気がつけばなんとこの1ヶ月でDACとパワーアンプをリリースしました。
パワーアンプの開発経緯について
まずつい先週にリリースしたパワーアンプDCPW-240を紹介します。え?DCPW-120はどうしたって? DCPW-120は辞めて240になったのです・・・え~~~。
詳しい経緯を話せば長くなるので省略しますが、結果的に2CHではなく4CH分のアンプを積んでステレオでバランス駆動出来るようにしました。その結果弊社ではバランス伝送を意味する200番台の番号にしました。つまりこのDCPW-240はDCPW-100の後継というよりも、DCPW-200(これもアンプは2CH分だけモノーラルでBTL駆動が可能)よりも、ある意味贅沢な構成になっています。ただDCPW-200にあった先進的な機能
・出力部のリレーを除去するダイレクト出力回路
・出力部コイルの(抵抗が半減する)特殊な巻き方
・アンバランス信号をバランス信号に変換する機能
・純銅性・超大型出力端子
などは省略してコストの上昇は抑制しました。
デザイン
大きさはこれまでのDCPWシリーズと同じです。ただデザインはオーディオを得意とするデザイナーの方にお願いしました。大きな面取りをした天板がアクセントになっていて迫力があります。しかも非常にバランスの良い、かっこいい外観はやはりこのデザイナーさんの力量によるところが大きいのです。
パワー
電源電圧、トランスなどはDCPMA-100と同じ100W+100W(RCAの場合)です。ただXLR入力の場合バランス駆動(BTL駆動)になりますので電圧が2倍、すなわち電力では4倍になります。ただBTL駆動では負荷が1/2になり、4Ωを4CH分駆動することになり、電力段の電圧降下が大きくなります(しかも電圧の低下はパワーに2乗で効くので影響も大きいのです)。結果的に400Wではなく、270W+270Wとなりました。また左右どちらかの1CHで測定すると、連続出力で370Wでした。音楽信号の場合、コンデンサ容量が大きいので、トランスから電流を貰わずにすみ、400W以上楽に出ると思います。
SN比
DCPW-240の残留ノイズは8.5uV(A)です。DCPW-100の6-7uV(A)に比較すると少し大きくなっているのですが、パワーアンプとしては通常より1桁小さい値です。DCPW-240ではパワー(出力電圧)が大きくなっていますので、SN比はDCPW-100よりも良くなっています。RCA入力の場合130.5dB、XLR入力の場合は134.5dBという値になりました。
ダンピングファクター
ダンピングファクター(DF)はDCPW-100で1500、DCPW-200で3000でした。DPW-240では、RCA時600との約半分になっています。これは出力抵抗の原因となるコイルとリレーが+-両方に入るためです。RCA時もあえてスピーカーの-側を電源のアースではなく入力ショートのアンプで駆動しています。これは整流時のリップルから逃れるためで、音質上この方が好ましいのです。
音質
肝心の音質ですが、DCPW-100は中高音の透明度が抜群で、低音域のダンピングも抜群でした。反面低域の弱いSPと組み合わせると聴感上線が細く感じる事がありました。
DCPW-200では非常に低域の力強さがある反面、中高域の透明度はDCPW-100の方が良い面もありました(それでも他社のアンプよりは遥かに透明度もいいのですが)。
今度のDCPW-240はそういった弱点がありません。中高音の透明度があり、かつ低域の重圧感、ダンピング感も完璧の様に聴こえます。それどころか、これまでの普通の音楽ソースを聴いても、微妙なニュアンス等を空恐ろしい程描いている気がします。
自分で作ったものは過大評価になる場合もあるので、正確には今後の他の方の評価を待つ必要がありますが、凄いというか想像を超えたというか、我ながら「アンプの音はここまでよくなるのか」と感嘆するばかりです。
以上新しく発売になったパワーアンプDCPW-240の概要でした。
製品詳細はこちらのホームページでも案内しております。
http://www.audiodesign.co.jp/DCPW240.html
尚、納期は当面1ヶ月程度とお考え下さい。
ワードプレスが何故かトラブリまして更新(閲覧も)できませんでしたが、この度やっと復活しました。WordPressは本来簡単なブログツールなのですが、サーバーのデータベースまで原因を見に行くなど大変な事になっていました。実は復旧した正確な理由もよくわかりません。とにかくご迷惑をおかけしました。