最近購入したオーディオ機器(2) -レコードカートリッジの前振り- 

最近購入したオーディオ機器編第2弾として、レコードカートリッジについて紹介したいと思います。

アナログレコードは通常は聞いていません。聞きたいと思うソースがレコードでは(中古を除けば)発売されていませんし、いちいちホコリを拭いてからたった30分で終わってしまうというのは今の生活スタイルに合いません。ただプリアンプのイコライザアンプのテストに定期的にレコードを掛ける事になるので、聞くたびにレコードの音はいいと思うのです。

レコードの音がそこまでいいと思えるようになったのは、手前味噌ですが自社のイコライザアンプを使用してからです。どういいかというと、音の厚み、中低音に重心を置いたピラミッド型の帯域バランスという点です。レコードによっては録音の悪いものも多いのですが、そこそこいい録音のレコードでは例外なくバランスの良い音ができてきます。またプリアンプのイコライザアンプ、パワーアンプなどアンプの性能を良くしていけば良くしていくほど比例して音が良くなるのもアナログレコードの特徴です。

以前他社製のプリメインアンプ付属のイコライザアンプでレコードを聴いていた際はレコードの音には特に良いと思える部分が無く、すべてにわたってCDに負けている感じでした。今のイコライザアンプにしてからレコードの情報量、帯域バランスなど非常に良い点が引き出されて来た感があります。

何故かはわからないのですが特にMMカートリッジの音が抜群に良くなりました。レコードカートリッジといえばMCで、MMはどうしても1-2ランク落ちた音質というのが常識かと思うのですが、弊社のイコライザアンプを使用するとMMがMCクラスに仲間入りします。MCももちろん良くなるのですが、音質向上がMMの方がずっと大きいのでほとんど差が無くなった感じです。MCは汎用のMCヘッドトランスを使用しているのでそのせいもあるかもしれません。
たまたま手元にあったMMカートリッジはオーディオテクニカのAT-13Eという安物で、以前でしたら音が出るというだけでとても音楽を鑑賞する代物ではなかったという認識だったのですが、これが結構聞けるようになりました。(もともと何かの間に合わせで購入したか、おまけについてきたもの)

ここからやっと購入した機器(カートリッジ)の話になるのですが、その前にレこードプレーヤーについてお話します。通常使用しているのはパイオニアのリニアトラッキングプレーヤーPL-L1です。このプレーヤーは現在使用されている方はほとんどいないと思いますが、30年位前に(学生時代?)にメカにほれ込んで中古で購入したものです。
パイオニアPL-L1
これのいいところはもちろんリニアトラッキング(カートリッジが常にレコードの接線方向に向く)という事はもちろんですが、実はアーム長が短いという事もあるのです。通常トーンアームはトラッキングエラーを小さくするために長く設計されていますが、リニア式の場合その心配が無いのでアーム長が20cmくらいしかありません。通常の2/3の長さですから慣性モーメントにすると半分以下になるはずです。
短い上にストレートのカーボンアームでしかも通常のヘッドシェルが使用できます(通常のプレーヤーではストレートアームではオフセットしたヘッドシェルが必要になります)。

リニアトラッキング式プレーヤーのいい点はそのほかにレコード内周で音質が悪くなってきた場合、接線速度が小さくなったためと結論付ける事ができるという事もあります(オフセット角の問題から開放されているため)。まあそんな事に満足感を覚えるのは私くらいのものでしょうが。

加えてこのリニアトラッキングプレーヤーのアームは針圧をスプリングでかける方式で、通常の傾いたヤジロベーの様な方式と違って、レコード盤が多少うねっていても常に一定の針圧を掛けようとする(ほんと?)方式も気に入っています。

このPL-L1プレーヤーは壊れたら修理不能なのでオーディオショーに持っていく気がしません。それに26Kgと重いのです。奥行きがあって遠くを持たなくてはいけないので余計に重く感じます。今回ハイエンドショー向けに軽いプレーヤーをオークションで購入しました。それがこれ。

ビクターQL-Y66F

何とフルオートマチック(ボタン一つで勝手にレコードに針を落として終わると戻って来る)、電子制御のトーンアームがついています。もっとシンプルなプレーヤーが欲しかったのですが、手ごろな物が見つからなかったので、これになりました。又も電子制御になりましたが、別にこの電子制御が欲しかったのではないのです。いいナーと思うものはみんながいいと思うので、20年前のプレーヤーが一部部品欠け・保証無し・個人出品で、定価の半値以上価格で取引されています。そうなるといくら何でも買う気になりません。どうしても不人気品に落ち着いてしまいます。
購入した実物は傷が無くしかも感動品で非常に程度の良いものでした。20年経って電子制御が感動というのはしっかりした設計・製造をやっていたんだなーという事がうかがい知れます(同機種のほとんどが感動品として出品されています)。ただ音質はやはりPL-L1に比較すると落ちます。アナログレコードの良さがそぎ落とされてしまった感じでCDに対する音質の優位性をあまり感じる事ができないかもしれません。ハイエンドショーではレコードの良さ(イコライザアンプの良さ)をお聞かせしようとしたつもりでしたが、今ひとつCDとの差が感じられなかったかもしれません。

レコードカートリッジの事を書こうと思っていたら、その前置きで1ページ分になってしまいました。次はいよいよ(といってもたいした事は無いが)カートリッジ編です。

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