プリメインアンプDCPMA-100REを発売しました

プリメインアンプDCPMA-100に音量リモコンとフォノイコをつけて、フロントパネルデザインも一新した新型プリメインアンプDCPMA-100RE(本体価格55万円)を発売しました。

DCPMA-100RE外観
DCPMA-100RE外観

音量リモコンは3つの調節速度が選べる多機能型です。

音量リモコンにはステッピングモーターを使用して高速制御も可能です。

フォノイコはMCカートリッジもダイレクト接続

フォノイコはOPアンプを使用していますが、MCカートリッジもダイレクトに接続できる優れものです。

SN比も十分に確保されています。

パワーアンプユニット

パワーアンプ部はオーディオデザイン社の技術が光る高音質設計

プリアンプ部

プリアンプ部もフルバランスの高音質

フロント、リア外観

製品の詳細はオーディオデザイン社ホームページの製品ページhttps://audiodesign.co.jp/amp/DCPMA-100REを御覧ください。

プリメインアンプが新しくなります リモコンとフォノイコが追加に!

概要

プリメインアンプDCPMA-100 が新しくなりDCPMA-100REとなります。要望の多かったリモコンが追加されます。またフォノイコも追加されて機能は大幅アップします!さらに従来のプリメインアンプをお持ちの方は新型にバージョンアップも可能です。

型名DCPMA-100RE (新モデルはリモコンアンプがついたのでREが付きます)
価格605,000円(税込)

型名はDCPMA-100REとなり価格は5万円アップの本体価格55万円(税込価格605,000円)となります。

発売時期:発売は9月下旬から受け付け開始、10月より順次発送の予定です。

変更箇所

1. 音量リモコン
音量リモコンが可能となりました。リモコンはステッピングモーターを使用したもので、通常の音量調整(2.7°ステップ)に加え、高速調整(18°ステップ)、微調整(0.9°ステップ)が可能です。

2. フォノイコの追加
従来のRACライン1がフォノイコ入力となります。MM,MCに対応しています(リアパネルで切り替え)。OPアンプを使用したフォノEQですが、高SNで実用上十分なフォノイコです。

3. デザイン
今回の改良に合わせフロントパネルデザインも若干の変更があります。

バージョンアップ

さらに旧モデルをお持ちの方も新モデルにバージョンアップできるように対応する予定です(フロンパネル、リアパネルは旧モデルのまま、リモコンとEQアンプを追加)。尚、バージョンアップ対応は2023年2月以降を予定しています。
・バージョンアップ予定価格165,000円(税込) 

変更内容詳細

イコライザアンプについて

従来のRCAーLine1の場所がフォノイコライザアンプとなります。

イコライザアンプは超低ノイズLT1028を使用したNF型となります。MMだけでなMCカートリッジも直接接続することができます。十分な検討を加えることでノイズは非常に小さく、MCカートリッジ使用時もSN的にも十分な性能です。音質は単体アンプのDCE-200などと比較すると、さすがにそこまでリアルで臨場感にあふれる音までにはなりませんが、市販の10万円クラスのイコライザアンプよりもずっといい出来となっています。その結果、レコード特有の良い音質を十分にお楽しみいただける内容となっています。

追加1 MCもダイレクトに使えるイコライザアンプ
(リアパネルの1は製品ではPhonoになります)

リモコン機構

音量をモーターで回す際は、一般に回すだけでなく、手で回した際に滑ってくれるクラッチ機構が必要です。今回採用したリモコンシステムはステッピングモーターで駆動しています。ステッピングモーターは制御電源を止めれば駆動抵抗がないので、音量ツマミをてで回す際にも感触が全く変わりません。またステッピングモーターを駆動するにはマイコン制御が必須ですので、赤外線センサーを使用したプログラムを開発しました。

リモコン本体は市販の汎用リモコンを使用することにしました。リモコン駆動は通常の音量調節の他に、高速調整と微調整もできるようになっています。

追加2 VR軸をステッピングモーターで駆動するメカニズム
追加3マイコン制御基板
追加4 マイコン用電源をミューティング基板上に新設しています。
DCPMA-100REを上から見る
新設基板・機構4種の様子

9/14 内容を一部改定しました。

普段なら買わない製品を買って試してみたら その2・真空管アンプ

はじめに

真空管アンプのことはこれまで、ほとんど書いていませんでした。真空管アンプを使用した経験がまったくないわけではなく、私が中高校生位のころは自作していました。そもそもその頃は真空管アンプが普通だったので、6BQ5、6BG4、6CA7等のシングルアンプを作っていた記憶があります。出力トランスはタンゴのU608型という初心者用の小さいもので、これでコーラルの6CX501という同軸スピーカーを自作BOXで鳴らしていました。真空管アンプは柔らかい音がするとか、そもそもそういう音質評価のレベルに達していないので、今と考えるとただただ貧弱な音でした。

その後トランジスタアンプも造り始め、やがてメーカー製トランジスタアンプを使用するようになり、さらに社会人の頃はオーディオについては全くの空白となり、ついにはアンプメーカーを始めて現在に至っています。

真空管アンプとして代表的な300Bアンプなどはさぞかしいいんだろうなーと思いながら自分で所有したこともなく、じっくり聴いたことがないという状態でした。ユーザーの中には真空管アンプをご使用になっている方もいらっしゃいますが、自分自身としては特に興味がわきませんでした。真空管アンプの場合、回路はほぼ決まっていて、その音質は使用する部品の物量・品質で決まるというイメージがあります。そういう分野では独自性を発揮することも難しいですし、ビジネス的にも興味がないということもありました。

そうはいっても真空管アンプが好きな方もいるので、一度くらいはちゃんと聞いておいた方がいいでしょうということで、今回1台買ってみました。

購入したアンプと組み合わせ

購入したのは300Bのあるメーカーのシングルアンプです。300Bとしてはお手本というか、ちゃんとしたアンプだと思います。ただここでは都合で型名、メーカー名は伏せさせていただきます。

定評ある300Bアンプだが・・・

他社のアンプを購入するとその製品の質云々はもちろんですが、梱包、取説そのほかのサービス面が非常に参考になります。真空管アンプは輸送中に逆さにしたら真空管が抜けてトラブルになるのではと思いましたが、そうならないように上手に梱包されていました。さすが真空管アンプを販売しているメーカーだけのことはあります。

試聴にはいくつかのスピーカーと当社の機材を使用しました。

モニターオーディオ PL-200

B&W 804D3

Harbeth HLCompact 7ES-3

DAC DCDAC-180

プリ DCP-240

聴いた感じ

聴いた感じですが、初めての300Bアンプで期待は大きかったのですが・・・。

良い点

  • 低域の量感が多く、何を聴いても帯域バランスが(低音リッチで)心地良い
  • 耳障りな超高域がちょうどカットされているようで、ソースによっては含まれている耳に痛い成分が目立たない。
  • 弦楽器の音などが独特の聴きやすさでゆったり聴ける(リアルということではない)。金管楽器も木管楽器の様な音質になります。

残念な点

  • この点がまったくの期待外れだったのですが、現代の標準的スピーカーを駆動するには絶対的にパワーが足りません。
  • バスドラム、大太鼓などが入る音源では酷くて、完全に振り切れて音全部が盛大にひずみます。音量的に安全なのはテレビの音量くらいまでで、それよりちょっと大きくすると、派手にひずむことがあります。
  • オーケストラを聴くと音場も全体的に小さく、全体が濁って聞こえます。楽器それぞれの音が聞こえず、一緒にお団子になって何となくなっているという感じです。
  • 特に超低域(50Hz以下)は量が少ないというよりもまったく出ていないのでは?という感じです。特性上はとりあえず20Hz 近辺まで出ているはずなのですが・・・・。出ていないのに超低域が入ると振り切れるてひずむという印象です。

300Bアンプを活かすには

ガンガン鳴らすにはこの倍のパワーでも不足だと思います。そういった用途には送信管のシングルか、プッシュプルでないといけないのかも知れません。このアンプの場合38cmウーハーとホーン型の組み合わせの様な高能率SPでないと楽しめないのではないかと思いました。あるいはマルチアンプの中高音部なら全く問題なく良さを生かせるかもしれません。

こういった事は真空管アンプを知る人にとっては当たり前だったのかもしれませんが、巷の評価ではこのパワーで十分という声も多かったので意外でした。

このアンプ組み合わせるSPとしてはPL-200、804D3では、アンプの欠点を聴いている様になってしまい、よくありません。この中ではHarbethとの組み合わせが一番良かったように思います。とはいってもパワー不足という点は否めませんが。

もちろんこれが真空管アンプの音だというつもりはありません。送信管やプッシュプルアンプもあるので300Bシングルで不満があればそちらを試すべきなのでしょう。

終わりに

ということでせっかく購入した300Bアンプですが、私の環境では使い道がなく、あららという感じになってしまいました。

お待たせしました、パワーアンプを発売しました DCPW-120はDPW-240に昇華した!

気がつけばなんとこの1ヶ月でDACとパワーアンプをリリースしました。

パワーアンプの開発経緯について

まずつい先週にリリースしたパワーアンプDCPW-240を紹介します。え?DCPW-120はどうしたって? DCPW-120は辞めて240になったのです・・・え~~~。

詳しい経緯を話せば長くなるので省略しますが、結果的に2CHではなく4CH分のアンプを積んでステレオでバランス駆動出来るようにしました。その結果弊社ではバランス伝送を意味する200番台の番号にしました。つまりこのDCPW-240はDCPW-100の後継というよりも、DCPW-200(これもアンプは2CH分だけモノーラルでBTL駆動が可能)よりも、ある意味贅沢な構成になっています。ただDCPW-200にあった先進的な機能

・出力部のリレーを除去するダイレクト出力回路
・出力部コイルの(抵抗が半減する)特殊な巻き方
・アンバランス信号をバランス信号に変換する機能
・純銅性・超大型出力端子

などは省略してコストの上昇は抑制しました。

デザイン

大きさはこれまでのDCPWシリーズと同じです。ただデザインはオーディオを得意とするデザイナーの方にお願いしました。大きな面取りをした天板がアクセントになっていて迫力があります。しかも非常にバランスの良い、かっこいい外観はやはりこのデザイナーさんの力量によるところが大きいのです。

パワー

電源電圧、トランスなどはDCPMA-100と同じ100W+100W(RCAの場合)です。ただXLR入力の場合バランス駆動(BTL駆動)になりますので電圧が2倍、すなわち電力では4倍になります。ただBTL駆動では負荷が1/2になり、4Ωを4CH分駆動することになり、電力段の電圧降下が大きくなります(しかも電圧の低下はパワーに2乗で効くので影響も大きいのです)。結果的に400Wではなく、270W+270Wとなりました。また左右どちらかの1CHで測定すると、連続出力で370Wでした。音楽信号の場合、コンデンサ容量が大きいので、トランスから電流を貰わずにすみ、400W以上楽に出ると思います。

SN比

DCPW-240の残留ノイズは8.5uV(A)です。DCPW-100の6-7uV(A)に比較すると少し大きくなっているのですが、パワーアンプとしては通常より1桁小さい値です。DCPW-240ではパワー(出力電圧)が大きくなっていますので、SN比はDCPW-100よりも良くなっています。RCA入力の場合130.5dB、XLR入力の場合は134.5dBという値になりました。

ダンピングファクター

ダンピングファクター(DF)はDCPW-100で1500、DCPW-200で3000でした。DPW-240では、RCA時600との約半分になっています。これは出力抵抗の原因となるコイルとリレーが+-両方に入るためです。RCA時もあえてスピーカーの-側を電源のアースではなく入力ショートのアンプで駆動しています。これは整流時のリップルから逃れるためで、音質上この方が好ましいのです。

音質

肝心の音質ですが、DCPW-100は中高音の透明度が抜群で、低音域のダンピングも抜群でした。反面低域の弱いSPと組み合わせると聴感上線が細く感じる事がありました。

DCPW-200では非常に低域の力強さがある反面、中高域の透明度はDCPW-100の方が良い面もありました(それでも他社のアンプよりは遥かに透明度もいいのですが)。

今度のDCPW-240はそういった弱点がありません。中高音の透明度があり、かつ低域の重圧感、ダンピング感も完璧の様に聴こえます。それどころか、これまでの普通の音楽ソースを聴いても、微妙なニュアンス等を空恐ろしい程描いている気がします。

自分で作ったものは過大評価になる場合もあるので、正確には今後の他の方の評価を待つ必要がありますが、凄いというか想像を超えたというか、我ながら「アンプの音はここまでよくなるのか」と感嘆するばかりです。

以上新しく発売になったパワーアンプDCPW-240の概要でした。

製品詳細はこちらのホームページでも案内しております。

http://www.audiodesign.co.jp/DCPW240.html

尚、納期は当面1ヶ月程度とお考え下さい。

ワードプレスが何故かトラブリまして更新(閲覧も)できませんでしたが、この度やっと復活しました。WordPressは本来簡単なブログツールなのですが、サーバーのデータベースまで原因を見に行くなど大変な事になっていました。実は復旧した正確な理由もよくわかりません。とにかくご迷惑をおかけしました。

アンプのテストに使える危険な裏ワザ -安定化電源の音質差を探れます-

これからご紹介するのはちょっと危険な裏技なので、もし試す際はアンプ、スピーカー共に壊れても良いサブ・サブ・システムで行って下さい(高価なメイン装置では行わないこと)。

どういう裏ワザかというと、内部の電源に安定化回路を使用しているアンプで、安定化回路を使用した時と、安定化しない時の音質を改造なしに瞬時比較するという裏ワザです。

必要なもの

・試聴したいアンプで内部で安定化電源を使用しているもの、3端子レギュレーター使用のアンプなどでもよい(使用しているかどうか分からなくても差し支えありません)。

・スライダック(トランス式でAC電圧を100Vから落とせるもの)、サイリスタを使用した電子的なものは不可です。

・当然ながらスピーカー、CDプレーヤー等も必要です。

方法

slaidac

接続図はこんな感じ

試したいアンプのACコンセントをスライダックを経由して接続します。

スライダックの電圧を100Vに調節して、パワーアンプの電源スイッチを入れます。当然の事ながらアンプは正常に動作するはずです。

 

そこからスライダックを調節してAC電圧を60-70V位に落とします。パワーアンプの最大出力は半減しますがそれでも正常に音が出るはずです(それ以下では保護回路が働いてしまいます)。このAC電圧を60-70%に落とした状態だと安定化回路は全く機能せず、結果的に安定化回路を使用しない単純なリップルを含んだ電源になります。

両者の音質を比較することで、安定化回路を使用の有無による音質差を聴き比べることができます(最大出力が違うのでそこの違いが気になるという人もいるかもしれませんが)。

私が試した結果では、良質な安定化回路が組み込まれていると、安定化したほうが音のざらつきが取れて、カチッと定位も決まって繊細さが表現されて、安定化した方が音質は上質でした。

内部での直流電源電圧はこんな状態になっています。

img015_60V

安定化しない電源の電圧変動(AC70V)

img016_80V

中途半端に安定化回路が働いている時(AC80V)

img016_100V

安定化回路が正常に機能している時の電圧変動分(AC100V)

 

 

AC電圧を60-70Vくらいにすると安定化回路が働かないため、電源電圧には単純なリップルを含んだ波形になります。

 

 

 

電圧が80-90Vになると安定化回路が中途半端に働こうとするので半分平坦、半分は電圧が足りず急激に落ち込みます。

 

 

 

 

 

 

 

AC電圧が90-100Vになると正常に機能して電源電圧は一定になります。こうなると変動分は見えません。

 

AC電圧を落とすと、、出力リレーが落ちたりしますので、正常に音が聞けるとは限りません。また保護回路が機能しなくなったりする恐れや、そのたもろもろ危険性があるので、メインシステムでは試さないように注意して下さい。