オーディオ評論家の先生に装置を評価してもらう様になって -(その3)そうはいかないよ編-

アンプの評価をオーディオ評論家の方にしていただくようになって、きわめて正確な評価に驚いたといったが、それだけでうまくいくほど世の中は甘くない。実際に自社のアンプが雑誌の記事になってその内容をみて正直ショックを受けた。なぜかというと極めて普通の内容で、ほとんど褒めてもらっていないような感じだったから。褒めてもらっていないというと大げさだが、褒め方が普通というか、特にいいとは言っていただけてないような感じである。こう褒めていましたよと教えてもらった褒め言葉が、1行も、どころか一つも入っていない・・・・・・・。期待が大きかっただけにショックだった。

あとで、実際に関係者の方にもそれとなく聴いてみたりしたのだが、それが普通というか、そんなものなのだそうだ。この場合とは逆に、さほど良くない製品も中にはあるかもしれないが、だからといってそういってしまってはメーカーも怒るし、広告にも影響するから、逆に悪くは書かないケースもあるだろうし、無難にまとめるのが当たり前なのだろう。評論家の方からみれば、毎週いいものがたくさんあって年に何百台も試聴して、いちいち表現を考えていられないだろうし、普通の表現パターンにまとまるのが当たり前なのである。ましてや弊社の場合、本当に製品を安定して市場に供給しているか実績が見えないわけだし、そんな知りもしないメーカーの製品を下手に褒めて後で苦情が来たら先生としてもいい迷惑だろう。

その後他のオーディオ雑誌を通じて他のオーディオ評論家の方にもご試聴いただき、記事にしていただいた。今度は記事を見ただけなので詳細というかほんとにどれだけいいのかこちらとしてもわからない。最初にご試聴いただいた評論家の方が(内々のメモを見る限り)超人的に鋭かったという事で、これまでの話が必ずしも一般的という事ではないのだろうとも思う。

ただ一ついえる事はオーディオ雑誌の記事を読む際には、単に言葉・表現をたどるだけではなく、その評論家の方の嗜好やいつも使う表現などもつかんでおいて、その方の言い回しの裏を探るぐらいの読み方をしないと、製品が果たしていいのか悪いのかわからないと言う事だろう。

まあノストラダムスの大予言みたいなもので、読んでいる方で適切な解釈をしなければいけないという事ではないだろうか?

それでも今年はオーディオ雑誌で取り上げていただいて、記事にしてもらえただけでも大きな進歩であるし、音元出版のオーディオ銘機賞やMJ誌のテクノロジーオブザイアーも頂戴できたので、それだけでも大変ありがたいし、名誉な事だと思っている。

少なくとも、今年はまな板への乗り方がわかったので、来年はそこでどうアピールするかまで少しは考えてやっていかなくてはと思っている。

やりたい事、やるべき事がまるで妄想の様に膨らむ今日この頃です。

オーディオ評論家の先生に装置を評価してもらう様になって -(その3)そうはいかないよ編-」への2件のフィードバック

  1. いつもご愛読ありがとうございます。個人輸入をされるというのは凄いですね。それだけMagnatがお気に召したという事なのですね。今後ともよろしくお願いいたします。

  2. なるほど、やはり行間を読むことが重要ということですね。よくわかります。
    こちらとともに、Audiodesign Columnの方もとても参考にさせていただいております。(最初は、Maganatスピーカー関係の検索でたどり着きました。)
    私はVintage 120をずっと使っていて、最近Quantum 607を個人輸入で入手しました。

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