ハイエンド・インターナショナル・オーディオショー雑感

2007年インターナショナル・オーディオ・ショーとハイエンド・オーディオショーに行ってきました。ここ3年くらいは続けて行っています。

インターナショナルショーの方ではいいと思ったのはクレルのブースでしょうか?低音の音質が独特の締まり方で量感もあり、こういった音質は本当にいいアンプでないと出ないと思います。手前味噌になりますが今作っているパワーアンプもこういった低音(実はこちらの方がもっといい!)を出します。スピーカに以前特殊金属製のものを紹介していましたので、今年も使用しているスピーカーがそうであれば、その恩恵も多分にあるかもしれません。クレルは毎年音質の良さに感心させてもらいます。それとアンプの設計・製造のコンセプトとして非常にまっとうな主張をしていると思えるのはクレルくらいで、他のメーカーのコンセプト・宣伝文句は電子工学的に意味不明のことを言っていることがほとんどなのと好対照です。

もうひとつ感心させられるのがDynaudioのスピーカー。このスピーカー、Dynaudioのブースに限らず、他社で鳴らしている場合でも、不愉快な音を出しているのを聴いたことがありません。このスピーカの音質がそうなのか、あるいはこのスピーカーはセンスのいい人が選ぶからなのか、よくわかりませんが、非常に好感が持てます。ただ難をいえば価格設定が高いのでどうしても選べにくいのですよね。

ハイエンドショーの方では逆にひどかったブースが、ある真空管アンプメーカー。B&W802を使ってフラッグシップという大型アンプ(211か?)を鳴らしていたのですが、聞くに堪えないほどキンキンした音、この音を平気で出しているメーカーの人のセンスを疑います。

ショー全体でなんとなく年々音質が悪くなっているような気がするのですが、気のせいでしょうか?自身が使用してる装置の音質が向上しているからだろうか?それとも本当にグレードがさがっていっているのだろうか?それが素朴な疑問です。

全体を通じて自社の常用装置よりいい音質と思えるのは少なくなってきているように思います(これ本当の話です)。特に弦楽器の音がひどいのが多いと思います。弦楽器っぽい音はしますが、どの楽器かわからない様な鳴り方をしているのがほとんどです。自社の装置では弦の凹凸がこすれているというのをわからせてくれるくらいはっきり鳴るので、ここの部分の違いが大きいですね。中高音がうるさいだけで情報量が少ないというか、別物という音質のシステムが多かった感じでした。

それとあるメーカーの100万円クラスのアンプのプリ部の中身がOPアンプというのがみられたのが、やはり驚きですね。ディスクリート(個別半導体)が大変なのはわかりますが、値段を考えると・・・・。

もう一つ、特にインターナショナルオーディオショーの方で感心したのはすべてのメーカーのケースのつくりの質感の高さで、これはまねできません。技術的にできないのではなく、あれだけの質を出すには相当コストがかかって出来ないという意味です。ほとんどがアルミのヘアライン、アルマイトメッキ仕上げですが、角のRの処理とかヘアラインのかかり方のきれいなこと。この処理はどこの工場でも処理自体は出来るのですが、ほとんどが機械のための加工を請け負うようなところばかりで、調度品的な仕上げの上手なところはなかなかないのです。この辺はノウハウと相当なコストと経験が必要なところだと思います。

もうひとつ特にハイエンドショーの方で気になったのが、出展社数が減ったように思うこと。昨年いた会社がいないというのが思いつくだけで多数あります。出展してもコストの割りに効果がなかったということなのでしょうか?空きスペースも目立ち寂しい感じもしました。それとも春にもあったそうなのでそのせいか?春は行きそびれました・・・。

次回は弊社も出品したいと思って言いますので、その時はよろしくお願いします。

 

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