オーディオと円安と・・・・・・・・

最近かなり円安になっています。
海外から部品等を調達する際には1ドル80円の円高の頃に較べれば50%高くなっているので、体感価格は相当なものです。おまけに消費税まで上がってますから。

円高の頃には日本の電子部品でも海外の通販サイトから購入すると安く購入できたので良かったのですが・・・・。

こういった為替の影響は単なる価格だけではありません。一時期80円位の為替レートが続いたので、国内で頑張っていた電子部品の工場もさすがに海外移転してしまったなんて話もあります。

ちなみに電子部品を海外で生産するのは当たり前で、日本のメーカーの電子部品でも1袋買うとmade in xx(アジアの国)と書いてあるのが普通です。

2年位前に、あるコンデンサメーカーから1ロットの最小発注数量の変更の通知が来ました。以前は1袋200個で発注出来たのですが、生産拠点を海外に移すため今後は最小発注単位が1000個になるとのことでした(ギョギョ)。

これは電解コンデンサという部品の話で、この部品はまず品種が数十種類あります。
(これはその海外移転するメーカーのものではないのですが)あるメーカーの電解コンデンサの品種(体系図)です。用途によってこれだけあります。
電解コンデンサの体系図(多すぎ?)

さらにこの電解コンデンサという部品は電圧と容量が多種多様なので、その組み合わせがこれだけあります。

ある品種の電解コンデンサの電圧と容量の組み合わせ(すごい数)

ですので、結局品種が数十万種以上あるので、普通は受注生産になってしまうのです。
200個ですと結構使いきれるものですが、1000個というのは結構大変な数字です。しかも、納期は3ヶ月程度で注文して忘れた頃に届きます。

こうなってくると特定の部品は使わず、流通している汎用的な部品でアンプ類を構成方向に流れは行ってしまうと思います。

これは円高の影響ですが、円高だけなら部品を安く調達できるメリットもあったので良かったのですが、その後これだけ円安になると、部品の調達コストも高くなり、結局、円高と円安の両方の悪影響が残っているだけという事になります。

こういった話は電子部品に限ったことではなく、超円高が長く続いたので、必然的に各社対策を取ったと思います。その後に円安になると今度は反対にデメリットしかなくなります。

超円高になったのは、リーマンショックで不景気になり、世界中が金融緩和をしているのに日本だけ金融緩和しなかったからですが、一部を除けば今からやっても手遅れを超えて、逆効果なのだと思います。

加えて、金融緩和と言っても日本の場合民間企業にお金が流れる仕組みがないのだと思います。結果的に国債の発行が増えて、無駄な公共事業をして借金が増えるだけです。日本の金融機関には有望な投資先を見つけるノウハウは無いので(基本的に企業には担保能力の分だけ融資するだけなので)これ以上民間融資を増やすことなど出来ないのです(借りようと思う企業もいないと思いますが)。

ちょっと話が膨らみすぎましたが、テレビなのでの円安の報道・コメントも、もう少し専門的な分析をしてほしいと思うこの頃です。

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