はじめに
前ブログではCDプレーヤーのSPDIF信号についてジッターを測定してみました。今回はパソコンとSPDIFアダプターの組み合わせについて調べてみました。
使用装置
使用したのはこのHifaceではDellのラップトップInspiron14(corei7,win10)の組み合わせです。
測定結果
話が前後しますがオーディオアナライザーSYS-2722ではまずデジタルオシロの様に波形観測ができます。これは実際にSPDIF信号(44.1kHz)の出力波形を測定したもので44.1kHzの64倍の2.82MHzをベースに1、0の信号が出ていることがわかります。
ジッター信号のヒストグラム
この信号の本来の周期からのずれを測定したものがジッターとなります。その時間誤差の値を頻度で表示したものがこちらのヒストグラムです。
前ブログのCDプレーヤのもの(下図)と比較するとほぼ同じ形に見えますが、実は縦軸がこちらは10%と2倍になっていますので、誤差の頻度は2倍に大きくなっています。時間の誤差(横軸)は+-1nsで、SD-9500のジッターと同程度であることがわかります。
PC+Hifaceのジッターは安価なCDプレーヤーよりはよいものの、最上位機種のプレーヤーには劣っています。
ジッター信号のFFTスペクトル
こちらはHiface出力のジッターのFFTスペクトルです。その下のCDプレーヤーのジッター値と比較すると、ほぼSD-9500(ピンク)と同じであることがわかります。ただkHz帯にSD-9500では見られないピークが多数出現していてこれらがジッター値悪化の原因になっているのかもしれません。kHz帯のピークはPC由来のノイズかもしれません。
終わりに
ということで、PC+デジタルインターフェースの組み合わせについてジッター特性を測定してみましたが、単純に機器の形態(プレーヤーかPCか)ということではなく、その機器の品質・性能に左右されているのかなと感じました。
また、再度お断りしておきますが、一般にジッター特性は機器の再生音質を左右する重要な要素ではありますが、今回の機種に関しては再生音質とジッター性能にあまり相関が無いように思います。
この辺がオーディオの奥が深いところで、常に模索する日々が続いています。