今年8月コロナの急激な減少は何故?ー誰も言わないが答えは明確ー

ここは主にオーディオ関連の話題を紹介するブログですが、テレビなどのメディアがあまりに的外れなことを言っているので、今回コロナについて書かせていただきます。

今年21年夏にコロナの陽性者数が急激に減少したのを受けて、マスコミに登場する医療関係者などが、”よくはわからないがワクチンがいきわたった効果”とか、”医療現場のひっ迫を受けての一般の人の行動変容”などと言っているのをよく耳にしました。ただ、これはそういうことが原因ではないと直感的に感じていたので、少し詳しく調べてみました。

よくテレビなどで紹介される陽性者数のグラフは直線目盛りで、これを見ると第5波が大きいこと以外何もわかりません(この データは厚労省の発表している全国の陽性者数から持ってきています)。

そこで例によって対数をとってみたのがこちらです。縦軸に対数をとるというのは陽性者数そのものではなく、陽性者数の増加の割合(倍率)を見ている様なものです。そしてこのグラフの傾きが増加率になります。

グラフはクリックで拡大します

最初のリニアのグラフとは違って、コロナ陽性者数の推移・傾向がよくわかります。さらに第5波のあたりを拡大してみたのがこちらです。

じっと見つめるとある傾向があることがわかります。それは、

この様に第5波の上昇時の傾きに、急激に増加している箇所があります。第5波の特徴はこの赤の部分で示した急増で、これはこれまでのピークにはなかった現象です。いったいこの時期に何が起きていたかを示したのが次の図です。

クリックで拡大します

そうです、誰もが知っているあの一大イベント、東京2020オリンピックです。選手団は7/13頃本格的に入国しているそうで、ちょうど急増の時期に一致しています。選手は事前のPCR検査が義務付けられていたものの、待期期間が免除されていたそうで、その影響が大きかったことになります。選手団は全国へ事前合宿に向かったことでコロナ急増の原因になったと考えられます。もちろん、警備やボランティアなどの人が全国から移動し始めたこともあるでしょう。ここでもう一つ注意したいことは、ちょうど同じ時期に緊急事態宣言が東京に発令されいます。通常、緊急事態宣言で増加の傾向はかなり緩和されるのですが、その状況下で急増しているわけですから、オリンピックの影響恐るべしといったところです。

さらにオリンピックが終わると、ちょうどその時期に傾きがかくんと小さくなっています。これもコロナ急増がオリンピックの影響であることを裏付けています。

要するに、

8月後半にコロナ陽性者数が急激に減少したのではなく、オリンピックによる急激な増加が収まっただけ。

ということです。その前の急激な増加を説明する理由は東京オリンピックしかないのです。言い換えればオリンピックイベントでコロナ陽性者数が約一桁上昇し、一日数万人規模で陽性者が増加しました。もしこのイベントをやらなければ、医療崩壊も起きず、自宅療養でなくなる人もほとんどいなかったことでしょう。

ただこういった知見は後から分かるわけで、オリンピックを中止していたら、これだけ増えるということはわかりませんでしたし、なぜ中止したんだという非難だけは残るので、中止できなかったことはやむをえなかったかもしれません。ただ、オリンピックイベントでこれだけのコロナの被害が拡大し、多くの亡くなった方が出てしまったわけですから、せめてしっかりと分析して反省の材料としてほしいと思います。

また、今回感じたことはよくマスコミで医療従事者の方がコロナの現象についてコメントしていますが、彼らは医療の専門家であってデータを分析することについては専門家ではないのではないかということです。今回行った対数をとって考えるという行為は工学系出身のエンジニアであれば、だれでもまず最初に考える基本的な分析で特殊なことではありません。コロナの解説ももう少し工学的なセンスのある人がかかわってほしいと思います。

前回の関連ブログはこちらです。

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