音質と人口の怪しい関係 -二人はできているんじゃ?-

今回ちょっと毛色の変わった話をしたいと思います。

2CH等に時々オーディオマニアの狂気の沙汰として次のような内容が参照されているのを何度かみました。

電力会社     長所      短所   お奨め度
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東京電力     バランス   モッサリ遅い    C
中部電力    低域量感   低域強すぎ   A+
関西電力    高域ヌケ   特徴薄い    B
中国電力    透明感     低域薄い    B+
北陸電力  ウェットな艶   低域薄い     A-
東北電力    密度とSN   低域薄い    A+
四国電力  色彩感と温度   低域薄い    A
九州電力     バランス   距離感      C
北海道電力   低域品質   音場狭い     B-
沖縄電力    中高域艶   モッサリ遅い     A

これはどなたかがブログか何かに電力会社によって音質が違うという主旨の内容として書かれているものです(なんでも発電所から5Kmでの結果だそうです)。

確かにこの記事の「電力会社によって音が違う」という主旨にはびっくりしますし、いろいろ突っ込まれても仕方がないかな~と思います。
ただこのネタのおもしろいのはここからで、このデータある指標にそって整理すると見事な相関を示しています。

その結果はこちらです。

(ささっと作ったのでどこか間違っていたらごめんなさいっと)

縦軸はA評価を+1、B評価を0、C評価を-1とし、さらにA+等のように+のあるものを+0.25、逆に-の付いているものを-0.25しました。
横軸は1都道府県あたりの人口で、例えば関西は総人口を7で割った数値です。まあおよそ人口密度に相当すると思っていいただいていいと思います。横軸が対数となっていいるのは分布の幅が広いからで、ごく普通の処理です。

見ていただくとわかるように見事に相関関係が出ています。九州だけは大きく外れていますが、なにか特殊な事情があったものと思います。このグラフを作るのに何か特に工夫をしたということはなく、一発でこの関係が出てきたのでびっくりしました。もちろん、最初に表のデータを見た時に都市部の方が評価が悪いなーと思って始めたわけですが。

ただし統計学の教科書に載っている様に、
・強い相関関係が有るからと言って、結果の原因を証明するものではありません。(人口が多い地域ほど音質が悪いという証明にはなりませんし、人口そのものが音質劣化の原因ではありません。)

この最初のデータを具体的にどの様な再生装置で聞いたのかは知りませんが(そもそも全国でしかも発電所から5Kmの所で聴くって至難のわざでは、ひょっとしたら適当に作ったデータかも知れませんが)このデータが実際に聴いてつくったメモなら、この人相当に耳がいいということになると思います(これ作ったのはもちろん私ではありません)。

このデータの真偽は別にしても、オーディオ装置を都会の中心地に持って行くと音が悪くなるという経験は結構あります。山手線の内側のオフィスビル位になるとはっきり劣化がわかります。低音が痩せて、高音がきつくなる感じになりますね。

ハイエンドショウ東京なんかもそうで、部屋の影響を差っ引いても結構悪くなります。さらに金曜よりも土日の方が音質劣化が少なくなります。ハイエンドショウでは金土日と同じ曲をずっとかけますから結構はっきりわかります。うちのブース以外でもそういった(金曜が悪い)傾向が同様にあります。どちらかと言うと高性能機の方が影響を受けるような気がしますが。

ここまで来るともう見当が付きますよね。パソコン、家電製品、事務機器などの電源はスイッチングレギュレーターを使用しています。スイッチングの周波数は数百KHz位だと思いますが、回路が閉じた時のリンギング等は200MHzくらいだそうです。

本当のところは人口密度の大きいところでは電源の高周波ノイズが大きく、音質劣化を招く場合があるといったところではないのかと思います。

ついでに言っておきますと、アイソレーショントランスは高周波ノイズの低減にはあまり効果がないのではないかと思います。トランスは1次巻線と2次巻線が密着しているのでキャパシタンスで結合していますから。

(このブログをご愛読いただいている方はご存知と思いますが、私は電源ケーブルとかにあまり凝る方ではありません)

以上、電力会社とオーディオの音質について一つの見方を紹介してみました。

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