ハイエンドショー2009Tokyo秋のご報告

ハイエンドショウ TOKYO 2009(10/9-10/11)について報告します。

今回のハイエンドショウの弊社のデモのできは全体的には以前よりも良かったと思いますが、少々失敗もしました。以下ショーを振り返って報告させて頂きます。
デモ時の様子

<初日はコケました。(有料だったら金返せといわれるレベル)>
まず最初に初日金曜日のデモ(音だし)は見事にこけてしまいました。特に2回目がひどく、まともな音は一度も出ていなかったと思います。初日がだめで再度翌日に来て頂いた方もいた様で、大変ご迷惑おかけしました。この場を借りて心よりお詫びさせていただきます。
一番の原因は良かれと思って使用したケーブルが接続不良になりかかっていて、デモ2回目ではほとんど切れ掛かった状態でした。このケーブル、ちょっとした小細工がしてあり、もともと実験的に作ってそのまま使用していたものでした。開場前のテストでは異常なかったので、デモ中におかしくなってしまいました。(開場前のテスト時でも既に少しおかしかったのかもしれませんが、各社同時に音だししているので、多少の異常には気がつかないこともあるのです。)

2回目のデモで特におかしくなったので、システムの接続や接触をいろいろとチェックした際、接続を機器チェック上接続を変更したのが災いして、3回目もおかしかったのです。開場中は音は出せないので、極小の音量で調べたため、完全にチェックしきれていませんでした。


<デモ時の音質と自己評価>

今回のデモの音質は(初日を除いたとして)悪くは無かったと思います。ただRITのマルチアンプ駆動の方は事務所で聞いていた音質に比べるとずっと落ちていました。あれだけの部屋で鳴らすとパワーもいつもの数倍入るので、マルチアンプ駆動時の改善すべき点も見つかったと思っています。
フォーカルの826Vはあの会場には非常に合うので、今回の音質はそれによるところが大きいのだと思います。

ただ他のブースと比べると、まだまだベストとはいえない部分がありますので入力機器も含めいっそうの向上が必要だと思いました。

ちなみに今回使用した機器の構成はこうなっています。

参考までに今回のデモ時の周波数特性を示しておきます。

Focal 826V Lchの周波数特性(距離3m)

Focal 826V Rchの周波数特性(距離3m)

<音元出版でのデモ>
音源出版ブースでの日曜・朝一番の井上先生のコーナーで弊社のプリとパワーアンプをリファレンスとして使用していただきました。組み合わせたスピーカーはディナウディオのC1でこれはやはり非常にいい組み合わせだと思いました。このコーナーは最近の話題のアクセサリーを比較試聴するコーナーなのですが、1時間の内40分くらいは弊社のアンプを使用していただきました。弊社のアンプは癖が無く良くも悪くも使用機器の差をはっきり出すのでこういったテストにも向いていると判断いただいたのかもしれません。
事前に音元出版さんからはご連絡いただいていたわけですが、本当にどれくらい使って頂けるかはわからなかったのであえて事前に紹介はしなかったのですが、こんな事なら宣伝しておけばよかった。

<来場者の皆さんにに言われたこと、された事>
何故かわからないこともあるので、お分かりの方がいらっしゃったら是非教えて頂きたいのですが、

・パワーアンプの後ろを覗き込む
・パワーアンプの天板に手をかざす、あるいは触って温度を確かめる

という事をする方が非常に多かったのです。
パワーアンプを3台並べていたので、皆さんモノーラルアンプと勘違いされていた様です。ステレオ・モノーラルを確かめるために背面を除かれたのでしょうか???アンプの温度を確かめるという行為は事務所での試聴でもよく皆さんされるのですが、何を確かめようとされいるのかよく理解できません。温度が低いほうがよいと思われているのか、はたまたその反対なのか?
どなたかお分かりの方は是非ご一報をお願いします。

一方よく言われた事は
・パワーアンプの値段を聞いた方が「ぎょっ」とされる。(安すぎるという意味で)中にはカタログの値段を見て「0ひとつ多いかと思った」という方まで(値付け失敗したかなー?)
・パワーアンプが思っていたよりも大きい
・スピーカーのメーカー(種類)を教えてください(六本木工学研究所のSPを指して)
・音質が良かった。(中には音源出版ブースのTADより良かったといった方もいたのですが、それはあまりにも言いすぎじゃー???)
何故か後ろを覗き込まれる弊社ブースのレイアウト

<DFの実験>
今回一つの企画としてダンピングファクター(DF)を故意に変更して音の違いを聞いていただきました(初日は機能しなかったのですが)。セレクターでパワーアンプとSPの間に抵抗を挿入できるようにしておいてDF=4、DF=40、DF=1500の瞬時切換を行いお客様の方で聞き比べていただきました。デモの回によって違いがわからなかったという方が多かった回もあるのですが、ある回では5割がDF=1500が良い、4割がDF=40が良いとお答えいただきました。私の予想では、ショーのデモ時の環境ではDF=40と1500の違いはわからないとおっしゃる方が多いと思っていたのでちょっと意外でした。

<カチッと来た事とやっちまった事>
開場してすぐ、まだデモをする前に来た最初のお客様に聴かれたのが、・・・「このパワーアンプの置いてある台はどこで買ったのでしょうか?」というものでした。通常、デモの後に、よくスピーカーのメーカーと型番を聞かれる事はあるのですが(それは音が良かったという事でもあるのでいいのですが)、アンプの置き台について聴かれたのは初めてでした。この台はオーディオ用のものではなくありふれた家具なのですが、たぶんそれが気に入ったのでしょう。普通であれば怒ることもないのですが、開場一番の質問がそれだったので、「そちらは製品ではないので・・・」、それでも「いくらですか?」と食い下がってきたので、「こちらで販売しているわけではないのでお答えできません」
と突っぱねてしまった。結構気合をいれて準備したのに、最初に家具の購入先を聴かれてまず最初にプッツンしてしまいした。この次に同じ質問をされたら、起点を聞かせて「特注なので10万円しました」と言ってみようかなっと。

さらにその後しばらくして、ある雑誌の記者の方がこられてパワーアンプの天板を手で押していたので、「触らないで下さい」と言ってしまった(結構きつい口調で・・・)。言った瞬間は雑誌の記者の人だという事は頭から消えていた。もうこの雑誌にはいい記事は書いてもらえないかもしれないな~(とほほ)。

ハイエンドショー2009Tokyo秋のご報告」への14件のフィードバック

  1. 携帯による検索で見つけていただくとはまさに「辿り着く」という感じでしょうね。弊社携帯用には最適化していないので、重たかったり、見にくかったところも多々あったかと思います。ご苦労様でした。時々(セレクターなどは)携帯から注文される方もいらっしゃるので、携帯でのHPチェックもしないといけないのかもしれませんね。ありがとうございました。

  2. お応えします(^_^;)
    パトスのツインタワーが、頻繁に修理を繰り返していたので、アンプの検討をしていました
    雑誌や店頭のチェックはしていましたから、あとは最近の事情聴取を店員やメーカー販売員に行います
    それから、ネットで検索を始めます
    当方は携帯からの手段しか持ちませんので、大変不便なのですが世の中は便利になっていきますね
    Googleの検索でオーディオ アンプと入力しますと、大半がカーオーディオが掛かります
    その中から、有望そうなのを片っ端から開けていきます
    そして辿り着きました
    まぁ、寄り道もかなりしましたけれども

  3. コメントありがとうございます。
    冒頭の「辿り着きました」というお言葉、これも結構いただくのですが、弊社はやっぱりそんなに見つかりにくいかなーと感じてしまいます。雑誌などにもぽつぽつ広告は出していますが、確かに広く認知されているわけではないので、ネットを活用されている方以外には結構知られていないのかもしれませんね。(よろしければどういった経緯で辿り着かれたかお教え下さい。今後の参考にさせて頂きます)
    大阪のハイエンドショーもありますが、現在のところ東京のショーだけでも結構な負担になるので、予定はしていないのですが、むしろ場所を変えて出展した方がいいのかもしれませんね。
    今後ともよろしくお願いいたします。

  4. ノーチラスのウーファーの制動の出来る素性の良いアンプを捜して、辿り着きました
    大阪の方にはお出でにならないのでしょうか?
    各コラムを読みまして、成る程と頷くトコロあり、製作者と購入者の感覚の差を不思議に思うトコロあり
    筐体は低重心で視覚バランスの良いものが、物欲をそそります
    皆さん、後姿を確認したがるのはフロントが頑丈でも、肝心なのはターミナルやコネクトの取り付いている強度だと学習なさったのでは?
    コンサートには、滅多に出掛けませんが、ポップス系統のPAとかもヒドイものです、かなりコンサートに気を使ってるアーティストでも、そんな感じらしいです
    友人に依ると一体感を味わう、同時性の共有が目的だそうです
    現状のアンプが亡くなったら、購入の候補とさせて頂きます

  5. コメントありがとうございます。
    価格設定に関しては「自分でも実際に欲しいと思える値段」を常に念頭においているので、他とは価格体系が異なってくるのだと思います。自分で自分の首を絞めているようなところもありますが・・・。価格も性能の一つと考えてもいますので、この点でも今後も頑張って行きたいと思います。

  6. オーディオデザインさんがDACの製品化を考えているとは、なんとも心踊る気持ちです。どんな新しいアイディアを盛り込んで高音質なDACを造り上げてくれるのか、とても楽しみに待っております。
    オーディオ機器全般に言えることですが、低価格機と超高額機器の二極化しているので、性能はハイエンドですが、価格はリーズナブルに抑えているオーディオデザインさんの製品はどれも手に入れて使うことができるという、現実的なワクワク感があります。

  7. ケーブルへの細工というよりも、実は回路を追加していました。CDPにも依存し一般に高級機ほど効果がありますが、エソテリックではおまじない程度です。明確な理由はあるのですが、都合上将来DACを発表する時期に合わせて説明させて頂きます(いつかは未定ですが)すみません。
    ケーブルは、これも時々聞かれるのですが、特に「コレ」っと言うほど検討していないので(そんなにたくさん聞き比べていないので)、推奨できるほどの「コレ」っていうものはないんです。ケーブルは何でも良いとまでは思っていませんが、まだあまり興味がいかないといいますか、情熱が沸かないんです。
    今後ともよろしくお願いします。

  8. 2日目におじゃましました。おつかれさまでした。
    わたしもTADよりはよかったと思いましたよ。
    さて、ケーブルに細工を施したとのことですが、音質に配慮して、とのことでしょうか。
    ケーブルはなんでもよい、と考えていらっしゃるとおもっていたので、少々気になりました。
    オーディオデザインで推奨するケーブルがもしあれば教えて下さい。

  9. コメントありがとうございます。
    「オーディオデザインは誰も聞いていない・・・」という事は実際にはないと思いますけど・・・。一番ひどかったのは初日2回目3時からのデモですが、この時でもそこそこ聴いている人はいらっしゃったと思います。この時はCDを普通に聴いている内に音量がどんどん小さくなって、途中VRを回して大きくしたくらいです(不思議とぱっと切れずに音が小さくなっていった)。弊社のデモは説明も結構あるので、説明の方は普通にしていましたから。ついでに言えば、このひどいデモの後にある方が来て「そんなにひどくなかったよ、いいと思った」とおっしゃり、さらに「CDPを変えるともっと良くなると思うよ」とおっしゃっていました。後でチェックしてわかったのですが、不具合があったのはCDPからプリへ入るケーブルでした。つまりそのお客様方は初めての装置・CDを聞いただけで悪いところまで既に特定していたのでした。時々、こういう天才的な方っていらっしゃいますね。何か職業上耳を鍛えられているのかもしれませんね。元に戻って「オーディオデザインは誰も聞いていない・・・」というのは、たぶんその方はたぶん弊社の事が嫌いなのだと思います。ブログなどで結構好きな事を言ってますからね、ここのところ露出が多少増えたこともあるのか、そういう反応もたまに着てますね。
    今後ともよろしくお願いします。

  10. 某所で初日レビューされた方の「オーディオデザインは誰も聴いていない。音悪いし仕方ないな」という声を聞いた上で3日目に聴いたのですが、素で鳴らしていた中では3次元に広がっていたので、やたら厳しい評価だなと思ったのですが、初日だけ失敗していたのですね。私が聴けた中では、共有ブースで3次元展開していたのはL社と貴社のみでした。大阪のi社の3日目は完璧に別格(音響が)でしたが。
    実はちょっと気になっていたのですが、手を触れないでくださいとの事でしたが、買う方にとっては実は筺体の剛性って気になったりします。HPの写真ではシャーシについては頑丈そうなのが分りますが、側面、天板も同じ物を使っているのか、ペナペナなのかわかりません。デモ中にでも、どういった箱なのか、わかるような事をしてほしかったです。
    あと、デモ中の内部配線材の解説ですが、視覚で区別できませんでした。ある程度長い材を持ち比べて、しなり具合を見せてもらうとかしませんとなんとも…という感じでした。

  11. なるほどそうなんですね。
    でも背面を見るのが好きという方の割合ではなかった様な・・・(ほんとに多かったので)。
    見えにくいところのつくりを見て内部のつくりを推測するとか、いろいろあるのでしょうね。作っているほうは(内部までわかっているので)気にならないのですが。となると、背面を結構立派にする事も重要なのでしょうね。ちょっと認識を変えなければ。ショーではいっそ天板を取って内部を見せる様にした方がアピールするでしょうね。中身は結構凄いので。ただ部品の型名などはあまりオープンにしたくないんですよね。
    天板の方は単に温度を確かめたいだけならいいのですけど、それにまつわる定説(温度が低いほうがいいとか悪いとか)が巷にあるのかな~と勘ぐっているのですけど、どうなんでしょう。
    いずれにしても背面の様子(端子形状)、温度、電力などももう少し詳しくHPに掲載するようにしたいいと思います。
    コメントありがとうございました。

  12. >>・パワーアンプの後ろを覗き込む
    心理的側面から言えば隠されているものを見たいからでしょうか。
    一般論としてはアンプ導入の際の配線イメージをつかむためでしょうか。
    個人的には単純に音響機器に限らず電子機器類の背面を見るのは好きです。
    >>・パワーアンプの天板に手をかざす、あるいは触って温度を確かめる
    単純に発熱量が気になっての行為だと思います。
    貴社アンプは消費電力を明らかにされていないので特にそういった行動をなさる方が多かったのかも知れません。

  13. なるほどそうだったのですか。
    ちなみに弊社パワーアンプの場合放熱器の温度が+15℃になります。通常だったらちょっと暖かいくらい、お風呂よりぬるいくらいです。猛烈に熱くなるのはA級アンプですね(夏でもストーブ)。

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