ヨーロッパのコンサートホールで音楽を聴く(2) -ベルリン・フィルハーモニーコンサートホール-

ヨーロッパのコンサートホールで音楽を聴くの第2弾はベルリンフィルハーモニーコンサートホールです。プラハに滞在していましたがこのホールの音を聞きたかったので特急で片道5時間の道のりを移動して、コンサートの日はベルリンに泊まりました。

<日時・場所・曲目>
6/29(金)ベルリンフィルハーモニーコンサートホール
演奏:komische oper berlin
指揮:PatrickLange
曲目
ジマーマン
メンデルスゾーン/バイオリン協奏曲op.64
ストラビンスキー春の祭典
チケット代:30ユーロ(約3000円)
シート:2列目(最前列の真ん中辺)

ホールを外から見る
中はこんな感じ、中が複雑なだけに、入り口もかなり複雑な構造

<ホールの感想>
このホール実際に見てみると結構古い感じがします。(写真HPではすごくきれいなんですけどね)。コンサートの値段は30ユーロ(3000円)で円高を考慮しても相当安い。ベルリンは日本と同じく物価が高いのに、それでこの値段てどうなっているんでしょうか。

コンサートホールには4、50本のマイクがあらかじめつるされていて、おそらく必要な際は新たなマイクセッティングなしに録音(集音)できるようになっていました。
座った席は最前列の中央ふきんでした。ホールの性格を知るにはもう少し後ろの方がよかったかもしれません。
席数は後ろや横にも結構な数の席があります。当日は金曜の夜ということもあってか8割方入っていました。
サントリーホールはこのホールを真似たという話をきいたのですがこのホールはサントリーホールよりもミューザ川崎の方が構造的には似ていると思います。

<曲目とその感想>
ジマーマン、変な曲映画の効果音のような音でわざわざオーケストラでやる必要もないんじゃないいかと思えるような曲。

2曲目がメンデルスゾーンのバイオリン協奏曲でだれでも聞けば「あ、これきいたことある」といわれそうな有名な曲でした。ここのホールの音はエッジのきいたはっきりとした音でどちらかと言うと無機質な感じの音になります。弦楽器の柔らかさ滑らかさ豊かさみたいなものはほとんどきこえてきません。席で聞こえる音量は結構大きいとは思いますがスメタナホールよりもやや小さい音になります(といってもサントリーホールよりも大きい音ですが)。座席位置のせいもあると思うのですが残響音は全く聞こえません。
木管楽器の音は弱くて存在感がありません。
ただこのホール太鼓の音が何故かズシーンと響くすごく迫力ある音になります。
それとピチカートの音が弱いです。スメタナホールではズンズンと胴体に共鳴していた音がここではツンツンと糸をはじいているような音とになってしまいます。

それとこのホールではメンデルスゾーンの曲での拍手喝采のあとアンコール曲(バイオリンのソロ)を演奏していました。

春の祭典は演奏者が増えて70人くらいいたのではと思います。音量はそれなりに取れますが、でもなんか迫力ある音ではなかったですね。ただ高音が大きいみたいな・・・。

ドイツはルールのうるさい国ですが、演奏中に結構咳をする人が多くかなり耳障りでした。また服装もプラハよりもラフな感じの人も2割りくらいいました。

<このホールの総評>
このホールは低音と高音のバランスが悪いです。低音がよく聞こえないので、快感につながる迫力が出ないのです。弦の音もややキツメの感じで心地よい音という方向ではありません(といより普通かな?)。吹奏楽器やピチカートも弱いです。中の構造は相当に力の入った斬新なアイデアではありますが、音響的な結果は残念なものになっていると思います。「ナイストライ」といったところでしょうか。

ステージはこんな感じです
後ろも結構複雑に切り込んでいる構造
ステージ横を撮るとこんな感じ
ステージの天井の様子、拡散板が吊るしてある、低音には効果がないでしょう

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