録音の良いCDはどれですか? -これです-

今まで聞いた中で録音の良いCDはどれかと聞かれたら今なら「これ」と答えると思う。

高嶋ちさ子さん、Freedom

高嶋ちさ子さんは個人的に好きなアーティストなので、多少ひいきにしている分はあるかもしれないが、それを差っぴいてもこれは録音がすばらしいと最近特に思うようになってきた。

このアルバムはクラシックというよりはバイオリンがリードしたJazzと思った方が良い。バイオリンもう一人とピアノ、ベース、邦楽、パーカッションが加わっている。ただしアルバム全体の音楽性は全体に軽く流したという感じで(実際には熱演されているのだろうと思いますが)「アラウンド・ザ・ワールド」のようにアルバムが一つにまとまった感じは無いです(この事はちさ子さんの自著でもその様な事がかかれているくらいだ)。

このCD、発売は04年で最初に聞いたときから、妙にいい音だなと思ったが、システムのクオリティーが上がれば上がるほど恐ろしく音が良くなって聞こえてきたように感じる。どういいかというと、

・全体、全楽器に対して歪感がまったく無い
・音(特に中高音)がクリアーで透明感がある
・低音が締まっていて、しかもよく抜けている(こもっていない)
・中低音に厚みがある、帯域バランスはCDではなくレコードを聴いているような感じ
・全体の帯域バランスが中低音によっていて心地よい

一般にジャズなどはどれも音質は良くて当たり前の感があるが、このCDの音質はまたそれのワンランク上を行っている気がしていた。
先日何気にCDジャケットを見直してみたら、赤坂のコロンビアのスタジオの録音で録音技師の名前が書いてあった。「塩澤利安さん」とある、私はこの辺は詳しくないので調べてみたら、びっくりというか、やっぱりというか、なるほどというか、この方は録音では相当有名な方で、数々の録音賞も獲られているそうです。おまけに音響芸術専門学校の先生もされている様で、道理で録音が普通じゃない訳です。

このCDを聞いていると現システムでも何の不満も無くただただ満足できるというか、聞くたびに音質の良さに感動できるというか、そんなCDです。これで「アラウンド・ザ・ワールド」の様なアルバム全体のまとまりがあれば・・・・。「アラウンド・ザ・ワールド」の方も録音が良いと褒めましたが、これは古い機材を使用して上手に録音しましたという感じ、「Feedom」の方は超現代的です。

これを聴くとオーディオ再生で最も効く所、ネックになっている所は録音なんじゃないかと思います。スタジオの機材は相当な品質のものを使用されているのかも知れませんが、いわゆるPA用の機器は驚くほど安く、また品質もいまいちな物が多いですから、普通に録音すると音質云々を議論するレベルまで行かないのかもしれませんね。

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