はじめに
アナログレコード用のフォノイコライザアンプは回路的にも難しい面があります。フォノイコライザアンプは昔から趣味で作っていたこともあったので大体の事は知っていたつもりでした。ただ最近製品としてフォノイコを販売するをするようになって、いろいろと調べた結果、大事なことに初めて気がついた点もいくつかあります。
レコードを聴く分にはこういったことは知らなくても良いのですが、機器選択や音質向上を考える上で知っておいた方が良い点もありますので解説したいと思います。
フォノイコライザアンプの役割
フォノイコライザアンプの役割は
- カートリッジの微弱な信号を増幅する
- RIAA特性で周波数補正をする
の2点です。これらの基本的な事は省略します(他にもいろいろ解説サイトがあるとおもいますので)。
フォノイコライザアンプの配線について(念のため)
専門的な話に入る前に信号経路の話をさせていただきます。カートリッジの出力は一般にRCA端子(+アース)で受けますが、その信号伝達方法は一般のプリアンプ、パワーアンプと大きく異なっています。カートリッジ出力ではRCAピン端子の外側がアースから浮いているのです。
ですので、レコードプレーヤからアンプのフォの入力端子まではフォノイコ専用のケーブルを使用します。シールド線の中に2本線が入っているいわゆる2芯シールド線が使われているのが普通です。
普通のラインケーブルに加えてアース線を接続しても音は出ますが、そうすると信号線のシールドができていないのでハムが出てしまいます。
見方を変えると、カートリッジからの出力はバランス出力が出ているということです(端子はアンバランスですが)。レコードプレーヤー上ではトーンアームがシールド皮膜の役目をしています。
フォノイコライザアンプの入力インピーダンスについて
フォノイコライザアンプはカートリッジがMMかMCかによって入力インピーダンスを変えなくてはいけません。
入力抵抗 | 入力容量(ケーブル容量も含む) | ノイズ成分 | 備考 | |
MMカートリッジ | 47kΩ | 100-200pFが最適 (カートリッジによって異なる) |
ハムが多い | |
MCカートリッジ | 10Ω-100Ω | 気にしなくて良い | サーノイズが多い (実際にはハムも) |
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まとめると、こうなるのですが詳細はまた次のコラムで説明します。