ロンドンシンフォニー本拠地のバービカンホールでクラシックを聴いてきた

何故ロンドンに?

9月にロンドンに行ってクラッシックを聴いてきました。今回何故ロンドンかというと、クラッシックのCD・レコードで良い録音のものにロンドンシンフォニーのものが多かったからです。それに、イギリスには行ったことがなかったので、今年は一度”紳士の国?”に行ってみようかという動機からでした。

ロンドンの印象

007,KINGSMANの映画を見て、なんとなく紳士の国と思っていたが、大間違い。実際には移民の国、不良の街と思った方が当たっている。

イギリス人もどちらかと言うと紳士ではない、低俗というか品の悪い人が多い(ロンドンの市街地では)

ロンドンの良いところ

残念ながらロンドンには(他のヨーロッパの国と違って)良いところは殆どありませんでした。車の交通を重視するので、車で動く人には優しい、ビールが美味しいというところ位でしょうか。肝心のバービカンホールとロンドンシンフォニーは良かった。

悪いところは他全部

空気が悪い、至るところでタバコを吸っている、香辛料の様な超臭い香水をたっぷりかけた(付けたではなく)人がたくさんいます。鼻水が止まらなくなったので常時花粉症の薬を飲んでました。

食べ物は素材は悪くないのですが、中には味付けをしていないのでは?という店もあります。最低でもそこに塩がないと食べるのに苦労するくらい。イギリス人は味覚と嗅覚が異常ににぶく、料理に味をつけるというカルチャーが無いのだと思います。

天国が一番近い国

歩くのに苦労します。道を渡るのに歩行者用の信号は10秒青で90秒は赤、必然的に信号無視して渡ることも多く、轢かれそうになります。ロンドン市街の目貫道りですらこれなので、店を2,3件回るだけで疲れます。不思議なことに統計的には車の事故が少ないようですが・・・。

バービカンホールについて

バービカンホールは住商統合地区であるバービカンセンターの一施設で,道の案内などにもバービカンホールとは明示されてなく、たどり着くまでにちょっと戸惑います(イギリスクオリティー)。バービカン駅を降りてトンネルの様な道をくぐって7分ほど歩くと、たどり着きます。

戸惑うと言えば、イギリスのコインには数字がほとんど印字していないので、初めてコインを見る人にとっては、どれが1か20ペニーなのか全くわかりません(小さい字でtwentyとか書いてあるのですが汚れて読めない)。

バービカンセンターは2000人規模の音楽ホールで規模的にはサントリーホールと同じです。1982年にできた様です。

ホールは基本的に扇型の形をしていています。座席は演奏者に非常に近いところから始まって後ろに行くほど雛壇状に高くなっています。

この扇状のホールというのは日本では上野の東京文化会館に似ています。コンサートホールとしては音圧を取り安く、帯域のバランスが良くなることが多い優れた形状です。

席に座ってまず気づくのはコントラバスの位置です。なんと一番後ろの壁にへばりついています。さらにティンパニの位置も左の壁ギリギリにあります。

おそらくベースの音を大きくするため、あるいは低域が逃げて線が細くならない様に意図して配置しているのだとおもいます。

ここの壁はコンクリートで細かな凹凸をつけるためにエアーチッパーで削った様です。これでは効果が不十分だったのか、さらに実際にはその上に木の凹凸を被せているような構造になっています。

観客とマナー

観客はウィグモアホール の時とは大きく異なり、若い人もいますし、ほとんどがラフな格好をしています。中には半ズボンで来ている人がいるくらいです。服装に限らず、このホールの観客はマナーが悪く、演奏中にペーっとボトルをプシューッと開けて飲んだり、携帯で写真を撮ったりしていました(演奏中の撮影はもちろん禁止と放送されていましたが)。それと咳をする人がやたらと多く、演奏中にも四六時中咳が聞こえるという有様でした。

 

演奏について

1曲目 ブラームス ピアノ協奏曲#2 OP83

サイモンラトル指揮、ロンドンシンフォニーオーケストラ

ピアノ Emanuel Ax

試聴メモ
(演奏中に書いたメモをそのまま転記しましたので、ややまとまりがなくただの羅列になっていますがご容赦下さい)

フルート・弦のハーモニーが最高に美しい。ピアノの響きが高音まで綺麗で伸びがある、ピアノが低域までよくでていて響きが豊か。これまでで一番ピアノの音がいい。

低域の膨らみ豊かさが最高、弦のハーモニーが綺麗、ホルンの音色も綺麗。音の厚みが最高レベル弦楽器の低音が豊かで各楽器が一つ大きくなった様に聞こえる(チェロがコントラバスに)

ピチカートの重心の低さが最高。

ただし、ピアノの演奏がちょっととろい、高齢なピアニストなのでこれ以上早く、強く弾けないという感じ、(サイモンラトルの知り合いのピアニストなのだろうか)ちょっと迫力が足りない。荒っぽくていいので、若い力強い演奏者の方が良かったのではないでしょうか?弦楽器に負けいています。

ピチカートがまるで専用の別の楽器があるかのごとく力強く聴こえる。ティンパニの音が大太鼓の様に聴こえる。低域の豊かさはダントツでNo.1

管楽器は少ないチェロ10人バイオリン30人位。

感想

このホールはコンサートホールのお手本となるホールでした。こういうホールがあるのは幸せだと思います。

 

2曲目 ラフマニノフ #2

サイモン・ラトル指揮 ロンドンシンフォニーオーケストラ

試聴メモ

第1楽章

音の厚みがすごい。 ドラマティックなメロディー

46時中観客がうるさい、演奏中に咳をしてはいけないということを知らないのでしょう。服装がラフでGパンも多い。

2楽章

有名なメロディー、素晴らしい演奏、隣の客が写真を撮り始めた。

ティンパニの音がリズムを作る、音の大きさ、太さが他にはない音

2楽章最後の音は私のコンサート試聴史上過去最大の音圧

イギリス人はバカが多いのか、途中でチュッとキスしたりペットボトルをシュパッと開けて飲んでいる奴がいます。

3楽章

サイモンラトルの楽器配置の功もあると思うが、ロンドンシンフォニーオーケストラの音は指揮者、楽団が作っていると言うよりもこのホールの功績なのではないだろうか?

弦楽器はストラリバリウスに特有な心地よい唸りを出しているものが多い、バイオリンでもチェロでもそうである。ホールの音響がいいので余計にそう聴こえるのかもしれない。

演奏が終わって

拍手がいつまでも続いていましたが、アンコールはありません。それが本当なのでしょう、大曲のあとに小曲などは聞きたくありませんし、ラフマニノフにも失礼です。

最後に

以上、とっても良い演奏、最高のホールでした。この演奏だけはわざわざロンドンに聴きに行った甲斐があるというものでした。

この扇型形状のホールは席に届く音圧が大きく、帯域バランスも低域がしっかりとした重量感ある音で、ティンパニが大太鼓の様に力強く、チェロがコントラバスの様に聞こえるほど重心が下がっていました。さらに弦楽器の音色もピカイチで言うことありません。素晴らしいホールでした(観客はペケですが)。

今回ロンドンに来たのは持っているクラッシックのCDで音質の良いものがロンドンフィルが多かったからなのですが、それは本拠地のホールの音響が良かったからなのでした。

 

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