アースとアースループの違い、わかりますか?

今回はオーディオ的見地からアースについて述べてみたいと思います。というのも、アースについて誤解されている方も多く、またオーディオ関係の記事をみても、ほとんどの方がアースに関して間違った記述をされているからです。アースというのは実は非常に奥の深い話で、アンプを実際に作っている人でも、理解されていない方のほうが多いのではないかと思います(ひょっとしたらわたしも)。

最初にお断りしておきますが、アースというものには2種類あり、一つは強電分野の、安全上絶対に必要なアース。もう一つはオーディオ機器のアース端子のように地面へのアースが安全上必須ではないアースです。

結論から言うと次の様になります。
1.オーディオ機器は(使用していない機器も含めて)信号ケーブルを接続しておくことにより、アースラインをなるべく相互に接続する様にする。
・ピンケーブルで信号ラインを接続するだけでアースはつながります。
・使用していない機器も含めて、すべてオーディオ機器の信号ラインをつないでおいた方がいいのです。(結果的にアースがつながります)
・わざわざアースラインを分離するようなプリアンプやセレクターがありますが、これは逆効果です。
・PCなどデジタル機器の場合はケースバイケースですが、接続しない方がいい場合が多いかもしれません。

2.オーディオ機器のアース端子(アンプの背面についているもの)には何も接続しない。
・接続すると電力機器のノイズが混入してSNが(おそらく音も)悪くなります。
・この点が大いに誤解されています。アンプ背面のアース端子はむやみに壁コンセントのアースに接続してはいけません。
・ただしレコードのイコライザアンプはもちろんアース線も接続する必要があります。

3.ただしアースループはなるべく作らないこと、必然的に出来てしまう場合はループを最小にすること。

・録音機器の様にRECINとPLAYOUTなどINとOUTを接続する必要が有ると、必然的にアースループが発生します。この場合はとりあえずケーブルの配置でループを最小にするしかありません。

要点は以上3点ですが、図解しないとわかりにくいと思いますので、おいおい具体例をあげて説明していきたいと思います。

(家庭用機器でも冷蔵庫、洗濯機など比較的大電流が流れる機器、水が関係する電気機器は感電防止上、アースする事が必要ですのでくれぐれも注意してくさい。)

アースとアースループの違い、わかりますか?」への3件のフィードバック

  1. こちらでの電源は普通のAC100Vで特に変わったことはしていません。200/100変換トランス、絶縁トランスは効果のある場合もあるのかも知れませんが、あまり本質的な問題ではないと思います。100Vの波形は回りの使用状況によって、波形の頭が潰れていたりするので、200V/100V変換で多少改善することもあるでしょう。絶縁トランスについても、アンプ機器内部にもトランスがあって100/数十Vに変換しているので
    これも絶縁トランスの役目を自動的にしています。絶縁トランスと言っても高周波は絶縁されないので(巻線間の容量で結合されているので通通になっています)、実は効果はあまりないと思います。
    電源環境の改善という意味ではしっかりとした指標を持って、有効な対策を講じることで、そういう意味からはこれはという方法は私が知る限り見たことがありません。
    漠然とした回答ですみません。皆さんの関心が高いようなので、いつか電源関連のコラムを書きたいと思います。

  2. すみません。オーディオデザインさんのシステムの電源環境についてお聞きしたいのですが、オーディオ的によいとされる単相200Vを100Vに下げるトランスは使用されているのでしょうか。100V-100Vの絶縁トランスのほうがよいという意見もありますが、どのようにお考えですか。またトランスのお勧め機種がありましたら具体的に教えてください。

  3. オーディオ初心者の私には難しいことですね。アースはただ仕事が終わった電気を逃がす部分で学校で習ったマイナス線だと思ってました。オーディオの音のよさにはそういう部分は関係しませんよね。

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