クラッシックのCDは何故売れないのか? -それはxxが悪いからです- (その2)

クラシックのCDが何故売れないかという内容で書き出しましたが、ほとんど前振りくらいの所で終わってしまったので、ここから大事(と本人は思っていること)を書いてみたいと思います。

クラシックで特にオーケストラの録音の質が一般的には悪く、それには工学的な理由があることを前のブログで説明しました。ここではさらに一歩進めて、

・どうしたらオーケストラの録音の音質をよく出来るか?
・本当は何が問題なのか(音質ではなくもっと大事な事が・・・・)

について、書いてみたいと思います。
オーケストラをCDはに録音すると音質が必然的に悪くなると前のブログで言いました。それではビット数を上げて録音してCDは以外のメディアで24bitを再生すれば音質が良くなるのでは?と考えるのは順当だと思います。ただ24bitにしたところで、あるいはSACD等を使用しても大して音質は向上しないと思います。なぜかというとすでに16bit以下の所あたりはほとんどノイズになっていると思いますので。丁度昔のカセットの録音で録音レベルを下げ過ぎてしまった様な音ですね。(昔のカセットはピークでVUメータの赤レベルに時々入るくらいにしないとバランスのとれた音にならなかった)。

今のオーケストラの録音はほとんどが楽器から離れた所に設置したマイクで収録した音が主で、その録音方法だと録音システムを改善してもどうにもならないと思います。まあオーケストラの楽器全体の音量バランスを考えるとある程度マイク位置を離さなければいけないので簡単ではないと思いますが。

それではどうしたらオーケストラの録音音質をよく出来るかといえばマルチトラック録音の様にそれぞれの楽器に個別にマイクを設置して録音することです。音量調節は最終的にはミキサーでやることになります。実際にそういった事をやったCD(の分野)があります。それは映画音楽のサウンドトラックCDです。例えばこれ

タイタニック
Titanic: Music from the Motion Picture (1997)
James Horner
B0000029YC

このCDは音質がよく、聞いていて気持ちいいのでハイエンドショーなんかでもよくかかっています。映画音楽の場合劇場で観客に音を聴かせて「オー迫力ある音だ」と思わせなければいけないので(実際は映像の引き立て役かもしれませんが)、自然といい音に発達していくメカニズムがあったのだと思います。各楽器の音をかなりONマイク(楽器にマイクを近づいた状態の収録)で録っていると思います。イコライジングもしているかもしれませんし、その録音レベルはいわゆる交響曲的なものではなく、ポップス、ロックとった感じの、どうだどうだと各楽器が主張する感じでクラシックのファンの方は好みではないかもしれませんが。
映画のサウンドトラックといっても全部が音質がいいわけではなく、私が探した範囲では音質が良いのはタイタニックとグラディエーターくらいでした。それと映画音楽の困るところはもともとストーリーにそって曲が創られているので、途中で勝手に相当盛り上がってしまうことで、タイタニックの船が沈んでいくところとか日常何度も聴いてみたいものではありません。

クラシックの普通の交響曲の録音がタイタニックの様なバランスでできたら、再生した音質も良くなると思いますし、再生音を偶然聴いた人も「お、これいいな」と思って購入する人も増えると思います。タイタニックなんてデモ用の曲として皆さん使用(購入)しているくらいですから。
録音の際は別にオーケストラ全員が一度に演奏しなくても各パート(楽器)ごとの録音でもいいですから、各パートの音質は良い状態で録音してもらいたいと思います。
演奏の音量(あるいは仕上がったCDはの音量)なんかも通常のコンサートの音量と異なってくると思います。ダイナミックレンジ的に静かな音のレベルを上げて、常時ある程度の音量が出るような感じになります。そうするとクラシックではないという方もいらっしゃるかもしれませんが、ここで理想としているのは本来の音楽ということではなく、聴いていい音だと私が思う音なので、クラシックの話はどうでもいいのです。

最後のミキシング後の音質の評価もクラシック的なところから離れて、ステレオで再生した音の良し悪し(一般の人がどう思うか)、あるいはもっと貧弱なipodレベルで再生した時にどう思われるかという観点で仕上げてほしいのです(演奏方法、演奏の音量も含めて)。

今のクラシックCDは指揮者の指揮ぶりがどうたれこうたれ、演奏がどうたれこうたれといったことが主題になっていると思いますが、これだとクラシック関係者しか購入の対称にならないので必然的にCDはは売れないと思います。

ところでオーディオデザインのホームページはこちらです。

クラッシックのCDは何故売れないのか? -それはxxが悪いからです- (その2)」への2件のフィードバック

  1. 映画のサウンドトラックは音楽鑑賞用というより、その映画が好きな方が購入されて、その後飽きれば売られてしまうので余計に安くなるのでしょうね。
    是非グラディエーターの感想も聞かせて下さい。
    今後ともよろしくお願いいたします。

  2. グラディエーターのサントラも良さそうですね。今度探してみます。
    タイタニックのサントラ盤はたしかに音が良いですね。
    誰に向けて録音しているのか謎なCDが多い中、良い意味で「一般受けする音づくり」になっているCDだと思います。
    #これがブックオフで105円とか250円で売られているんだから良い世の中です
    クラシックとは正反対なのかもしれませんが、映画AKIRAの音楽を手掛けた芸能山城組の"AKIRA"はいま聴いても質感、スピード感、音づくりがすごいなと思います。

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