WIison Audioを聴いてみて
最近Wilson Audio のSASHAという機種を聴く機会がありました。聴いた感想ですが低域が分厚くしかも低温でも音階を正確に刻むという、これまで他のSPでは聞いたことが無い音質でした。その結果オーケストラではごく普通の曲でも、聴き惚れていられるくらい良かったのです。最も聴いた場所は部屋に音響処理がされていて、普通の部屋で聞くよりももずっとよく聞こえるのですが、それを差っ引いても魅力的な音でした。高域もぎらぎらとせず、しっかりと細かいニュアンスまで再現され全体の帯域バランスも素晴らしいものでした。
導入したのはSabrina
その後いろいろ検討したのですが、結果として一つ下のモデルSabrinaを導入しました。聴いたSASHAはウーハー2本で高域が別箱の構成ですが、Sabrinaは20cmウーハーが一本で、一体型キャビネットになります。現行モデルはSabrina Xですが、導入したのはひとつ前のただのSabrinaというモデルになります。
困ったのは国内でこの辺のモデルに関する試聴記事がほとんどないことで、最終的には海外のレビューを参考にして導入を決めました。
ほんとうは実際に聴いたSASHAを導入できればよかったのですが、買えたとしても重量が100kg位あります。当社には男手は一人しかなく展示会に持っていくのは不可能です。当社の場合個人で楽しむという観点から機種を選択するのではなく、展示会でどう活かすかということも考慮しなければいけません。その点Sabrinaは42kgで、しかも段ボール梱包、何とか一人でも運べますので展示会でも活用できそうです。
導入したSabrinaの音
そして今回Sabrinaを導入した第一印象ですが、ちょっと問題がありました。最近事務所のレイアウトを変えたせいで、かなり定在波の影響を受ける配置になっていました。B&’W804D3ではそれほどでもなかったのですが、Sabrinaでは低域が出過ぎてとても聴ける状態ではありませんでした。40Hzあたりがボワンボワンと盛大になって、中高域にかぶります。804D3ではそのような現象はなく、むしろ中高域がうるさいくらいで反対ですので、これはSPのせいか・・・導入は失敗だったのか・・・。
特性を計ってみると
そして試しに周波数特性を計ってみると驚きの結果となりました。
試聴位置2.7mのところで計測すると聞いた通りで、低音域が古墳の様に盛り上がりまくりです。40Hzでは12dB(16倍の音量)位上昇しておりこれでは聴ける音ではないのも納得です。「これ低音出過ぎじゃね」と思いながらも試しにSP近傍で測定してみました。
これがもう再度びっくりで、ほぼ完全にフラット、これほど平坦な周波数特性は見たことがないくらいです(普通の部屋で測定したには)。要するにSabrinaが悪かったのではなく、部屋の特性(特に定在波効果)がひどかっただけなのです。
この定在波による悪影響を除くには50Hz 近辺を吸収するしかありません。ところが市販の吸音体はこの辺の周波数に効くものがありません。以前にギザギザしたコーナー用ウレタン吸音体を試したことがありますが、低音には(というか全体域で)全く効果がありませんでした。
いろいろ調べてみると海外には100Hz以下を吸音する吸音体が市販されている様ですが、日本には発送できない様です(大きいので)。仕方がないので作ることにしました。この効果やいかに。長くなりましたので結果は次回にお話ししたいと思います。
こんなことをしていてラズパイミュージックサーバーの方が若干遅れていましたが、もうほとんど仕様も固まっていますのでもうすぐ、出ます(お蕎麦屋?)。