ハイエンドショー2009春のご報告

今回もたくさんの方にご来場いただき、いつもブログ見てますよーと声をかけていただきました。ご来場ありがとうございました。

以下、今回のハイエンドショーの総括です。

<自己採点編>
今回のハイエンドショーの自社の出来栄えを自己採点すると60-70点といったところ、かろうじて合格点です。昨年春(自己採点は30-40点くらい)にくらべればはるかに良くなったと思っています。
何がよくなったかといえば、出てきた音です。前回は納得できない音質だったので、今回はアンプが会場などの設置状況が仮に悪かったとしてもアンプへの影響が無いようにかなり工夫をしたつもりです(一見何の変哲も無い構成の様に見えるが)。さらに今回は多少のずるをして、かけるソフトを工夫したので、会場での音はまあまあという感じになっていたと思います(それでいいのか?)。
今回のデモ時の音で気になったのは、あの会場でスピーカーを鳴らすと、高音がぎすぎすして変な音になってしまうという点です。今回は弊社で通常使用しているMAGNATのQuantum908というスピーカー一本で行うつもりでしたが、2日目以降は六本木工学研究所(RIT)のオリジナル2way(UsherとMorelを使用したもの)を追加して、主にこちらの方でデモを行いました。弊社の事務所ではMagnatが中高音の出方が普通に聞こえ、RITの方は若干おとなしめの感じになるのですが、ショー会場ではMagnatは相当うるさく、RITのスピーカーでもややうるさい感じでした。デモ後のお客様の反応も悪くなく、中にはRITのスピーカーのほうに興味をもたれた方もいらっしゃる様でした。
音質の良否だけでなく、音の傾向も結構変わっていたので、アンプの音質の特徴を記述したスライド説明をどれだけ納得して頂けたかもちょっと??ですね。スライドでは”量感は減るがとても締まった低音”と書いていたのですが、会場の音は”やたらに低音が出ていて、特にはしまっていないかも”という感じだったかもしれません。アンプを購入されたお客様やオーディオ評論家の方の評価も必ず同じ様なプラスの評価をいただくので、間違いないと思うのですが、何故かあの会場では傾向が大きく変わるのかが、ハイエンドショーでの残された課題ですね。

<ハイエンドショーの音質のオーディオデザイン的言い訳>
今回のハイエンドショー会場で朝一番に周波数特性を取ってみました。スピーカーはMagnatの方ですが、RITのほうも同様です。全体的に悪くありません。低域が上昇しているのは低域の方が回折しやすいから(壁からの反射成分が多い)と床がカーペットなので高音域が吸収されてしまうからです。これだけ見るとほぼ同等なのですが、唯一気になる所はハイエンドショー会場の方は5KHz以上の周波数特性の山谷の差が相当有ることです。10dBを超える勢いで、弊社事務所の2倍はあります。10dBというと3倍の音量、これだけ荒れているとうるさく聞こえるのでしょうか?ショー会場は左右に壁が無く、床は厚いカーペットなので高音域の反射はほとんど無いはずです。その分高域は平坦になっていい様なものですが、逆に反射が少ないために天井からの反射と直接波との2音源干渉のような事になってしまい、激しい山谷が現れているのかもしれません。


事務所での周波数特性


会場の周波数特性(左側SPからの距離3mくらい)

<ハイエンドショーの収穫>
お客様といろいろお話できた事は大変有意義でしたが、弊社としての最大の収穫は最終日の終わりのコラボレーションの時間帯に(もうお客様はほとんどいなかったのですが)、FOCAL社のスピーカー826Vをロッキーインターナショナルさんからお借りして鳴らせた事です。他のスピーカーで気になっていた中高音のうるささがうその様に消えて、見事ななりっぷりでした。ちょっと低音が出すぎのような気もしましたが、出すぎの分にはダクトに何か入れて減らす事ができますので問題ありません。前面に見えているバスレフポートのほかに底面部からも放出するダブルバスレフポートを装着しているそうです。あれで1本15万円は安すぎます。ハイエンドショー用に手に入れたい一品でした。これを事務所で鳴らしたらどういう音になるのでしょうか?

<行くなら2日目以降に限るかも>
今回面白い事に気づきました。初日の金曜日は各ブース結構変な音も出ていましたが、2日目以降は結構心地よく感じるようになって来ました。機材も限られていますので、チューニングなどといっても限界があるのですが、皆さんがやっていたのはかけるソフトを変更していくということです(実は私もやっていました)。やはり現場で鳴らして初めていい、悪いがわかる部分もあるので、初日で傾向をつかんで2日目以降は反応のいいものだけ演奏するのです。CDによってしばらく鳴らしていると人が集まってきて、座る人が増えるCDがあります。結果的にどこのブースでも低音よりのCDソフトが多くなった様に思います。弦楽器で言えばベースかチェロくらいまで、あるいはボーカルにベースが加わったものなどが多くなりました。会場でやたらと低音がぼんぼん言っていたかと思いますが、そういった背景もあると思います。

<お客さんの層について>
オーディオの購買層の主役は結構年配の方が多いのですが(オーディオ全盛期をご存知の方)、ハイエンドショーには若い方も結構いらっしゃると思います。ただ今回気づいたのは、30-40代のご夫婦の方もちらほらお見えになったことです。若い方は技術的に興味が大いにあっても、購買までには至らない事も多いと思いますが、30-40代のご夫婦がお見えになる事は非常にうれしい事です。通常は奥さんの方が装置には興味が無く、ご主人の方が音楽を聴いていると怒られる様な環境も多いと思いますが、奥様の方も興味を持ってもらえば、堂々と大きなスピーカーも置けますしね。今後はピンクの塗装とか出てくるかも・・・。

<音元出版でのデモンストレーション>
今回、音元出版さんのブースでの「5大注目国産オーディオメーカー
で弊社のプリとパワーアンプを紹介して頂きました。
井上先生が冒頭、「オーディオデザイン社は純国産メーカーです」とおっしゃったのを聴いて驚きました。そうか「オーディオデザイン」と聴いただけでは、知らない人(ほとんどの人がそう)は海外製をどこかが輸入していると思う事もあるわけで、そりゃそうだとはっとしました。
音も出して頂いたのですが、現場で無調整でのぶっつけ本番ですので、その場では必ずしも十分本領が発揮できた音ではなかったのですが、井上先生のアンプの音質のご説明は非常に力強く、本当に歪感無く立ち上がりの早いいい音のするアンプです(正確ではないがこんな感じ)と紹介して頂いたので非常にうれしく思いました。

ハイエンドショーでは小林先生(小林先生もパワーアンプの試聴をされています)にもお会いできたので、評価結果をじかに伺いましたら、本当に気に入って頂いていた様でした。

<関連サイト>
PhileWEBでの紹介記事
PhileWEBでの紹介記事2

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