DVD-Audioは死んだか? -その4DVDオーディオソフトを作って見よう-

[!]それなら、いっそのことDVD-Audioソフトを作ってみよう
DVD-Audioソフトにあまりいいのが無いので(探しにくいので)、視点を変えて、音質のよいCDからアップサンプリング処理を行いDVD-Audioソフトを作ってみようと思います。DVD-Audioソフトを自分で焼いてみた方は検索すると結構いらっしゃるみたいです。

CDのフォーマット(44.1KHz)を単にDVD-Auiodのフォーマット(192KHz,24bit)に変換して焼いてみても音質の向上は期待できません。データ変換する際にデータの質が向上するようなアップサンプリングコンバージョンすることが重要です。

[!]オーバーサンプリングとアップサンプリングの違い
一般にCDPで使用されているのはオーバーサンプリングでこれはCDデータの情報量自体はまったく変わらず単にDACでフィルタリングする際に楽になるだけの技術です。アップサンプリングというのは16bitデータからもっともらしい24bitデータを作り出すことで、元の音源を24bit化したデータと完全に同じになる保証は無いのですが、16bitデータよりはましだと思われます。

アップサンプリングの手法としてよく用いられているのが16bitデータをスプライン補間する方法で、「レガートリンク」、「フルエンシー理論」などと呼ばれるものは広義の意味でこの仲間だと思います。

もう一つのアップサンプリング方法は畳み込み積分処理(コンボルーション)を行うもので、パソコンでかなり大規模のデータ変換を行います。具体的には16bitCDデータをFFT変換し、インパルス応答波形のFFTデータを掛けてから、再度逆FFT変換して24bitデータを求めます。16bitデータをインパルス応答で畳み込み積分してやることになります(なぜそれで24bitデータになるかは私も今いち理解できず勉強中)。計算量はスプライン補間などと比較すると天文学的に増えます。

[!]DVD-Audioソフトの作り方
前置きが長くなりましたがDVD-Audioソフトの作り方は次の通りです。

1.CDからwavデータをフリーソフト「CDex」を使用して取り出す
2.取り出したwavデータを音楽再生ソフト「LILITH」の処理リストに指定し、LILITHの外部処理機能を利用して、アップコンバージョンソフト「FUSE」でアップサンプリング処理を起動する。
3.「FUSE」でアップサンプリング処理を行い、CDデータを176.4KHz、24bitデータに変換する。
4.DigiOn DVDAudioでDVD焼付け用イメージファイル*.isoデータを作成する
5.作成した「*.iso」イメージファイルをDVDにDVDDecrypterで焼き付ける。(当然DVDが焼けるDVD-RWをPCが持っている事が必要)

以上は使用するソフト(処理)で5つのPCソフトを駆使する必要があります。さらに3番のFUSEによるアップサンプリング処理は非常に時間がかかります。3分の曲で10分程度(CPU:Celeronの場合)、またデータ変換後のデータ量は約3倍になりCD一つで3GBくらいになります。

[!]実際に作ってみると
CD一枚からDVD-Audioを作成するのに半日はかかります。
ソフト自体は4のDigiOn DVDAudio以外はすべてフリーソフトです。
DigiOn DVDAudio1ヶ月間のお試し期間がありますので、1ヶ月はただで試してみることができます。なのでパソコンとDVDに書き込みができるDVD-R(と若干のPCの技量)があればDVD-Audioは作れます。ただFUSEの変換処理は非常に重たい処理なので、昔のパソコンでは非常に時間がかかりますし、下手をするとハードディスク(HD)のスワッピング処理が続きHDをいためる可能性もある(そうです)。できれば最低でもPetium 以上のCPUと1GB以上のメモリーがあったほうがいいでしょう。ちなみにQuadCoreに4GBのメモリを積んだ最速PCでも3分の曲の処理に2分かかりました。

最初に試すにはLILITHは必要ありません。これはあくまでバッチ処理用に使用しているものです。FUSEが一曲づつしか変換できないので、CDアルバム全部変換するのが大変なのです。
ちなみにFUSEにはディザを加える処理もデフォルトで設定されています。

DigiOn DVDAudioでDVD-Aフォーマットにすると176.4KHz、24bitのデータが192KHz,24bitに変換されます。
こうしてできたDVD-Audioディスクはプロテクトを掛けていないので、DVDプレーヤーからデジタル出力してCDPのDACを利用して聞くことができます。
あるいはFUSEで変換した176.4KHz、24bitのデータをPCのプログラムで再生し、サウンドカードの光出力からCDPのDACに入れることもできます。

DVD-Aフォーマットにして試聴した結果は・・・一言で言うと「微妙」です。

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