ヨーロッパのコンサートホールのまとめ

今回ヨーロッパのコンサートホールの音質を聴いて来ましたが(たった3つですが)、ここでそれらををまとめてみたいと思います。普通コンサートを聞く際は演奏と指揮者について注目して鑑賞することが多いのですが、この場合は聴こえてきた音をコンサートホールの特徴として捉えています。まとめるとこんな感じになります。

コンサートホール/音響効果の評価一覧

ホール音色音量帯域バランス音響効果の総合評価
スメタナホール4.5555
ベルリン・フィルハーモニーCH33.533
ゴールデンホール(楽友協会)54.555
日本で音が良いとされる六本木のホール2212
評価基準楽器の音色がどう聞こえるか観客席で聴こえる音の大きさ高音・低音の音のバランス左3つを勘案した総合評価

今回聴いた中で音の良いコンサートホールは単純な直方体の形をしたホールで、反対に演奏者の後ろに壁が無いホールは音質的にはいいところがありません。単純な直方体のホールの中でもゴールデンホールは楽器の音色がほんとにいい音で聴こえるのですが、何故そうなるのかホールの形状からはわかりませんでした。

その他思ったこと

1.積極的に売らないと駄目なのでは?
コンサートホールの音響効果と直接関係ないのですが、ウィーンでは音楽を観光産業として考えているように思います。コンサートホールの前には日本のダフ屋みたいな感じの人がモーツアルト時代の格好をして「お兄さんチケット買わない?」って日本語で言ってきますから。この人達は違法な販売員ではなく、どうどうとチケットを勧誘・販売しているのです(おそらく主催者側が営業の一環としてやっているのでは)。
日本の場合はクラッシックの場合はプライドが高いからか特に営業活動をしないで(少なくとも普通の人には届いていない)、売れない売れないといっているように思えます。音楽の都ウィーンですら積極的に営業活動をしているのですから、日本ではそれ以上に売る努力をしないと売れなくても当たり前なのではないでしょうか?(同様の状況のオーディオ業界のお前が言うなって声も聴こえますが・・・)

2.ホールが良ければクラシックファンも増えます

それと、今回非常に印象に残ったのは、スメタナホールやゴールデンホールなどはホールの音質が非常にいいので、音楽に興味の無い普通の人でも一度行けば「ああいい音だった、また行きたい」と思えることです。クラッシックでは特に演奏家と指揮者が着目されてホールのことは2の次3の次ですが、私に言わせてもらうと音質的には一番重要なので、ホールとはあるいは聴衆に実際にどの様な音が届いているかということにもっと着目してもらいたいと思います。この点(ホールの音質)が日本とヨーロッパでは環境がまったく異なると思うのです。日本のクラシックコンサートで正直音自体にに感銘を受けたことはほとんどありません。家でCDを聞いていたほうがいいくらいです。(以前ブログでそう言ったら、お前はクラシックを知らないからで、もっと音楽を勉強しろって言われましたけど・・・)。やはりコンサートホールの影響というのが非常に大きいと思います。スメタナホールやゴールデンホール並の音がでるホールが東京にあれば、クラッシックファンは何もしなくても自然に10倍以上に増えるのではないかと思います。まあサントリーホールの音質が良いとかいう人が多い(?)現状のままでは音質の良いコンサートホールは日本には出現しないと思いますが。

3. アンコールは必要ないのでは?
基本的にヨーロッパのコンサートではアンコールはほとんどありませんでした。実はもうひとつ観光客向けのコンサートにウィーンで行ったのですが、そこは演奏もホールもそして観客マナー(ほとんどが観光客)も今ひとつだったのですが、そこではスタンディングオベーションでした。要するに普段聴かない人が余興として聴くとそうするのが礼儀みたいに勘違いしているのではないでしょうか?
日本のコンサートでもアンコールを5,6曲やっていることもありますが、これはまったく必要ないというかやらない方が(そういう習慣は無くした方が)いいと思います。いい映画をみて感動した後にもう「一本ショートストーリー上映して」とか、コースの料理を食べた後で「おいしかったのでもう一品出して」とか言ってるようなものでまったくもって変な話です。交響曲などはそれだけで完成されているので終わったあとに余計な音は聞きたくありません。日本ではアンコールをしてもらうのが礼儀みないな雰囲気がありますが(検索するとクラッシック鑑賞のマナーみたいに書いてあります)、これはまったくおかしな話だと改めて思いました。まあ私一人が思ったところで変わるわけはないのですけどね。

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