お正月ピアノ協奏曲を聴きに行って気付いた変なこと

ラフマニノフのピアノ協奏曲が好きで、コンサートで聴きたいと思っていた昨年末に、今年のお正月のコンサートを見つけてチケットを買っておきました。場所は上野の東京文化会館で、ラフマニノフのピアノ協奏曲の2番になります(これ一番おしゃれなやつ)。

東京文化会館は典型的な扇形のホールで音響も悪くないという感想を持っていましたが、クラッシックのオーケストラを聴くのは久しぶりかもしれません。数年前に八神純子さんがオーケストラをバックに歌ったのを聞いて以来です。

ピアノ協奏曲の前に

少し早く着くと、今回のコンサートでは最初にピアノを使わないバレエ組曲があるので、ピアノは端に寄せてあり、そこで調律師が調整をしていました。ビーンビーンと一音一音確認しているのですが、それでちょっと驚きました。ピアノの音が非常にいいのです。どういう風にいいのかというと、力強さがあるというか低域の音圧レベルが高いように聞こえて心地よいのです。このホールはかなり音響がいいホールなのかと期待大です。

開演前にピアノが壁際で調律されていた
力強いとてもいい音

ピアノ協奏曲ではどうか

さて最初のくるみ割り人形が終わり、いよいよラフマニノフの始まりです。

あれれ・・・、冒頭のピアノの音が・・・普通になっています・・・。

ピアノが真ん中に置かれると
普通の音になりました

ピアノの奏者はもちろん上手で、しかもかなり体全体で弾くように力強く鍵盤をたたいています。でも調律中に聞こえたあの力強い低音が付帯しない、いたって普通の音になっていました。

考えてみると、調律中は壁際に置いてあったので低域が逃げずに伝わってきたのに対して、本番ではピアノがステージ真ん中に置かれていたので、低域が逃げて力強さが消えてしまったのだと思いました。これはスピーカーを壁にくっつけて配置すると低域が盛り上がるのと同じ原理です。

音響的に考えると一般にピアノは壁際を設置した方が格段に音質は良くなると思います。ただ、ピアノ協奏曲でピアノは主役ですので、そんなことをしたら他のお客さんすべてから苦情が来るので無理でしょうが。

ピアノを端においても実際には音はホール全体に響くので、私的には(慣れれば)違和感なく聞けるので、勇気のある変わり者の奏者(指揮者)がいたらぜひ試してほしいと思います。音質的には絶対こちらです。

肝心のラフマニノフの演奏は良かったと思います。ただ今回に限ったことではありませんが、実際のコンサートではオーケストラの音圧にピアノ1台ではどうしてもピアノの音圧が不足してしまいます。最大音量のところでピアノの音がオーケストラの音に埋もれてしまうのです。

本当は、例えばピアノの周りに壁を作ってピアノの音圧を大きくするようなホールがあるとピアノ協奏曲には一番いいと思います。ちょっと現実的ではないのですが・・・。

お正月のコンサートでこんなことを考えた年始でした。

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