コロナ感染者数の対数グラフでわかること(2) -NY州との比較-

前のブログで東京の新型コロナウイルスの感染者数を対数グラフでお見せしました。今回はアメリカのニューヨーク州と比較してみたいと思います。

こちらは東京とアメリカNY州の感染者数を比較したグラフです。

横軸は(エクセル解析の都合上)2/13を1日目とする日数でとっています。NY州の感染者数はWikipediaから拾っています。

驚くことにNY州の感染者数も都市封鎖されるまでに3つの傾きがあり、傾きの大きさ自体は異なるものの、東京と酷似しています。Phase1では126%の増加、Phase2では33%の増加、Phase3では58%の増加となっています。

増加率は東京の約5倍と非常に速いペースで増えています。増加率が5倍というのは、感染者数が5倍ではありません。1日で東京の5倍、2日で25倍、3日目には125倍、1週間で78000倍と、けた違いに増えていくということです。それにしても凄まじい増加です。例えばNY州ではPhase3では1週間で25倍(=1.587)に増えます(東京では2.4倍)。またNY州の都市封鎖後の傾きは東京の緊急事態宣言前の傾きとほぼ同じです。

NY州は3/22に都市封鎖しましたが、このときすでに数万人の感染者がいました。東京が緊急事態宣言を出したのは4/7ですが、NY州の感染者数の数十分の1の時点で出していましたので、東京は感染者数でいうとかなり早期の発令といっていいでしょう。

東京で緊急事態宣言が発令される前にテレビの報道番組などで、NYの医師や一般市民の人が出てきて、「1週間で状況が一変する、東京も早く都市封鎖すべき」、などの動画が盛んに放映されていましたが、東京とNY州では、その増加率という点で、状況が全く異なっていたことがわかります。

私自身の感触としては、緊急事態宣言を出したのはタイミングも含めてよかったと思いますし、完全な都市封鎖ではなかったことも妥当だと思います。

報道によると86%の国民が緊急事態宣言が遅いと感じているということでしたが、リニアの感染者数グラフやNY州の動画を見せて、世論の誘導をしているように感じています。その方向が正しければいいのですが、現在のテレビの報道は一部の的外れな人たちが思い込みでやっているように思います。今回のコロナに限らず政治的な報道でも同じことが言えます。

以上、新型コロナウイルスの感染者数の対数グラフをNY州と比較して考えてみました。

また、対数グラフで表示した例はほかにもたくさんありますので以下にリンクを張っておきます。

https://web.sapmed.ac.jp/canmol/coronavirus/index.html

https://www.nytimes.com/interactive/2020/03/21/upshot/coronavirus-deaths-by-country.html?action=click&module=Top%20Stories&pgtype=Homepage

NY州のコロナに関するデータ

https://en.wikipedia.org/wiki/2020_coronavirus_pandemic_in_New_York_(state)

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