかりしたことも何度か、そんなことが続いたからかもしれません。

 社会人となり忙しくなり15年くらい経ったある日、DSP機能付の安いAVアンプを購入しました。雑誌の特撰か何かのマークのついた、記事を読む限りそこそこの評価のものでした。この音を聴いてびっくりしました、ひどい音だったのです。機能はすごいのです。各種ホールの残響音もシミュレートしますし、マルチチャンネルでも何でもこいです。しかしながらその音は痩せ、何かプツプツという音を本当にミキシングした様な妙な刺激性のある音でした。

 実はその音のひどさがきっかけでオーディオ装置の事が再度気になり始め、少しずつオーディオの情報を集め始め、ついに会社を設立して製造メーカーになっていました。
 現在のピュアオーディオ製品も非常に高価なものばかりです。アンプを作る人もめっきり減ったと思いますし、作ろうとしても部品の入手にすら苦労します。オーディオ雑誌でも本格的なオーディオアンプの記事は真空管を除くとほとんど目新しいものがありません。オーディオはもっと楽しいはずなのに、もっといい音になるはずなのにおかしい・・・。無いのなら自分で作るしかないという思いもありましたし、もっといいものを作る自信もありました。自作に対する部品や基板の提供を通じてもっと盛り上げたいそんな思いもあってオーディオデザインという会社を設立しました。

オーディオデザインの業務内容としては、設立当初はアンプ基板、測定器などを中心として、自作の方のお手伝いをしたいと考えていましたが、実際にやってみるとビジネス的にはかなり難しく現在ではアンプの完成品に注力しています。アンプ基板、キットなどは別にビジネスの柱があって、趣味でやるくらいの気持ちでないとできないかなーと思っています。

ご挨拶に代えて(その2) -オーディオとのかかわり-」への1件のフィードバック

  1. 大藤さん、本当にご無沙汰です。
    描画機屋のマイクロニックで日本法人をやっている筒井です。代表で入社して7年経ちましたが、不思議なことに、未だ何とかやっています。会社はべらぼうな欠損で大変ですが。
    ふとしたきっかけで本サイトにたどり着きました。お互い、そろそろ50歳ですね。何の下心もありませんが、同級生のよしみで、そのうち一杯やりませんか?DNP土屋さんが辞めたり、同級生も色々と思うところはあるようです。
    もしおヒマでしたら返事下さい。週末に帰国して、時差で眠れずにおり、懐かしさでメールしてみました。
    筒井昌

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