現行スピーカーシステムの紹介 -マグナットQuantum908-

現在、メインに使用しているのはマグナット社のフラッグシップQuantum908である。このSPのいいところは、非常にまじめに作られているにもかかわらず、有名ではないので(人気が無いので)、結果的にとってもお手ごろ価格で入手できることである。 まずお店に無いので目に留まらないし、あることがわかっても、情報が少ないので怖くて通常は購入できないと思う。ということはリスクをとる反面、ものがよければ結果的に大変お買い得になる。

この製品、別に宣伝をするつもりは無いが、実はとっても技術的に魅力的である。また数少ない購入者の声をネットで聞くと、悪くないのである。

同じSPではないがたとえばこれ(マグナットSP使用者の声)、というよりこれしか見つからなかった。

ということで購入したが、やはり一言で言うと非常にいいものでした。

スペック的に解説すると、内部構造はこうなっている。

同じユニットを使用しているが下3本が低音用で、上の2本がミッドレンジ、ツイーターはソフトドームでなんと75KHzまで再生するという。

低音と中高音部は内部で仕切られていて、中音部にもバスレフポートらしきものが着いているが、ここはスポンジでダンプされているのでただの空気抜きだと思う。

左右方向にもキャビネット板に傾きがあり、定在波を防止する構造だ。
ウーハーユニット ウーハーはアルミコーンという事だが、アルミというよりは実際にちょっと触った感じが発砲アルミという感じでやわらかめに感じる。写真を見るとフレームもしっかりしているし、放熱効果もよさそうで、耐入力が大きいことを自慢しているだけの事はある。

これはドイツのオーディオ雑誌「stereoplay」で見つけた908のテスト記事に出ていた周波数特性だが(ちゃんと特性を測定トしているところがえらい)、ほぼフラットで非常良くできている。低音もバスレフのピーク周波数は35Hzでほぼ30Hzまではフラットに出ている。無響室でこれだから、実際の部屋ではもっと出るはずである。

このスピーカ床面面積は小さいが、実際には高さもあるので、見た感じ大型SPの様に感じる。 キャビネットもそこそこがっしりできている。
音質はどうかといえばローエンドまでスーと伸びていて、どんなに良くできた小型スピーカでも出せないスケールの大きな音がする。アンプできちんと制動してやれば低音の締まりも申し分ない。高音はB&Wの様などぎつさは無く、ぎらぎら度は普通である。高音域の張り出しも比較的あるほうで、おとなしすぎるという分けでもない、バランス的には中庸な音だと思う。特の目立つ帯域があったり、特徴ある音色がするのではなく、他のオーディオ装置の特徴を素直に出すSPだと思う。

人気が無いので(誰も知らないので)リセールバリューは無いが、自分で使用する分には良いSPである。定価(もしくは多少の値引き)であれば特にお勧めはしないが、超特価であれば買って損はないSPだと思う。

断っておくが、いつも安く売っているわけではなく、モデルチェンジ時の特売品として、日本の取り扱い代理店から新品を購入した。
【仕様】●方式:3ウェイ バスレフタイプ(170mmウーファー×3、170mmミッド×2、25mmトゥイーター) ●許容入力:320W(定格)、560 W(最大) ●周波数特性:18-75KHz●クロスオーバー周波数: 250、3500Hz ●インピーダンス:4-8Ω ●出力音圧レベル:91dB(1W/1m) ●防磁:低磁束漏えい型 ●外形寸法:237W×1330H×400Dmm (2008/08/27)