スピーカーの40万の法則について  -気ーづいちゃったよ-

40万の法則とは

オーディオ装置、特にスピーカーについて再生帯域の上限と下限の積が40万だとバランスが良いという法則がありました。最初に知ったのは確か、ラジオ技術誌かなんかだと思います(元々、同誌に記事を書かれていた池田圭先生が発見されたそうです)。これは、それまでオーディオ再生装置の銘機を調べてみると、何故か低域と高域の再生限界の積が40万になっているというものでした。例えば20-20kHz、40-10kHz、100-4kHzが40万積に該当します。
これを聞いた時は、確かに経験的にはその通りだと思いましたが、何故そうなるのかは皆目見当が付きませんでした。

オリジナルのデータはこちらにあります

40万積の法則の原図らしきものがこちらのブログに掲載されていました。

再生周波数帯域が狭くても、結構心地よく鳴る装置というのがあります。例えば表現が古くて申し訳ないのですが、よく出来たラジカセとか。ミニコンポでも10kHzで(自然と)切れている方が(超低域が出ないので)バランスよく聴こえたりしたことがあります(結果的に40万積に近くなっている)。

4040万積の法則の解釈

昔は、経験則としては最もだと思っていたのですが、最近ふと気つきました(気ーづいちゃった気ーづいちゃったって言うギャグの人は最近どうしているのだろう)。要するにこれは帯域バランスが良いということではないかと。

 

40_2周波数を横軸として可聴帯域を表現するとこうなります。エイヤで真ん中(約630Hz=√40万)で区切ってそれより上を高域、下を低域とします。低域の量と高域の量はそれぞれの面積になるので、低音限界が20Hzで高音限界が20kHzだと丁度両者の面積は同じになって、高音と低音の量感が同じになります。つまり帯域のバランスが取れているのです。

つまり再生帯域の積が40万になっている状態は、言い換えると帯域幅の中心が、可聴帯域中心の630Hzに一致している状態です。結果的に高域と低域の量感のバランスがおなじになるのです。

40_3たとえば低音域が40Hzしか再生できなくて、高域も10kHzまでしか再生できない場合も、両者の量感は同じになって帯域のバランスが整っていることになります。80Hzと5kHzの組み合わせでもおなじです。この低音と高音の量感が整っている(同じ)というのは、数学的に表現すると再生帯域が40万積になっていると言うことが出来ます。

40_4逆に40万積の法則を満たしていない場合は、低音域が切れているのに、高音だけ伸びていると高音域の量感がまさって、バランスよく聞こえないのです。この時は40万積の法則が崩れています(もっと大きな数字になる)。

40万積の法則と言うので、その原理(理由)がわかりにくかったのですが、実は帯域バランスが優れているということの数学的表現だったのではないかと思います。

(もちろん池田先生は経験則として導かれたのだと思いますが)

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