オーディオ製品のカタログスペックの見方

オーディオ製品を選ぶ際の参考にするものの一つとして製品の性能があると思います。もちろんいまどきのオーディオアンプの電気的性能は十分なものがほとんどですし、カタログの性能から音質が判断できるものではないかもしれません。ただカタログの性能値も良く見てみると、メーカーの製品や販売に対する姿勢だとか、製品の品質・性格も結構見えてくる部分があります。今後カタログ性能の見方というものを一つ一つ解説していきたいと思いますが、まず最初にもっと基本的な事項について考えて見たいと思います。

カタログ性能の見かたについて考える以前に、そもそもその土俵に上がらない様な製品があります。

(1)製品の性能(実測値又は保証値)が明記されていないもの
(2)性能にみせて実はシミュレーション値や模式図を掲載しているもの
(3)(小さすぎて)測定不能などと意味不明な事を記載しているもの

そんな製品があるのかといえば結構あるのです。特に海外製品ですとか割と高価な製品に多いと思います。通常オーディオメーカーの製品でしたら必ずカタログの後ろに性能が掲載されていますが、そういった具体的記載が一切無いのです。その代わりに、歪が発生しない回路を採用しているとうたわれていたり、シミュレーション値とか特性の模式図みたいなものを掲載してごまかしている様に見えます。アンプなどはシミュレーションの精度も良く、シミュレーションでほとんどの特性は計算可能ですが、実際にアンプなどを製作してみると、計算どおりにいかずに苦労することが多いのも事実です。(3)の測定不能などという記載はそもそも測定器すら持っていないのではないかと思います。

オーディオ製品の音質は単純な周波数特性や歪率特性で決まるものではなくとも、最低限のスペックを満たす必要はあります。それが記載できないというのはそもそも良いアンプを開発する基本的な能力が無いか、良いものを提供しようという姿勢が無いメーカーなのではないかと疑りたくなってしまいます。

今後カタログスペックに見られる「性能を良く見せているテクニック」について具体的に述べていきたいと思います。

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