ヘッドホンの周波数特性って結構むづかしい かも

これまでヘッドホンの周波数特性を次の2種類の方法で測定した結果を比較してみました。
・聴感上の音量比較から(掲載コラム
・バイノーラル用マイクによる測定(掲載ブログ

それぞれの測定方法は過去のブログをご参照いただくとして、この2つの測定結果を並べて比較して見た結果がこちらです。
上が聴感上の周波数特性、下がバイノーラルマイクによる測定結果になります。

AKG K-702

ゼンハイザーHD-595

ウルトラゾーンPro750

まず一番目に付く違いは聴感上の特性は超低域(60Hz以下)と高域8KHz以上で、だらだらと感度が落ちています(加齢のせいか?!–>違うといってください)。

それと大きく異なるのは3KHz以上で超感上の感度が盛り上がっていることです。この考えらる理由のひとつは外耳道(耳の入り口から鼓膜まで)に起因するものです。バイノーラルマイクは外耳道の外側で測定しますが、聴感上の特性は外耳道の奥で(鼓膜が)検出しているので、外耳道によるF特変化の可能性があります。
もう一つの考えられる理由は、聴感測定で使用した発振器の信号には1%程度の歪がありますので、耳障りに感じて実際の音圧よりも大きく感じてしまったなどが考えられます。

いづれにしても、ヘッドホンの周波数特性は調べて見ると結構奥が深く、単純に結論付けられるものでは無いようです。

ヘッドホン祭でバイノーラルマイクによる測定をする予定ですが、あくまで参考データとして見たほうが良い様です。

p.s.

後で気付きましたが、人間の聴覚は周波数と音の大きさにもよりますが、必ずしもフラットにフラットに感じるわけではありません。この辺はフレッチャーマンソン曲線として知られています。

Clipboard01フレッチャーマンソン曲線

特に小音量の時に低域と高域の感度が悪くなる(ヘッドホンの周波数特性の相違も、大方これで説明できる)。

加齢のせいじゃなくてよかった。

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