イヤホンの周波数特性を測ってみました

以前にヘッドホンの周波数特性を測ってみましたが、今回はいくつかのイヤホンの特性を測ってみました。

測定には以前からスピーカーの周波数特性などを測定する際に使用しているMyspeakerというシェアウェアソフトです(無料でも一応使用可です)。

イヤホンの測定手順は次のとおりです。

1. 小型マイクを準備する。
直径5mmmのエレクトリックコンデンサマイクユニットを買ってきて簡単な回路を組みました。
2. 耳の内耳と類似したカップリングを準備する。
今回は厚さ2cmの硬質ウレタン(?)の様な材料にドリルで穴をあけて使用しました。
マイク側は5mmΦイヤホン側は10mmΦの穴を開けて、両側からマイクとイヤホンを差し込み空気が漏れないようにしました。マイクとイヤホンの距離は7mm位になります。
3. 測定する
PCにマイク、イヤホンを直接挿入してMyspeakerで音出し、測定を行いました。
今回は通常の周波数特性の他に累積スペクトル特性、歪率なども一部測定しました。

以上は2013年秋のヘッドホン祭りで使用した機材と同じです。

測定したイヤホンは次のとおりです。
最近サンプルとして、いくつかイヤホンを購入しました。
イヤホンを常用しているわけではないので、安めのものですがご容赦下さい。

AKG  IP2
panasonic RP-HJF3(コンビニで売っていた1000円位のもの)
Audio-technica ATH-CK323
Sony XBA-C10
SONY 小型スマホ(SO-3C)付属品

最後のものは携帯の付属品ですのが悪い代表(?)として測定してみました。

グラフが小さめですがクリックすると拡大します。

AKG  IP2
IP2-L-SinSweep周波数特性

中低域はフラット、何故かこれだけ8KHzあたりに鋭いピークがありますが、それを除けば高域がややおとなしめです。聴感上はちょうど良く大人の味付けです。スピーカーを聞いている帯域バランスに近く非常にバランスの良い音に聞こえます。8KHzの鋭いピークは聴感上はわかりません。

IP2-L-Distortion歪率特性
歪率は全体域で40-50dB程低く非常に優秀です。

IP2-L-Accumulate累積スペクトラム
高域のピークのところで尾を引いていますがそれ以外は優秀です。

Sony XBA-C10
XBA-C10L-SinSweep
このイヤホンの周波数特性は驚異的にフラットです。バランスド・アーマチュア(BA)型だからでしょうか?

XBA-C10L-Distortion
残念ながら歪率は非常に悪いのです。このイヤホンはBA型としては異常に安いので、これがBA型として一般的かどうか判断出来ません。

XBA-C10L-Accumulate
歪率だけでなく、立ち下がり特性も非常に悪いのです。
音質は不思議な音で良いのか悪いのかよくわかりません。

Audio-technica ATH-CK323
ATL-SinSweep
3KHzくらいにピークがありますが、低域も盛り上がっています。いわゆるドンシャリでしょうか?音もそのような音ではっきりとは聴こえるのですが、聴いていてちょっと疲れます。ただこのイヤホンはトーンコントロールで高域を抑えてやると、非常にバランスが良くなり、解像度も抜群で素晴らしい音質になります。

ATL2-Distortion
歪率特性は標準的だと思います。
ATL-Accumulate
累積スペクトラムも普通です。


panasonic RP-HJF3

PanaR-WhiteNoise
安物なので悪いかとおもいきや、結構良いのがイヤホンの怖いところですね。全体的にフラットな方で悪くありません。

PanaR-Distortion
これも上出来です。

PanaR-Accumulate
これもよいです。

SONY 小型スマホ(SO-3C)付属品
EricsonR2-WhiteNoise
安物のイヤホンが良かったのでもっと悪いものはないかと、参考までに測ってみました。さすがに携帯の付属品は特性が良くないです。全体的にこもる感じでしょうか。

EricsonR-Distortion

EricsonR-Accumulate

以上手持ちのイヤホンを測定してみました。
測定方法で特にイヤホンとマイクのカップリングにも問題があるかもしれませんので、あくまで参考データとして見て下さい。これを持って優劣を議論するのは早すぎます。
今後もう少し測定精度は詰めてみたいと思います。
それと、今後ヘッドホン、スピーカーなどとも比べて見たいと思います。

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