はじめに
PCオーディオやネットワークオーディオに興味を持ち始めたばかりの初心者の方を対象に、その導入メリットと再生方式の歴史、特徴を解説します。
従来のオーディオ雑誌やネット記事では分かりにくい点を、できるだけ分かりやすく説明していきます。
PC・ネットオーディオ導入のメリット
PCオーディオやネットワークオーディオを導入する最大のメリットは、何と言ってもその「便利さ」にあります。
・操作の簡易化:CDプレイヤーのように、曲を飛ばすことは簡単でもCDの入れ替えが面倒という問題を解消します。ネット環境に移行することで、ジャンル別にまとめたり、プレイリストを作成したり、操作が格段に簡単になります。
・音楽の幅が広がる:音楽配信サービスを組み合わせることで、YouTubeのようにレコメンド機能が働き、新しい音楽やアーティストに出会いやすくなります。また、サブスクリプション(定額制)サービスを利用すれば、効率よく多くの音楽を楽しむことができます。
・音質の向上: 従来のCDプレイヤーと比較して、クロックの精度が高まる(ジッターが少なくなる)ため、音質面での改善も見込めます。特に、マニアの間では音質を追求するための様々な設定や機器の導入が行われています。
PC・ネットオーディオの歴史と再生方式の推移
PCオーディオとネットワークオーディオは、CDプレイヤーからより高音質・高機能を目指して発展してきました。
CDプレイヤー + 外部DAコンバーター
CDの音源はデジタル(0と1の数値)であり、スピーカーから音を出すためにはアナログ信号に変換する必要があります。この変換を行うのがDAコンバーターです。
ハイエンドなオーディオ機器では、CDプレイヤー内蔵のDACよりも、単体で高性能な外部DAコンバーターを接続し、音質を向上させるのが最初のステップでした。
PCオーディオ(PCに取り込んで再生)
CDのデータをPCのハードディスクやNAS(Network Attached Storage)に取り込み、PCから外部DAコンバーターへ出力して再生する方式です。
音質的な優位性(非同期転送):CDプレイヤーからの信号と異なり、PCが正確なクロック(計算周期)を発生させ、それに合わせてデータを送るため、時間的なずれ(ジッター)が少なくなり、音質が向上します。
ハイレゾ音源への対応:CDのサンプリング周波数(音を記録する細かさ)は44kHzですが、PCオーディオでは、それよりも遥かに細かい96kHzや192kHzのハイレゾ音源を再生することが可能となり、より原音に近い再生が実現します。
ネットワークオーディオ(遠隔操作とLANの活用)
PCオーディオの課題:PCとDAコンバーターを接続するUSBケーブルの長さが物理的に5m程度に制限されるため、離れた視聴位置にPCを置くことが難しいという問題がありました。
ネットワークオーディオの登場:USBケーブルよりも長く配線が可能なLANケーブル(ローカルエリアネットワーク)を活用することで、PCやNASを別の場所に置き、LANを介して音楽信号を伝送する方式が主流になりました。
操作性:視聴位置からタブレットやスマートフォンなどで、PC(サーバー)内の音楽再生を遠隔操作できるのが特徴です。
主流の音楽再生ソフトウェア
ネットワークオーディオ環境で、音楽の管理・再生を遠隔操作するために、専用の再生ソフトが開発されています。
| ソフトウェア名 | 対応OS/機器 | 特徴 |
|---|---|---|
| Roon(ルーン) | Windowsなど | 高機能で音質評価が高い有料ソフト。買い切りで約15万円、または月額課金制。 |
| Volumio(ボリューミオ) | Linux/Raspberry Pi | イタリア発のOS一体型ソフト。安価なRaspberry Pi(ワンボードコンピューター)で使用可能。フリー版もあり。一部日本語の文字化けが発生する可能性あり。 |
これらのソフトは、高音質ストリーミングサービスであるTidal(タイダル)への対応も進んでいます(Tidalは日本では公式リリースされていませんが、VPN経由でアカウントを作成し利用しているマニアも多い)。
最終的に、PCオーディオやネットワークオーディオは、利便性の向上と音質の追求という二つの側面から進化し、より快適なオーディオライフを実現するための選択肢となっています。
(後編へ続く)
本コラムは右のYouTube動画をAIを利用して要約し、加筆・修正したものです。
詳細はYouTube動画もご参照ください。