間違いだらけのスピーカーセッティング ー左右対称にSPを置くのは間違いー

YouTubeに投稿した動画の内容ですが、私の考えるスピーカーセッティングについて、改めて簡単に説明させていただきます。

よく言われる常識的なスピーカーセッティングについて、ちょっと疑問に思うことが良くあります。例えば以下の様な内容です。

  1. スピーカーを対称に置く!
  2. 定在波のことを考えて配置する!(定在波よりまず反射)
  3. 専用のxx式リスニングルームを造る!
  4. リスニングルームに物を置かない!
  5. 定在波対策に市販のBassTrapを使う!
  6. 縦長配置ではなく横長配置にする!

その理由について説明します。

1. スピーカーを対称に置く!(これは間違いです!)

意外と思われる方も多いと思いますが、SPは対称に置かない方が音は良くなります。

完全に対称に設置すると、当然のことながら左右の周波数特性は同じになります。部屋での周波数特性が完全に平坦であればいいのですが、近くに壁がある以上反射の影響で数百ヘルツに大きな谷ができます。壁から反射した音の位相が逆相になるからです。

通常50cmから1m程度壁から離れている場合100-300Hzあたりに大きな谷ができます。子の帯域は低音の心地よさを支える最も大切な帯域で、この帯域が不足すると音の細い、寂しい音になってしまいます。

左右に非対称性があると、この落ち込む帯域が変わるのでL+Rで再生した場合に平均化されるので、この低域の落ち込みがかなり改善されるのです。

当社の現在の配置での実測データを示します。左右異なる特性が得られていますが、結果的に左右同時に鳴らして測定したデータの方が平坦化されていることがわかります。

(左右対称ですと当然のことながら左右の特性は同じで、L+Rも同じ周波数特性になります。)

非対称に配置されたSPの周波数特性

Lch,Rch単体よりもL+Rの周波数特性が平坦なことがわかります。

Dynaudio Special40 Right の周波数特性
Dynaudio Special40 Left の周波数特性
Dynaudio Special40 L+R の周波数特性
測定した部屋のレイアウト(完全に非対称)

左右の定位について

ここで皆さんが疑問に思うのは、定位がずれるのでは?という事でしょう。

結論から言うと全く問題ありません。音像の定位は主にkHz帯の高域で決まるからです。たとえベースの低音域の音も定位は根音あたりではなく、高域のkHz帯で決まっています。ですので中高域の音が左右そろっていれば問題ありません。中高音は左右に広がらず、直進する性質があるので、ちょっと内ぶりにしておけば壁の影響はほとんど受けないからです。

それでも左右の壁の非対称性が気になる方は(聴感上は問題ないのですが)、左右の壁を吸音性にすれば問題は解決されます。

実際当社の以前の事務所は、結果的に片側が壁、もう一方が空間という完全な非対称でしたが、音像はSPの中心に定位していました。

という事で、一見左右非対称に設置したほうが理想的と思いがちですが、それはある種最悪の設置方法ですよという一般論と真逆の説について解説しました。

この内容は以下のYouTubeでも解説しています。

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