CDプレーヤー(DAC)の本当の実力 -オーディオ30年における悲しい現実-

これまでジッターなどに関連していくつか説明してきましたが、それではCDプレーヤー(あるいはDAC)の音質を決める主要因は何でしょうか?

その質問に私なりに正直にお答えすると、DACチップ以降のアナログ部の性能特に高周波ノイズというか発振の有無なのです。もちろんジッターも影響しますし、ジッター性能がを極端に良くなるとかなり音質も向上するのですが、高周波ノイズの方が全体の音質を決める上で支配的で、これで全体の音質の半分くらい(あるいはもっと)は決まってしまうと思っています。

高周波ノイズって具体的に何?そんなのあるのか?と思われるでしょうが、実はほとんどのCDP(CDプレーヤー)であるのです。

ここで極端に高周波ノイズ(というか発振波形)が多いCDPの出力波形を見てみましょう

これはあるCDプレーヤーの1KHzの-15dB(最大出力の約1/5)の信号波形です。

よくわかりませんか?
それでは綺麗にした波形を出してみましょう。

ぜんぜん違う事がお分かりいただけると思います。

上の波形が無処理(CDP出力そのもの)下がCDPの出力の後にLPF(ローパスフィルター)を通した波形です。上の波形はかなり線がゲジゲジしている事がわかると思います。これはなぜかというと余計な高周波成分が重畳しているからです。これは極端な例ですが、多かれ少なかれ高額なCDPでも同様の現象が見られます。つまり高周波ノイズにまみれているのです。

今日のところはこんなところで。
以後こんな事を書いていきます。
・勝手にCDPランキング
・雑誌などの測定で出ない理由、
・発見されにくい理由
・今でも無くならない理由
・高周波が可聴帯域に影響するのか
・本当にCDPのノイズか?
・これがないと音質が良くなるのか?

CDプレーヤー(DAC)の本当の実力 -オーディオ30年における悲しい現実-」への2件のフィードバック

  1. そうなんです、今でもたいして進歩してないんです。それには(進歩しない)明確な理由があると考えていますので、その辺も含めておいおい紹介していきます。

  2. いつも興味深く拝見しております。もう四半世紀も前にできたCDプレーヤーと、それに付随するDAコンバーターに、昔ならいざしらず、今でも高周波の問題があったとは驚きです。巷のCDプレーヤーでは、音質を電気的に改善できないという理由で、特にトランスポート部分に物量を投入し、結果超高価格となったプレーヤーが多いと感じます。巨大なクランパーでディスクを押し付けるもの。ピックアップを固定してスピンドルを動かすもの。同じくDAコンバーターも金属のカタマリの筐体で、DAのチップが重要、アナログ出力段が重要、クロックが重要、電源が重要といろいろと言われています。16bit 44.1kHzのCDの規格を読み取って、DA変換してアナログ出力するだけなのにも関わらず、未だ完全に問題を解決した機種が出て来ないのが不思議で仕方がありません。

コメントを残す