オーディオデザインの東京オーディオベース2019はこんな感じでした

全体の印象

今回は金曜土曜の開催でしたが、昨年の土日開催よりも平均的に来訪があったように思います。

使用機器

レコードプレーヤー

今回はフォノイコDCEQ-1000によるレコード演奏が主なデモ内容です。プレーヤーはヤマハのGT-2000とパイオニアのPL-50LⅡを使用しました。最近では海外製の良さそうなプレーヤーも多いのですが、ヘッドシェルを交換ができないのでこういったデモには向きません。

さらに新製品のフォノイコDCEQ-1000から直接パワーアンプDCPW-240に接続し、スピーカーのC4に接続しました。

カートリッジ

カートリッジは以下の物を使用しました。

MCカートリッジ

メーカー 型式 価格(目安)   備考
Goldring Ethos 20万円  
フェーズメーション PP-300 11万円  
オルトフォン MCQ30S 10万円  
オーディオテクニカ AT33PTG 6万円  

MMカートリッジ


メーカー 型式 価格 備考
Grado Statement Sonata2 7万円
オーディオテクニカ VM750SH 5.4万円
オーディオテクニカ VM520EB 1.7万円

フォノアンプはDCEQ-1000です。そのプリ出力を直接パワーアンプDCPW-240に接続しました。スピーカーはDynaudio のC4です。

音響対策

この部屋は昨年も使用して、音響が良くないことはわかっていました。昨年は円柱状の吸音器材を持ち込んだのですが、それでもフラッターエコーがひどかったので今年は新たに新兵器を持ち込んでみました。

それは紙製でできた吸音パネル材で、ジャバラ状になっていてたたむとわずか15cm程度のコンパクトなサイズなのですが、伸ばすと5mくらいにはなるという面白いものです。モロ・デザイン社のソフトウオールというものです。短辺方向のフラッターエコーがひどかったので、このソフトウオールを右壁の真ん中編に設置しました

結果としては妙なフラッターエコーの様な残響はなくなりました。持ち運びも楽ですし、使用しないときは場所も取らずにしまっておけるので便利です。紙材にしては高価(20万円)ですが、買えない金額という程でもありません。

右側の片側だけに使用しましたが(1個しかないので)、中高域でのフラッターエコーのような変な残響はなくなりました。

ただ、今回超低域の残響がひどく、数秒は続いている感じでした。最底域に音源がある場合、異常なほどブーミーでした。最初は原因がはっきりわからなかったのですが、長辺方向の定在波でした。35Hzあたりに定在波が立つらしく、それがC4のバスレフポートの周波数と合っていたようで、これが原因で延々と続く超低域担っていたようでした。これに気づいて2日目の

デモではC4バスレフポート1台あたり2箇所をスポンジで塞いだところ、ブーミーさはなくなりました。もちろん最低域が出ないわけですから、本来のバランスではないのですが、まあまあ聴ける音になっていました。

何もない会議室のような場所でデモをする際は、フラッターエコーと定在波対策が必須のようです。

カートリッジの比較試聴について

当日、カートリッジを瞬時交換して皆さんに聴いていただきましたが、MMカートリッジの中ではVM-750SHとGradのカートリッジが2分した形となりました。

MCではPP-300の人気が一番でした。当日のでも会場ではEthosの良さがあまり出ていなかったので仕方ないかもしれません。事務所で聴いているとEthosが非常によいのでが・・・・。

途中、お客様が持ってこられた「さだまさし」とキース・ジャレットのレコードの音質が非常によかったので感心しました。日本のpopsのレコードの音質はあまり良くないのが普通ですが、非常にバランスの良いなめらかな音質でドンシャリではないHiFiな音でした。キース・ジャレットのピアノも非常にきれいな音色でめったにない好録音でした。

先生のご講演について

それと和田先生が持ってこられたレコードの音質がどれも素晴らしかったのが印象的でした。先生は普段レコードを聴かれているそうで、よく中古レコード屋を回られるとのことでした。お持ちになったレコードはオーディオ用というわけではなく、有名なミュージシャンの普通のレコードなのですが、数あるそういったレコードの中から、音質的に厳選されたものなのだと思います。

反対に小原先生の講演は初日の最初で低域が超ブーミーな状態でしたので、本来の高録音が全く活かされない状態で申し訳なかったと思います。

 

 

ともあれ、当日お越しいただいた方には熱く御礼申し上げます。

今後の予定

3月にはMJフェスティバルがあり、小林先生、井上先生のMJテクノロジーオブ・ザ・イヤーでも、当社フォノアンプをご紹介いただきますし、当社も共同ブースにて出展しますので、こちらの方もよろしくお願いいたします。

 

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