JBL4429を使ってスピーカー配置を検討してみました(測定編)

JBL4429を使用してスピーカーの置き方についていろいろ調べてみたので報告します。

JBL4429というスピーカーについて

JBLについては私がとやかく言うまでも無く皆さんの方が詳しいかもしれません。 私が実際にJBLを購入所有したのは実は初めてです。JBLを購入した理由は

・ホーン型が欲しかった(最近はソフトドーム+トールボーイ型のSPシステムが多いので自然と同じ様なSPばかり所有しているので、毛色の違うものも置きたかった)

・弊社アンプを購入いただいたなかでもJBLをお使いの方の評価が特に良かった

・水平方向に無指向性(上下方向に指向性があるもの)がハイエンドショーの会場に合うのでは?と思ったから

(結果的にこの目論見は正しくありませんでした)

等です。

4429と4428の違い

実は4429を購入する前に4428の中古品を試す機会があったのですが(2,3日置いただけなのでどれだけ正確かはわかりませんが)、音質は4428の方があくまでもおとなしく、アンプが良ければ良いだけ音質が良くなるというか、アンプの実力がそのまま出てくると思います。4428は店頭で聞いた事はあったのですが、自分のシステムで聴くと印象がことなり、とにかくホーンくささのまったくしない、でも定位がびしっと決まるすばらしいものでした。

その後4429を購入したのですが、まず最初にビックリしたのが音だししたときの音の悪さです。高音がやたらとキンキンして硬い音で、内部のネットワークの接続が間違っているのではないかと疑ったほどでした。 その音の悪さはエージングの問題とはとても思えませんでしたが、不思議な事に1週間、1ヶ月と鳴らしている内にすっかりまともになってきました。私はエージング云々にはあまり興味が無い方ですが、これはさすがにまったく違うというか、まったく違うSPになると思った方がいいでしょう。

4429の音質は4428のどこまでもおとなしい鳴り方とはちょっと変わって、結構よく言えば解像度のいい音、下手をするとうるさく聞こえるいえない事もない感じになっています。まあ普通のハードドーム的な質感で、定位が抜群に良いといえばいいでしょうか。一般受けするのは4429の方かもしれませんが、私個人としては4428の方が好きでした(中古を聴いたせいもあるかもしれませんが)。

理想的なスピーカーシステムの周波数特性とは

リスニングルームにおける理想的な周波数特性はと聞かれればこんな感じだと思っています。

sp-response.jpg

中低域がフラットで高域がなだらかに減衰していく感じ。何故高域が減衰していくのかというと、中高音は周波数が高くなるほど後ろに音が回り込まないので後ろ壁の反射がない分減衰していくのが妥当だからです。実際リスニングルームの試聴位置では高域ほど減衰していっている事が統計的には多いですし、その状態が心地よく聴こえるそうです。この点はリスニングルームの著書をかかれていらっしゃる加銅鉄平先生のコラムにもそういう記述があったと思います。

周波数特性はこうなりました

周波数特性の測定条件はこんな感じです。事務所は1辺が8mくらいあり普通の部屋よりは大きい方だと思います。マイク設置位置は4mのところです。

尚4429のアッテネータはNORMALの位置で測定しています。
sp-layout320.jpg(上が天井、左右が壁面になります)

4429をJBLのスタンドに置いたとき(SP下面まで35cmの高さ)と床にベタ置きの2種類の高さ、それとSPを後ろ壁につけた場合と後ろ壁から 90cm離したとき(フロントバッフルで120cm離れた時)の2種類、計4種類で測定しました。

sp-layout4.jpg 測定位置は4つのパターンでこんな感じです(上が天井、左右が壁面になります)

以下測定結果です。
パターン1.後ろ壁から離し、台の上に置く(最も一般的な置き方)

d120h35l.jpgD90cmH35cm

パターン2.後ろ壁から離し、床の上に直接置く

d90h0l.jpg D90cmH0cm

パターン3.後ろ壁まで下げて、台の上に置く

d0h35l.jpg D0cmH35cm

パターン4. 後ろ壁まで下げて床の上に直置き

d0h0l.jpgD0cmH0cm

どうでしょうか?結構、傾向が綺麗に出ています。聴感上どれがもっとも好ましかったかというと4,3,2,1の順番です。

普通の置き方(後ろ壁から離し、台の上に置く)が私の好みでは最も悪かったのです。1が最も力なくすかっと低音が抜けた感じ、1がもっとも力強く低音がゴリゴリ来て心地よいです。ただし4の床直置きの場合声が地面から聞こえて来るようで気味が悪いので3で妥協しています。

1-4についてもう少し詳しく見てみたいと思いますが長くなりましたので次のコラムで解説します。

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