DVD-Audioは死んだか? -その3DVDオーディオソフトを聞いてみると-

前回DVD-Audioソフトの音源の音が悪すぎるといいました。
実際どんなソフトを聞いたかというと、

この3つです。

  
1.マイルスデビス/TUTU、2.ジョージベンソン/ブリージン、3.高橋真理子/バラード

1.のTUTUの音質は悪くありません。ごく普通のJAZZの音質です。先に通常のCDソフトを持っていましたので比較のために購入しました。
後の2つの音質は飛びっきり悪いです。(断っておきますが、曲や演奏が悪いといっているのではなく、あくまで録音音質のみに対するコメントです)。
2.のジョージベンソンのアルバムは音源が相当古いのか8KHz以上と80Hz以下をカットした様な音で高域、低域がありません。帯域が異常に狭く、一度聞くともう聞きたくなくなります。
3.の高橋さんのDVD-Aは録音年が書いてないのですが、とにかく音が全体的にシャリシャリで中低音域がほとんど無い感じです。どうやったらこんなバランスの音になるのか不思議です。極端なイコライジングをミキシングの際にしているのではないでしょうか?

酷いのはDVD-Aの裏面ラベルに録音年が小さく書いてあるのですが、(ジョージベンソンのDVD-Aは76年84年となっています)それにわざわざ日本語のカバーを掛けて陳列されており、買ってビニールをはがすまでは録音年がわからないようにしてあることです。
理解できないのはDVD-Aは音質がいいから(通常のCDより高くても)買おうかと思うのに、どうしてこういうよりによって悪い音質の音源を持ってきて販売するのかということです。

そもそもDVD-Audioの生い立ちというのは、よりよい音質の音楽を提供しようという動機ではなく、CDより儲かる仕組みを作ろうという趣旨にひんまがってしまったのでしょう。メーカーとしてはSACDを開発したソニーに対する対抗馬として意味があるのであって、よりよい音質の方式を提供するという趣旨はどこかに置いてけぼりになってしまったのだとしか思えません。あるいは開発したメーカーには高音質という目的があっったにもかかわらず、実際に音源を入れてソフトとして販売する過程で、ソフトメーカーが価値の無くなった音源でもう一度、儲けられると考えたのかもしれません。DVD-Aに過剰ともいえるプロテクトをかけているのも、CDの様にコピーされなくていいやという安易な考えとしか思えません。

ソフトを買うほうから見れば、CDより高価なのに通常のCD再生より悪い音質の音源をろくな情報も見せずに買わされる訳ですから、普及するわけは無いのです。

まあDVD-Aソフトが無くならない内にもう1、2枚、今度こそ音質のよさそうなものを探して買っておくしかないかなと思っています。

ただどうしても24ビット、96/192KHzというフォーマットはあきらめきれないので(もったいないので)、もう少し路線を変えて、通常のCDのアップサンプリング処理をおこなって、DVD-Audioソフトを自分で作ってみました。つぎにその話はUpしたいと思います。

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