モントリオールオーケストラがよかった

正直な話、日本でクラシックのコンサートに行ってもほとんど感動しない事が多く、最近は大規模なクラッシックのコンサートには年に1,2回しか行かなくなった。
(あまり書くとクラシックの関係者?と思われる方からたくさん批判が来るので詳細は述べませんが・・・)

ある人から、それはオーケストラが悪いからで、いいオーケストラを聴けば全く違うよ、と教えてもらったのが「モントリオールオーケストラ」です。指揮者はケント・ナガノさんです(日本人かと思ったらそうではありませんでした)。

私は特にクラッシック関係のプロ、ファンというわけではないので、正直全く知りませんでしたが、相当な人気なようです。

10/8(金)に池袋の東京芸術劇場でケント・ナガノさん指揮モントリオール交響楽団のコンサートがあったのでチケットを購入しました。

3ヶ月前だというのにチケットはほぼ完売していて、そのお値段が18000円でした。オペラなどを除けばオーケストラとしてかなり高い部類だと思います。それが即完売なのですから人気の程がしれます。

当日のメインの曲目はムソルグスキーの展覧会の絵でした。

東京芸術劇場は最近、改装をしてから音がグッと良くなりました。弦の響きが柔らかい東京では随一のホールになったと思っています。席はやや後ろの右壁より(これしか取れなかった)で、席の位置は必ずしも良くないかもしれません。

聴いてきた感想としては
指揮者、演奏者の方のいい音、いい演奏を聴かせようという意欲が凄く感じられ、また実際に出ている音の音質も良く、演奏もよく、音楽にも演奏にも感動させられました。
もう少し具体的にいうと
・開演前に全員が、自分の練習したい所を一心不乱に弾いている。当然観客席にも大きな音が聞こえてくるのですが、各人が譜面の全く別の場所を勝手に弾いているわけですから、トータルには音楽には聴こえないのですが、本番で少しでもいい演奏をしようと直前まで必死に練習しているところに心を打たれます。
・演奏が始まって出てきた音は各パートの楽器の音そのものが綺麗です。もちろん
バイオリンからはバイオリンの音、がするのですが音色が澄んでいて柔らかい音色です。ハープの様な楽器もありましたが、形が少し変わっていて、音色が通常のハープのものよりも綺麗でした。全パートそんな感じなのです。
・演奏は指揮者が明確に各パートに指示(指揮者だから当然?)を出して、演奏者がそれに答えている様子が私にもわかりました。これまでよく聴いたことのある普通の演奏はただ弾いいているというか、譜面通りに弾くのが精一杯という感じでしたが、モントリオール楽団は各パートを演じているという感じです。
・ソロのパートがのびのび主張するように演奏している(させている)。通常ソロのパートは他の奏者が休んで一人で吹くという感じですが、ここのソロは自由にのびのび吹き(弾き)なさいという指示に明確に答えているというか、劇で演じている様な音を出します。
・繰り返しになりますが、出てくる全体の音は音量も十分大きく迫力があり、しかも嫌な音が全く混じらないきれいな音色で、他の交響楽団の出す音とは明確に異なります。演奏はメリハリがあり、音楽を奏でているというより、劇を観ているといったほうがいいかもしれません。
・演奏と直接関係ありませんが、観客も通なクラッシックファンのみといった感じの人が多かったように感じました。

余談ですが、アンコール曲はなんと「ラベルのボレロ」でした。
この曲は大曲でアンコールで演奏するような曲ではないと思いますが、日本ではしつこくアンコールを要求する迷惑な(と私は思っている)風習があるのでこれを弾いて、もう終わりですよというメッセージだったのかもしれません。ボレロは他の日程で演奏する曲目でもあったので、準備は十分だったでしょうし、その練習にもなるのでちょうどいいのかもしれません。

というより、演目は展覧会の絵とボレロだけれど、一方を演目に載せないでアンコールでやれば余計なアンコールをしなくて済むと考えたのかもしれません。だとしたら、すごい策士だということになりますし、これは一般的に使えるうまい対策ですね。

演奏・音質がよかったので、その会場でモントリオールオーケストラのCDを3枚買ってきました。残念なことにCDの音質は中の下くらいの出来で、このオーケストラの良さが全く出ていませんでした(3枚も定価で買ったのにトホホ)。

レコード
これに触発されてこの間、良い録音のクラシックのレコードが聞きたくなって中古屋さんで買ってきた一枚がこちら

ムソルグスキー:組曲《展覧会の絵》/交響詩≪はげ山の一夜≫ チャイコフスキー:大序曲≪1812年≫/スラヴ行進曲

見るとこの展覧会の絵はなんとモントリオールオーケストラでした(指揮はシャルルデュトアさんですが)。
(もともと有名だったのね)

このレコードは中古屋さんの高音質レコード(重量盤で製作過程にも凝っている)というコーナーで買ったのですが、約2500円とほぼ発売当時の価格がついていました。
このレコードの音質はというと、録音、レコードの音質自体はかなりいいほうだと思いますが、残念ながらこの中古品の質が悪く、常時パチパチいう音が混じっていました。おそらくホコリがかなり付いた状態で何度もトレースしたのだと思います。盤面は一見綺麗で、そういう状態かどうかはぱっと見判断できません。

レコードはこれがあるから大変です。いい状態のレコードを手に入れるまで、2,3枚買う必要があるとすると、さらに高価で贅沢な趣味になってしまいます。

レコード収集をめげずに続けるか、しばらくやめるか・・・・・・・・・・・、

とりあえず放置で。

 

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