アンプの使用部品の特性(抵抗編)

はじめに

アンプの音質を左右する要因の一つとして使用するパーツがあげられます。ここでは使用される抵抗の特性についてお話します。

抵抗のインピーダンス特性について

オーディオアンプに使用する抵抗に要求される特性として
・ 周波数依存性がないこと(高周波領域においても)
・ 高調波歪が少ないこと
が挙げられるかと思います。ここでは高周波領域の抵抗値(インピーダンス特性)について調べた結果をお話します。

測定方法

抵抗のインピーダンス測定には自社製のインピーダンスアナライザーを使用しました。DDS発振器と2CHのログアンプから構成され、発振器の周波数をPCで制御します。ログアンプはACの実効値の対数をとりDCとして出力します。出力されたDC値をDAコンバーターを経てPCに取り込みます。キャパシタンスの測定には発振器出力を既知の抵抗(51Ω)を通じて抵抗に印加し、基準抵抗と被測定抵抗の電圧を比較してインピーダンスを求めます。1KHzから70MHZまでのインピーダンス特性を測定することができます。測定下限は0.1Ωで、1MHZ以上では測定系の自己インダクタンスのために測定下限も上昇します。また測定上限は約1KΩで高域ではさらに低下します。これは測定系の入力インピーダンスが約1KΩと低いためです。さらに注意することは測定の際基準抵抗(金属被膜抵抗)を基準にしたインピーダンス特性ですので、あくまで相対値として考えてください。厳密にはネットワークアナライザーなどを使用してインピーダンス特性を測定すべきです。(本結果と異なる測定データをお持ちの方はご教授いただけると助かります)

抵抗のインピーダンス特性

次の図は各種抵抗のインピーダンス特性を測定した結果です。抵抗ですので周波数に依存せずインピーダンスが一定である事が理想です。抵抗の場合は巻き線系の抵抗(ホーロー、セメント)を除いてほとんど理想特性に近く、高周波領域においても問題なく使用できます。10MHz以上で金属箔抵抗がフラットなのに対し他の抵抗では若干抵抗値が下がっていますが、有意差かどうかは微妙なところです。巻き線抵抗は案の定、高周波領域でインピーダンスが上昇していますが、1MHz位まではインピーダンスの上昇がないので、峡帯域設計のアンプには問題なく使用できるでしょう(使用する必然性はないのですが)。サーミスタもまったく平坦で温度補償素子ではありますが、その優秀さは抵抗と同格です。恥ずかしながら、良く売られている角型のセメント抵抗が巻き線型であることをこの測定をするまで知りませんでした。(セメント抵抗の中には金属箔抵抗のものもあるようですが)。

低抵抗のインピーダンス特性

さらにもう一枚グラフをお見せします。このグラフはパワーアンプの出力段のエミッタ抵抗等に用いられる低抵抗のインピーダンス特性を測定したものです。一つは汎用的に用いられる角型セメント抵抗、もう一つは金属箔タイプの抵抗です。アンプの教科書にはセメント抵抗は高周波特性が10倍くらい悪いので使用しない様にとの記述がありましたが、実際にはそこまでは違わないようです。セメント抵抗(巻き線抵抗)のわりに高周波特性が他のタイプとさほど変わらないのは、抵抗値が小さいために巻き数が少ないためと思われます。
(2007/01/24)

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