このプリアンプはどんな音ですか? -いいえ楽器じゃないので音は出ません-

よく初めてのお客様から「プリアンプはどんな音質ですか?」という問い合わせを電話でいただきます。
実際に表題の様にぶっきらぼうに回答するわけではありませんが、いきなり聞かれても正直お答えのしようがありません。
たとえば、服飾メーカーに電話をして、自身のことまったく説明せず、いきなり、お宅のこの服は私に似合うでしょうか?と質問しても、メーカーも答えに困るのと同じです。同じ質問でも、自分の年齢、体型、好み、使用するTPO、組み合わせる他の服装を説明すれば、それは似合いますとか、こちらの方がいいでしょうとか、専門家ならではの回答をもらうこともできると思うのです(仮に相手にしてくれたとして)。
アンプも同じ事で、使用しているオーディオ装置、好みの音質、改善しようとしている方向をおっしゃっていただいた上で、ご質問いただければ、かなり的確な回答ができると思います。(これまでにお客様からいただいたデータベースも結構ありますので)
プリアンプの音質で良くいただく表現は

・解像度(分離)がいい、・情報量が多い、・音が澄んでいる、

などです。
ただ、これも正確にいえば他のプリアンプでは

・解像度が悪い、・情報量が減る、・音が濁る

ので、弊社のアンプに変えると上記の様に聴こえるだけだと思います。
弊社のプリアンプを入れて音質が良くなるのではなく、音質がまったく劣化しないだけなのです。

実際弊社の中での試聴では他社のプリアンプと音質比較をすると結構な差はありますが、パッシブプリとプリアンプを瞬時比較したり、CD-パワーアンプ直結とプリアンプ挿入の瞬時比較をしても、顕著に音質が変化するわけではなく、少し変わったかなという程度です。

ただお客様の中にはこれまでCDとパワーアンプを直結されて使用されていて(音量調節はなんとセパレートパワーアンプのアッテネーターを調節されていたとの事)、弊社のパッシブプリを入れたら音質がよくなり、さらにその後DCプリアンプに変えたらよりよくなったという方もいらっしゃいますので、DCプリの方がいいとも言えるかもしれません。

そのほかにいただく音質上の評価として

・低音が締まる、・音に厚みが出る、・音がうるさくない

などの表現もいただきますが、これはお客様によってもばらつき、どちらかというとスピーカーやパワーアンプの本来の能力を引き出しているだけだと解釈しています。つまりお客様の装置セッティングに依存しています。
そういう事情があるので、音質に関してお問い合わせいただくときは、まずご自身の装置を紹介していただく事をお薦めします。そうでないと、ひょっとすると表題の様な返答をしてしまうかもしれません。

このプリアンプはどんな音ですか? -いいえ楽器じゃないので音は出ません-」への6件のフィードバック

  1. どうして宣伝文句をそのまま鵜呑みにされるのか、私にはよく理解できません・・・・。
    そもそも何故こちらで検証しなければならないのでしょうか?
    それとも宣伝をしたいということでしょうか?
    営業活動の一環ということでしたらそのようなコメントはご遠慮下さい。

  2. 新潟のオーディオ店・根布産業というガレージメーカーでしょうか。以下のようなレポートが掲載されていました。デノンDCD-SA1が激変したそうです。試してみる価値はあるのではないですか。参考までに引用します。
    DCD-SA1にNeutronStar
    DCD-SA1をチューンしました。
    ノーマルでは今までのデノンサウンドと違っていますが、癖の強い音でした。
    一般的なプレーヤーの音とはかなり違うので、好みの分かれる音です。
    内部を見るとクロックにはクリスタルではなく発振器(TCXO)が付いています。
    NeutronStarに交換するとノーマルで感じた癖が全くなくなるので癖の原因はこのTCXOだと思いました。
    今まで、いろいろな機種にXO、XO3、D-Clock、NeutronStarと取り付けているのでクロックによる音の変化もわかりますし、クロック用電源が重要なこともわかっています。
    NeutronStarに交換(クロック専用電源とGC#16チューン)したDCD-SA1を聴くと機器の存在が消える自然な音が出てきました。何も気にせず音楽に浸ることができます。
    2ch出力しかないCD/SACD専用機で50万円という金額は高いと思いますが、この音が出るのなら逆に安いプレーヤーだと思います。
    DCD-SA1をお使いで他のプレーヤーが気になっているという方がおられましたらNeutronStarに交換することをお薦めします。一生物のプレーヤーに変身します。
    唯一の欠点はCDが良くなり過ぎてSACDよりCDのほうが音が良いこと。

  3. すごいSPをお使いですね。私も以前ソニーのSSG-7というSPを使っていましたがよかったです。
    ご使用のCDの対処法ですが、
    (1)高周波フィルタをいれる
    (2)バランス出力で使用する
    (3)PCオーディオ入力とする
    (4)買い換える
    が考えられます。1は100KHz以上(20KHz以上でもよい)がカットできるCRフィルター、LCRフィルターを入れるか、もともと帯域の狭い真空管アンプ等をいれると効果はあります。以前LCフィルターを入れてみたところ、気になる付帯音の3割くらいは無くなった様に感じました。ただ完璧とは言えないと思います。
    それと、技術的に検証したわけではありませんが、バランス出力の方が若干おとなしめの音になって好ましかったです。付帯音が同相だとするとバランス出力とすることで後段でキャンセルされる効果があるのかもしません。
    また一般にCDではなくPC音源にすると(CDを一度取り込んでから聞くと)、音質は若干向上します。
    ただ、一番の買いける方法は買い換えることではないかと思います。
    DACは何がいいかとよく聞かれるのですが(弊社でのDACはをだしていいるのに平気でこう言うことを聞いてくるので不思議です)、難しいです。好みもありますし。

  4. 最近の「自由闊達にして愉快なる理想工場」製のオーディオ製品が低調です。私はCDプレーヤーの557ESD→SCD-1→「御社のブログに登場する50万円の著名製品」と遍歴してきましたが、CDの音質に関しては大きな差が認められませんでした。まさに私もブログに書かれた通りの衝撃を受けました。音質評価についてもまったく同感です。
    ただ、現在は著名製品のマスタークロックをより高精度のものに変えたり、ヒューズ交換や電源コンデンサへの電磁波対策などでようやく、クラシックが聴ける柔らかくしなやかな音が出るレベルになりました。
    愛用スピーカーは上記の会社が全盛時に作ったAPM-6を30年近く使用しています。内部配線などをマグネシウムシールドケーブルに交換し素晴らしい音質となっています。30年前の「理想工場」製のオーディオは本当に素晴らしかったですね。
    さて、御社ブログでは「50万円著名CDプレーヤー」を聞く気になれないとのことですが、何か打つ手はないのでしょうか。使用中の私も人事ではないので、有効と思われる手立てがありましたらご教授いただければ幸いです。

  5. 電源のコンデンサの容量に関してはプリアンプとパワーアンプで全く事情は異なります。パワーアンプの場合数A(1秒で数クーロン)流れることもあるので電源のコンデンサの容量が大きくないと電源電圧も結構降下してしまいます。1万uFでも50Vの電圧なら0.5クーロンしか電気を貯蔵していないのです。
    一方プリアンプでは出力電流量が0.1mA程度なので必要な電荷量は少なく、この点では数千uFでも十分です。ただ電源に安定化電源を使用していない場合、電源電圧のリップルが大きいので(数百mV)コンデンサ容量を大きくすると多少改善されます(せいぜい100mV程度まで)。ですので基本的には良質の安定化電源を使用しないと電源の安定化はできません。
    ただし話がややこしくなって申し訳ないのですが、パワーアンプの出力段は安定化してはいけません。
    実際にコンデンサ容量を増やした際の音質変化ですが、安定化電源を使用している場合、平滑用コンデンサの容量を大きくしても音質変化は検知できません。
    安定化電源を使用していない場合は音質も変わるかも知れませんが、大事なことは大きな容量の電解コンは高域の特性が悪くなるので(コンデンサとして機能しなくなるので)要注意です。コンデンサ容量に着目するよりもコンデンサの種類、その他の高周波特性の良いものを並列に使用しているかの方が重要でしょう。
    ゲインは10dbと18dBの差ではそれが音質を決める要素になっているとは思いません。
    また基本的にこのようなご質問は実際にそれを製造している会社の問い合わせされるのが良いと思います。

  6.  プリアンプのゲインと平滑用電源容量についてお尋ねします。私が使用している某国産超高級ライン用プリのゲインは約10dBで、電源コンデンサの容量は6600μFです。一方、ライバル会社である別の国産超高級最新プリのカタログを見ますと、18dB、120000μFとなっています。
     この場合、18dB、120000μFのプリのほうが、全般にエネルギッシュで低音も出そうな印象を受けてしまうのですが、実際はゲインの高さや、電源容量の多さはどの程度音色に関係してくるものなのでしょうか。
     私の体験的考察では、小音量で聴く場合、ラインプリでも、15dBは必要なのではと考えています。ゲインが低いプリアンプは音量調整やSNの面では有利ですが、出てくる音は淡白で力感に欠ける気がします。
     それと、プリアンプの場合でも電源容量の大きさと聴感上の低音感は比例するものなのでしょうか。

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