JBL4429は使ってみてこんな感じです

今年の春にJBLの4429を購入して、現在おもにこれで聴いています。
JBLを実際に使用してみて気づいた事をまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。

全体の音質
前にも同じ事を言ったかもしれませんが、音はおとなしいです。JBLと聴くと昔の4343の様な音響レンズの付いたタイプのイメージで、ドスーンと来てシャリーンという音を思い浮かべてしまうのですが(私は)、今のJBLはいわゆるホーンくささはまったくありません(これって常識なのでしょうか?)。音色的にはむしろ昔のコーン紙(カーボンでもケプラーでもない)みたいな音色です。
どの会社もそうだと思うのですが、特徴ある製品をつくるとヒットした分だけその欠点も多くの人に指摘されて、今度はその欠点を徹底的につぶした製品を創ったのではないかと思うのです。つまりJBLの音響レンズっぽいホーンくささを徹底的につぶしたのではないかと勝手に想像しています。
コーン紙みたいな音といいましたが、ただの平凡なSPではないので、とってもいいです。特徴を列挙すると
・低音の締りがすばらしい。
・このサイズでも普通の部屋で上手にセッティングすると30Hzくらいまでは延びるので十分に思える
・中高音はめちゃくちゃ定位が良い。ホーン型って過度特性がいいので歯切れが良い音になると思っていたですが、そういうエッジのたった様な音ではなく自然な音です。
・ラジアルホーンなので上下に音が広がらないので、余計な反射の影響を受けないため、MID/HIGHの周波数特性はどこに置いても素直になりますし、その結果定位も良くなるのだと思います。
・普通のSPが50cm単位で楽器が定位するところ、このSPは10cm単位で定位する(ちょっと大げさか)様に聞こえる。
・中音、高音にアッテネータが付いているので、組み合わせるシステムや好みに合わせてレベルが調整できるので便利。
・見た目より重いです。男一人で持ち上げる重さの限界だと思います(公称32.3Kg)。
・クラシックからJazzまで何でもこいです。メインでこれを使っています。
・仕上げの良さはあまり気にしないほうがいいかも(よく見ると雑なところもあるが音質に関係ないので問題なし)
・四角いので壁にぴたっとくっつけられる。セッティング上これは便利です。
・アッテネーターはなんと無音になるまで絞れる。抵抗をかませて0~-10dB位にした方がいいのではないか?その方ががりがり言わないと思うし。音質がいいので別にいいですけど。

4428との比較
以前に中古の4428を同じこの場所で聞いてみる機会があったのですが、音質は条件付で同じに聴こえます。4428は2,3日しか聞いていませんでしたので、ほんとに同じかどうかわかりませんが、現在は少なくとも音質の特徴は同じといえます。

エージング
条件付といったのには訳があります。実は4429を新品で購入して最初に音出ししてビックリしたのですが、とにかく最初は音が悪いのです。どういう音かというと、選挙カーみたいな音がしました。これホントです。好みの問題ではなく妙にキンキンカンカンしたおとで、間違いなくネットワークか何かの不良じゃないかと思いました。私はそもそもアンプとかのエージングなどはあまり騒がない方で、その私が言うのですから間違いありません。1週間くらい結構鳴らしたのですがあまり変化は無く、4429を買って失敗したーと正直思いました(中古の4428にして置けばよかったと)。その頃はMID,HIGHをNormalから-6dB位落として使用していました(それでもうるさいくらいの音)。約1ヶ月して春のハイエンドショーに持って行ったのですが、この開場は広いので実際は100Wくらいパワーが入ります。ショー3日目でだいぶ良くなったと感じました。やはり長い期間鳴らすよりも短時間でもがんがん鳴らしたほうが効果があるみたいです。その後ずっと使い続けて現在に至るのですが、いまではMID,HIGHともにATT位置はNormal位置で丁度いいくらいのバランスになりました。4428と同じバランスというか、(チョイ聴きだった4428と)差がわからないくらい似た音質になりました。妙な「うるささ」というのがまったく無くなり、逆にもうちょっとパンチを聴かしてもいいのかなと思うくらいです。

スピーカーのエージングというのは(エッジのダンプ材がなじむとかで)ウーハーのF0が下がることで進むものかと思っていましたが、そういうものでなないようです。

よく4429の雑誌のレビューで振動版がプラスティックから金属板になり高解像になったとありますが、このSPの場合あまりにエージングの影響が大きいので、単にSP初期の音がそうだったということなのではないかと思います。

セッティングについて
セッティングについてはこちらを参照してください。いわゆる”セッティングの定説”にとらわれずいろいろ試してみる事をお薦めします。私の場合はこちらに解説しています。

スピーカー台について

JBL専用SPスタンドJS-350A

一緒に純正SP台を購入しました。これも一癖あります。支柱はサンド入りとかで鳴きが無いのはもちろんですが、上下の板も鳴きません。上下の板はただの1cm厚位の鉄板だと思うのですがこれもたたいてもびくともしない。
ただし驚く事が一つ、M8のボルトの頭が底にそのまま出てしまうので、床には直接置けません、ジャーン。厚手のじゅうたんなどでしたら問題ないと思いますが・・・・。家に厚手のじゅうたんがしいてある豪邸に住んでいる方が使用するものなので、床がフローリングの人は使ってはいけません。

オリジナルの接地部分パーツ

実際はこの様なスパイクとスパイク受けが付属しているので、先にスパイク受けを正確に設置して、それからSPスタンドをその上に置けば問題ないのです。

でもSPスタンドの重さが29Kgあるのでそんな事できるわけないのです。このスタンドも本当に重く一人でやっと持ち上がるくらいの重さです。付属のスパイクとスパイク受けは実際の所使い道がありません。

仕方が無いのでネットでM8のアジャスターを探してこれを購入して見ました。
シリコンゴムのついた足(TM-237-1)

上のSPスタンドの写真はこれを装着した物です。?栃木屋さんのものでMONOTAROとかで売っています。1個300円位です。

これで初めてSPスタンドを置く事ができます。これはこれで問題ないのですが、不便な事が一つ。シリコンゴムが付いているのでフローリング上を滑らせることができません。位置を微調整する際は、まず上のSPをよいしょと降ろし(これが又重い)、そしてさらによいしょとSPスタンド(29Kg)を持ち上げた状態で位置をずらします。横にずらそうとするとゴムがすぐ取れるので、そういう調整方法は取れません。
SPセッティングで重量挙げのトレーニングも兼ねたいという人には最適です(私の場合は1週間腰痛が続き、マッサージに行く事になります)。

ハイエンドショウの般出入の際に、運送会社の人がずりずりやってゴムが一つなくなった状態で帰ってきました。そこで今度はもっと使いやすいものをという事で探したのがコレ(右側の白いの)。
接地面がプラスチックのものを買ってみた(左は参考用、右が新しく買ったアジャスター スガツネ工業MN-25 M8)

今度は設置面がプラスティックなので横にずらしやすいと思っています。今度腰の調子がいい時に試してみる事にします。

裏はこんな感じ

———————————————————————————————————————音質劣化の無いオーディオセレクターHASシリーズ
セレクター
スピーカーセレクター
ラインセレクター
バランスラインセレクター
 

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オーディオデザイン社の社長が書いたオーディオの本です。ホームページのブログ、コラムに掲載したトピックの中から50を厳選。オーディオの常識の落とし穴をエンジニアリング的に解説しています。アマゾンのページはこちら オーディオデザインの機器設計のコンセプトを知る上でも役に立つ一冊です。———————————————————————————————————————

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