最近、ハイレゾ対応のポータブル・デジタル音楽プレーヤー(DAP)を購入してみました。当初、バランス駆動でデジタル出力も出るものを買おうと思ったのですが、現物をみると大きいのと、バッテリーが1日しか持たないそうなので、気持ちが萎えて、結局3万円くらいの安価でバランス対応なし、デジタル出力無しのベーシックなものをかってみました。
ハイレゾを再生してみると、何の問題もなく192Hz,24bitやDSD音源を再生できて、非常に良く出来ている。特性をちょっと調べて見ると(これは私の癖)、面白かったので紹介します。
購入したプレーヤーはこれ、プレーヤーとしては良く出来ていて、唯一難点をあげればアルバムの写真をタグ付けするソフトが無いことくらいです(PCソフトが無い)。音質は悪く無いと思います。特に刺激的というわけではなく、また物足りないというわけでもなく、普通に良く出来ています。
ただ、ハイレゾ音源を再生してみるとなんだか大変なことになっている様です。
これが通常のCD音源再生時の信号波形のスペクトルです。これは何の問題ないのです。
(ポータブルプレーヤーはスペアナ50Ωを充分駆動できるので、スペアナにそのまま直結して測定しています)
ところが、ハイレゾ音源を再生すると(96Khzでも192Khzでも)ものすごい高周波ノイズを発生しています。その高周波ノイズの周波数帯はMHz帯です。
加えて時々発振しているようで、発振波形の振幅は信号波形の振幅よりも大きいくらいです。(トーンバースト波形の様に時々出ているのが発振波形です)
やはり小さい筐体に機能を盛り込んでいるので、いろいろなことが起きているようです。この辺の対策を施したら良くなるんでしょうか?ということで、逆にいろいろと興味が湧いてきました。それに、デジタル出力やバランス駆動に改造してみるのもいいかなと、思っています。
またこのポータブルプレーヤーだけが多量の高周波ノイズを出しているわけではなく、ほとんどの機種で似たような状況になっているのではないかと考えています。
そういえば、弊社のポタアンPEHA-100はノイズのまったく無いアナログアンプですが、展示会などで聴いてもらっていると、まれにノイズが出ているという人がいました。各自のデジタル音源+DACなどを接続するので、凄い高周波ノイズが出ている場合にアナログアンプを通して可聴帯域にノイズが降りてきているのではないかと思います。これだけ、あるいはこれ以上にRFノイズが出ているとそういうことが起きても不思議はありません。
ということで、ハイレゾにすると高周波ノイズがつゆだくで(ごはんの量よりつゆが多いくらいに)付いてきますというお話でした。