■リファレンスを目指して設計されたフォノイコライザアンプ
・回路構成は音質上もっとも有利とされるCR型イコライザを採用
フォノイコライザアンプの回路構成には、RIAAイコライザ素子をNFBループに入れるRIAA補正するNF型と、イコライザ素子をアンプの外に挿入してRIAA補正するCR型の2種類があります。
NF型型はアンプ1段で構成され簡便なため製品にもよく使用されていますが、音質的にはCR型の方が有利とされています。DCEQ-100SEではあえてCR型を採用し、音質を最優先しました。
さらにCR型では一般にSN比が悪化しやすい懸念がありますが、DCEQ-100SEではアンプ自体のノイズをとことん低減することにより、NF型イコライザアンプ以上のSN比を確保することができました。
・フォノイコライザのために低ノイズヘッドアンプを新開発
レコード用のイコライザアンプでは微小な入力信号を扱うためノイズ特性が非常に重要です。従来低ノイズアンプを実現するためには高GmのFETを並列接続する手法が用いられてきました。
近年高GmのFETが相次いで廃番となりなりこういった手法を取ることが難しくなって来ました。そこでDCEQ-100SEではトランジスタを高Gm条件で使用し、かつDCアンプ構成が取れるように対称差動アンプ回路を初段に採用し、低ノイズ特性を実現しました。
・レコードカートリッジ用アンプのノイズ特性の解説
ノイズ指数(Noisee Figure)とはSN比の悪化の度合いをdBで表現したものです。
初段の半導体のgmが小さいと特にMCカートリッジでSN比が悪化します(NFが大きくなります)。
このため高gmFETが通常用いられますが、近年高gmFETが相次いで廃番となっています。
そこで本アンプでは初段にトランジスタを高gm領域で使用することにより高SN比を確保しました。
トランジスタを初段に使用するためにNPNペアPNPペアを使用してDCアンプ構成としています。
ノイズ指数(NF)と初段Gmとの関係
・全段ディスクリートDCアンプ構成にパッシブDCサーボを搭載
アンプ回路はすべて音質上優れたDCアンプ構成としています。しかしながらフォノイコライザアンプにおいてはレコードのそり等による超低周波成分も多く、DCアンプでは実用上問題となります。超低周波領域を排除する手法としてDCアンプサーボ技術もありますが、OPアンプを含むDCサーボサーボ回路をNFB回路内に挿入する必要があり、音質劣化の原因となることがあります。そこでDCEQ-100SEではすべて良質の受動素子で構成したパッシブDCサーボを導入してこの問題を解決しています。
・高速低ノイズ安定化電源ユニット搭載
DCアダプターとして市販しているDCA-5V/DCA12Vはお陰さまで高音質な直流電源装置として定評を得ております。DCEQ-100SEではこの定評ある高速、低ノイズ安定化電源をユニット化して搭載しています。一般に電源に使用されている3端子レギュレータなどと比較してノイズが1/10レベル、10倍以上の高速応答性など優れた電源が高音質を支えています。
・MCヘッドアンプとしても使用可能
DCEQ-100SEのブロック図
DCEQ-100SEはフォノイコライザアンプですがMCアンプヘッドアンプとしても御使用頂けます。ヘッドアンプ出力をご愛用のイコライザアンプに接続すれば、優れたMC用ヘッドアンプとして機能いたします。