オーディオの天才バカボン -賛成の反対なのだ-

昔、漫画・天才バカボンのパパがよく「賛成の反対なのだ~」とかよく言っていたと思う(世代がばれるな)。わかった様でよくわからない言い回しだが、オーディオでもこういった表現があてはまる場合がある気がする。それは「低音(良くするに)は高音を」あるいは逆に「高音(を良くするに)は低音を」と言う現象だ。

安物のAVアンプなんかの音を聞くと、音は刺激的で痩せ、低音がまったく出ていないように聴こえる。でもこれなんかは、低音が出ていないというよりは(もちろん低音の出る出ないの差はアンプにもあるのだが)、それよりも中高音が耳障りで、その分低音が少ない様に感じられるのだと思う。
実際調べてみるとAVアンプの場合、歪が多いというのはもちろんだが、単に高調波歪が出ているというより、入力信号と関係ないデジタル的なノイズが結構乗っていたりするので始末に悪いというか、非常に耳につくのである。

AVアンプに限らず、パワーアンプなんかでもそうで、非常に下手に作ると高域の歪が多く0.数%レベルになって、これは中高音ばかりがうるさくなって、相当な電源を積んでいてもまるで低音が出ていないように聴こえたりした事がある(まあ歪率が0.1%程度でも歪っぽく感じない事もあるので、この辺の実情は複雑だが・・・)。
いずれにしろ、こういう場合は低音が聴感上足りないからといって低音をいくら改善しようとしてもだめで、逆に高音域の質を向上させる事が重要だ。

同じ事がCDP回りにも言えて、DACを良くしていくと低音が出るように聴こえて、今までのCDPの音が如何にに痩せた音かわかるようになってくる。最近DACを作り初めて(といってもDACのチップを作っているわけではもちろんないよ)良くわかるようになった(これって時代遅れ?)。

昔、スピーカーなどは自分で組み合わせるのが一般的だった頃は(スーパー)ツイーターを入れたり、ウーハーを入れたり入れ替えたりすると、高音をいじって低音が良くなった様に聴こえたりする事はよくあった(その逆もしかり)。その様な事は昔はオーディオ雑誌とか各所でいわれていた記憶があるが、今の様にケーブル交換みたいな事しかしない様になると、こういった経験は一般的ではないかもしれない。

それが「唯一すべて」というわけでも「必ず正しい」というわけではないのだが、低音を力強くしたかったら、逆に中高音にも着目した方がいい場合もあるでしょうということで、「低音(を出すに)は高音を」「高音(を良くするに)は低音を」という事でこれがオーディオの天才バカボンという事でした(マル)。

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