ディナウディオでの試聴会の報告

先週12/4(土)に開催したディナウディオでの試聴会の様子を報告します。

試聴会は2回に分けて各10名程度で行いました。
時間は約2時間弱、スピーカーはC1とConsequenceの2種類でした。
本当はC4、ContourS5.4などの聞き比べをしたかったのですが、諸事情により上記の2種になってしまいました。

  試聴会の様子はこんな感じでした。(前で話されているのはディナウディオJapanの試聴室の方です)

DynaudioのSPを鳴らすのは初めてではありません。今年の春のハイエンドショでもC1をお借りして鳴らしてみましたし、音元出版のブースでも弊社のパワーアンプとC1を組み合わせて井上先生が鳴らしていただいたりしていました。

ただハイエンドショーの様な会場では広すぎて低音が出にくく(特に春の場所はそうだった)普通の広さで鳴らしたときのバランスとは異なるので、今回の試聴会が事実上の初めての組み合わせといえるでしょう。

Dynaudioの音

誤解していましたが、DynaudioのSPは中高音を非常にはっきり聞かせるSPだなと思いました。シルクドームだからおとなしい感じでなると思っていたのですが、大きな誤解でした。決して変な音が出るのではないのですが、中高音のレベルも大きいというか、おそらく周波数特性を取ったら試聴位置でもほぼフラットになっているのではないかと思いました。それでは丁度いいじゃないかと思われるかもしれませんが、私は試聴位置では1KHz以上が自然とだら下がりになっている位がバランスがいいと思っているので。
 中高音は大き目には出ていましたが、ひずんだり、きつい音とかいう訳ではなく、逆に何を鳴らしても澄んだ音でガツンと聞かせる感じですで。レベル調整など一切できませんが、本当はもう少し広めの部屋でやや離れて聴く様にできているのかもしれません。

C1とConsequenceの音
C1とConsequenceは値段も10倍くらい違いますし、大きさもまったく異なるのですが、その割には似たような音がしていると思いました。音の傾向はほぼ同じです。Consequenceは5WAY6SPで、中高音はたくさんのSPを繋げていますが、これがまたスムーズにつながっていてまるで一つのSPが鳴っているかのようにスムーズでした。-6dBで繋いでいるので、完全にフラットにできるのでしょう。
C1とConsequenceの一番の違いは低音でConsequenceの方はスーと30Hzくらいまで延びている感じの低音で、演奏してる場の空気感見たいなものも表現します。この低音は独特で大きいだけの事はあります。一方のC1は超低域自体はでないもののおそらく40-50Hz位まではでていて低域の音量レベル自体は若干こちらの方が大きく聴こえてきます。超低域が出ない分バスレフを若干強く出している感じバランスを取っているのでしょう。
どちらがいいかといえば、やはり音質的にはConsequenceですが価格や大きさを考えると(Consequenceはペアで660万円)C1の方がはるかに現実的です(C1も高価ですが)。

どちらのSPにもいえるのですが、DynaudioのSPの低音は独特の良さがあります。とにかく、どれだけパワーが入っても、低音の質が悪化するそぶりも見せません。歪もしなければ余計な動きもしないというか歯切れも抜群によいのです。すっきりと力強いというか独特のなり方で、この低音がかなり心地よいです。

参加者の皆さんの反応
後でアンケートを送ってもらいましたが、皆さん音質、内容に満足されていらっしゃたのでよかったです。お一人だけ音質ががっかりとおっしゃった方もいらっしゃったのですが、その方はすでに弊社のプリ+パワーをお持ちで自宅でSP等を十分調整されていらっしゃる方でしたので、厳しい評価だっただのだと思います。

今回鳴らしてみて気づいた事

試聴会前日に弊社のアンプ類を持ち込んで接続したのですが、この日は特にC1がなりませんでした。もっと低音の出るSPではなかったかなと思っていたですが、翌日の試聴会では結構低音も出るようになりました。後から聴いたのですが、C1は直前に寒いところから戻ってきたそうで、こういう事(移動直後に低音が出にくい)はよくあるそうです。エッジのゴムか何かが硬化して戻るのに時間がかかるのでしょうか(タイヤじゃないのに・・・・)。
Dynaudioの様に高音がガツンと出るタイプは低音も負けないくらいたくさんでないとバランスが取れません。低音が十分出るセッティングがまず必要だとおもいました。
C1のスタンドはカーンと鳴きます。その方が音質的に好ましいとの事でしたが、弊社のアンプの様に情報量が多いアンプと組み合わせるときは、やはり制振されたタイプの方がいいのでは?と思いました。

Dynaudioの鳴らし方
DynaudioのSPはインピーダンスが4Ωです。それだけならいいのですが、かつ能率が低いのです。通常のSPと比べて半分位の音しか出ません。インピーダンスのために2倍、能率のせいでさらに2倍の電流が流れると思っていいでしょう。通常1Aで済むところ、4-5A位は直ぐに流れてしまうのです。こうなるとアンプの方が大変です。アンプのボロがさらけ出されてしまいます。
え?弊社のアンプはどうかって?….弊社のアンプは基本性能がいいのが売りの一つなので、むしろアンプの素性がむき出しにされるSPの方がアンプ間の差が出ていいのです(また自慢してしまった)。
能率が低いので80W+80Wでは足りないのでは?と心配されるかもしれませんが、4Ω負荷の場合は約2倍のパワーが出るはずですのでこの点は心配有りません。

Consequenceは大変です
見た目に大きいConsequenceですが、実はC1より能率が低いのです。Consequenceを鳴らすときはほぼフルパワー(100W以上)出ていたのではと思います。試聴会の前にConsequenceを鳴らせないアンプもあるとDynaudioの方が言っていたので、なんでだろと不思議だったのですが、鳴らしてみてわかりました。これだけ能率低く、4Ωのインピーダンスだと、もうアンプの試験をしている様なところもありますから。

Dynaudioのスピーカーを使うときはアンプを吟味しないといけません。

 使用した機材はこんな感じです。
パワーアンプDCPW-100
プリアンプDCP-EF-105ATT
DAコンバーターDAC-FA0
オーディオPC PCA-1

アンケート結果
試聴会の後メールでアンケートを取らせていただきました。せっかっくいただいたフィードバックなので参考のため載せておきます。(回答率は半分くらい)

———————-アンケート結果————————-

試聴会の時間
短い 丁度良い 長い
0    9   0
・丁度良いくらいでしたが、更にもう少し長くても私にとってはOKです。
・第2部は少し時間が遅かったかも。午前・午後部の方がよかったです
・時間配分も丁度良かったと思います。 

試聴会の内容
良い 普通  悪い  
8    1    0
・私個人の独断・我儘を言えば、音の加工の少ないクラシック系ソースが更に多ければ更に良いのですが
・試聴者参加型の進行で、質問に丁寧に答えていただけたことが良かったです・私もCDを持って行けば良かった、アナログレコードを聴いてみたかったです。

音質
良い 普通  悪い
7   1    1
・良い組み合わせで、楽しめました。部屋(天井の高さの問題でしょうか?)やセッティングを詰める時間などに更に恵まれていたら更に良い音を聴かせて頂けたかとも思いますが。
・両社最高の機材だったと思うので当たり前ですかね
・ショップで視聴すると ショップによって音の癖のような物がある様に思われ、視聴した機器の本来の音の傾向がよくわからない場合もあるような気がしますが、今回の試聴会は そのような癖が全く感じられませんでた。

試聴会で良かった事
・昨今のCDを始めとするデジタルソースの忠実性を決定付けるのはDACとプリアンプ、パワーアンプ、スピーカーなど含めた全体的なバランスで好みの音質(味付け)が決定されると思っています。そういう前提で考えて貴社のDAC、プリアンプは魅力的で気になっている製品です。
・コンシークエンスを鳴らしきる28万円台パワーアンプの実力!「参考にならない値付け」とは言え、やっぱり凄いです。価格を度外視しても、癖の強い超高価格の「名機」?の類よりも、実力の単純比較で勝っていると思います。
・人数が多くなかったので質問などが気軽にできた。説明していただいた方を含め、皆さんなんとなく和気藹々な感じがよかった。かなり突っ込んだ質問にも答えていただけたのがよかった。自分のCDを高級な機材で聴けたのはよかった。家との違いが実感できました。
・ふだんなかなか視聴出来ない機器を現物で見たり聞いたりすることができた
・人数が少なかったのでよく聞けたこと。
・試聴室の広さが自宅で聴いている広さと近かったのでイメージし易かったです。自分が日常使っているアンプで、DYNAUDIOの音が聞けたこと。 
・御社の D/A コンバーターが視聴出来た事

試聴会で改善すべき事
・conseqenceは、確かにすばらしかったですが、やはりもう少し現実味のあるスピーカー同士で比較をしたかったです。
・強いて申し上げれば、上手く時間をやりくりして、来場者持込CDもリッピング取込して最良の条件で再生してみて頂けましたら...
・今回試聴したスピーカーは、私の中ではかなり高級な部類になり現実感がないので、もう少し低価格のスピーカーで試聴したかった。
・オーディデザインイチオシのハイレゾ音源が手に入ったら、プログラムにいれて欲しい第2回、第3回と続けて欲しい
・普段のリファレンスアンプでの音も聞きたかった。

オーディオデザイン/ディナウディオへのご意見・ご要望など
・拙宅システムにも不満が無い状況ですので、近々のオーディオデザイン社製品購入にはまだ至らないかと思いますが、拙宅システム老朽化更新が必要になった場 合にはオーディオデザインが第1候補だと思っておりますので、何卒末永く頑張って下さい。拙宅のローテル製アンプ群は既に18年~17年経過しております ので、そう遠くない将来のことかも知れません。
・オーディオデザインさんの製品はよいのですが、私には少々高いかも。もう少し低価格帯(10万円代前半)の製品があれば購入検討の対象になると思います。”
・真の原音再生をこれからも追求し続けてほしい
・リーズナブルな価格で高品質な製品を今後もよろしくお願いします。
・今後も独自性のある製品を供給してください。 


その他ご感想などありましたらご自由にご記入下さい

・実演に慣れ親しんだ日本人テノール歌手の村上敏明さんのCDと、太鼓も大活躍のオケと合唱にオルガンも加わる多彩な内容で録音の良い「威風堂々」で試聴させて頂き、特にコンシークエンスを貴社アンプで駆動した際の低音に感動してしまいました。
・オーディオsショウなとのイベントの中での試聴と違ってひとつのブランドのみの試聴会は初めてだったのですが、なかなかゆっくりと試聴できたのでよかったと思います。また機会があれば参加させていただきたいと思います。
・ラインセレクタを使って他社比較とかプライベート試聴会だからできそうな企画があると面白そうです。
———————-アンケート結果(ここまで)————————-

最後に
まとめというわけではないのですが、アンケートをまとめていて後からいくつか思い出したので書きとめておきます。

・C4を聴きたかったのに残念・・・という事を複数の方から言われました。内容でご不満があるとすればこの点でした。この点は今回お詫びするしかありません。

・途中参加者の方が持ってこられたCDを聴いたのですが、一部に(サンタナとか)の音質の悪いものがあった。今回のでもに限らずお客様がお持ちになる愛聴版の音質は良くないものも結構あります。デモの企画としては良くないので次回からは考えた方が良いかもしれない。

・コンセクエンスがよく鳴っていたので、今度コンセクエンスを試聴に来られた方に薦めて見たいとDhinaudio試聴室担当の方も特にパワーアンプに興味津々の様でした(回路・内部の事などいろいろ聞かれました)。

・B1の試聴室は今回縦長に使用しましたが、本当は横長に使用したほうが(長辺方向にSPを並べた方が)C1などは音質は良いそうです(この部屋の場合は)。既にコンセクエンスが縦長方向の試聴位置に設置してあり、これは重くておいそれと動かせないので、今回の試聴会はこの設定で行いましたが、本当はもう少しセッティングを詰めた方が良かったのかもしれません。

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