パイオニアのstellanova/ステラノバがヒョンなことから(ほぼ)完璧に(思えば遠くに来たもんだ)

パイオニアのstellanova/ステラノバの製品を以前に紹介しました。これはハイレゾ音源のワイヤレス受信機?みたいなもので、手持ちのUSB-DACをワイヤレス化できるという優れものです。下手にUSBケーブルを伸ばすよりも音質的には良くて、価格も安く(2万円位)とても良い製品なのです。

もちろんハイレゾも圧縮せずにリアルタイムで送信・再生できます。

ただ、検討してみてどうしてもだめなことがありました。音がプツプツと時々途切れるのです。メーカーの説明書にはメモリーバッファのサイズを大きくしてみてとか、使用するWIFIのチャンネル(5GHz帯)を変えてみて、とかヒントがあったので試したのですが、どうしてもだめでした。

結局常用使用を諦めていたのですが、最近なんとなくうまくいくような予感がして(超一流のエンジニアにはこの霊感が大事)再度接続してみました。

音やっぱり途切れます、・・・やっぱり駄目か、と思ってなにげにステラノバの位置や向きを変えてみました、音の途切れは無くならないのですが変化がありました。もしやと思いステラノバをDACのケースから離して置いて見ました。そうするとなんと音の途切れがなくなりました。完璧です。

おそらく金属ケースの真上に直置きすると内蔵のアンテナから出た電波がすぐ下のシャーシで反射して、ゴーストのような電波となり、安定な通信ができなかったのだと思います。

ステラノバの安定性で悩んでいた際、WIFIルーターの設置方法のようなHOWTO本はいくつか読んだのですが、そういえば壁から離せとかアンテナの向きがどうだこうだと書いてありました。

いま振り返れば遠い道のりでした。

ステラノバを導入するためにマックは大嫌いだった私がipadを買い、それでもだめでMacbookAir(10万円)を買い、WIFIの本を数冊買い、WIFIの設定に十時間を費やし、さらに音切れ対策に数十時間を費やしてもだめだったのですが、ちょっと浮かせれば良かったなんて・・・。

空き箱の上に載せて浮かせたステラノバ

オーディオ(通信自体はオーディオではないが)とはこういうものかもしれません。

ここでやっとその勇姿をお見せします。これがその完璧に稼働中のステラノバ。

本当は15Vの付属DCアダプターで使用するのですが、当社のDCA-12Vで動いてます。

かっこえー。

 

翌日以降やっぱりまれに音が途切れます。1時間に1回(1-2秒)位の頻度で、まあ許容範囲かな。98点というところでしょう。

測定器AudioPrecision社製SYS-2722を導入しました

オーディオプレシジョン SYS-2722

測定器AudioPrecisionSYS-2722を導入しました。もちろん非常に高価なので中古です(中古でも相当高いのですが・・・・)。現在テスト中ですが基本的動作に問題はないようです。

1Khzの信号スペクトルを取るとこんな感じです。ベースラインは-140dBあたりになっています。今

まで使用していたローデ・シュワルツ(R/S)社のオーディオアナライザーUPL古い機種ですので、実質-120dBくらいでしたので一桁良くなっていると言えるかもしれません。

またSYS-2722の方は外付けの最新

のPCから制御しますので、その操作性は抜群に向上しています。UPLでは条件設定でいちいちメニューから潜って数値を打たなかったので、それに比べれば雲泥の差です。UPLではではデータのやり取りがフロッピーディスクで事実上できなかったのですが、その点もかなり違います。(UPLが内蔵しているパソコンのOSはwin95の様です。)

SYS-2722はご存知の通りジッターも測定できますので、今後はDAC周りの解析評価もしていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

オーディオアナライザ~でDAコンバータ~を調べてみました (やっべ~ぞ)

ローデシュワルツのオーディオアナライザーUPLを導入したことを以前お知らせしました。今日はその測定例を紹介します。

オーディオアナライザ~R&SのUPL

このオーディオアナライザーは相当古いものです。基本的にコンピューターで計測を制御していますが、OSが何しろWindows95の前のMS-DOSですから。それで安全か?ですって、まちがいなく安全で安心です。何しろLANもUSBもついていませんから。

その代わりデータの転送に偉い苦労します。付いている媒体はFDDフロッピーディスク、ただこれにデータ保存する手順がテキストコマンドをハッカーのようにバチバチ打たないといけないので、使い物になりません。マウスなんておしゃれなものも(オプションにはあるようだが)付いていません。

とは言えオーディオアナライザーとしての基本性能は極めて優秀で、今でも立派に通用します。これまで使用していたパナソニックのVP-7723Aよりも一桁下のTHDを測定できますし、何よりFFTによる解析機能に優れています。

測定結果は測定器の10インチぐらいのディスプレイに表示されるので、それで不便はないのですが、画像くらいは取り込みたい。やろうとするとこの様なフローになります。

外部モニター用のVGA出力はありますので、これを一度ビデオ信号に変換し、ビデオキャプチャーで今のPCに取り込めます。こう書くと簡単ですが、ここにたどり着くまでに相当の労力を費やしました。

それにこのオーディオアナライザーUPLにはデジタルの入出力もついているので、DAコンバーターの測定にも便利です。

今回はDAコンバーターの測定結果を紹介しましょう。

DAコンバーターDACFA0(PCM1704)のスペクトル  Fs=48kHz

下の画像はこの測定器UPLからSPDIF信号(Fs=48kHz)光で1kHzサイン波を出力して、弊社のDAコンバーターのアナログ出力を調べたものです。 0dB出力時にで約2V(6dBV)の出力が出ていて、THD+Nが0.006%であることがわかります。スペアナ波形(横軸の単位はkHzです)を見ると、THDの主成分は第2高調波であることがわかります。

ノイズも含めて0.006%というのは相当に優秀でカタログスペックの約2倍に収まっています。カタログスペックよりも悪いと思われるかもしれませんが、カタログデータはFs=768kHzで、しかもフィルターを入れ、かつ平均値を取っているようなので(カタログデータと言うものはそういうものです)、この実測データは相当いい感じです。

DAコンバーターDAC-FA0の歪分布

こちらはDAC-FA0の高調波歪み分布です。次数が高くなるに従って減少していっています。

次にもう少し新しいDACチップのTHDを見てみましょう。こちらは試作したUSB-DACで使用したESS社のES9018の特性です。THD+Nは0.0075%でPCM1704と同程度です。ただ、スペクトルを見てもらうとわかるように、高調波歪はほとんどなくむしろノイズの方が主成分に見えます。(ES9018の方がTHDがずっと小さく見えるのは縦軸のスケールが異なるからです)

ES9018のスペクトル、Fs=48kHz

 

ES9018の歪分布

こちらのTHD成分を見たのがこちらで、第2から第9高調波まで同程度に検出されています。ただノイズを除いた全THD成分は0.0013%と非常に小さい値です。ES9018は内部でノイズシェーピングをしているのですが、可聴帯域までノイズがおりてきているのでしょうか?

以上はFS=48kHzのデジタル信号を入力した時のデータですが、残念ながら測定器UPLでは48kHzが上限です(何しろ古いので)。

かわりにサンプルレートコンバーターで96-384kHzまでアップサンプリングして入力した結果がこちらになります。

ES9018/Fs=96kHz

ES9018/Fs=96kHz

ES9018/Fs=192kHz

 

ES9018/Fs=384kHz

サンプリングレートを上げると高調波歪が逆に増加していることがわかります。悪化したといっても0.001%レベルですから、悪化というより”見えすぎちゃって困るの~”という感じですが。

使用したサンプルレートコンバーター(SRC)はAK4137です(実はこのAK4137相当なくせ者です)。THDが悪化したのはDACチップのせいではなく、SRCの影響である可能性もあります。SRCを使う限りTHDの特性上はメリットが無い様です。

とまあ、こんな解析も簡単にできるようになりました。

HDCD再生目的で買ったDVDプレーヤーSD-9500がオーディオ機としてすごいんですけど

今回は一オーディオマニアとしてのトピックを紹介します。

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黒いのがDVDプレーヤーSD-9500

世の中はハイレゾで賑わっているようですが、私は時代遅れなのかHDCDがマイブームです。HDCDとはCDと完全互換で20bitが再生できるシステムで、まだ規格しかなかった20年前くらいに一部のCDやCDプレーヤーで採用されていたフォーマットです。

「それなら今のハイレゾの方がずっといいじゃん」といわれそうですが、確かにその通り。ただ、特にクラッシックでハイレゾ音源をいくつか試して

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HDCDを再生するとCDの上のHDCDランプが点灯する。

みましたが、特に録音が優れていると思えるものがなく、逆にがっかりしました。その点HDCDは逆で、ReferenceRecordings社の録音したものが良いのでよく聞いています。ここのCDはすべてHDCDフォーマットなので、HDCDが再生できるプレーヤーで再生したらどんなに良くなるのだろう?と常々思っていました。

パソコンでリッピングして20bit音源として保存する技もあるのですが、ちょこっと聴くときにPCにを立ち上げるのは面倒なので、やはりHDCDプ

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リアパネルはXLR出力もあってピュアオーディオ機の様

レーヤーがいいのです。

HDCDは今は現行機ではありませんので、昔の良品を探すしかありません。中古品でいろいろ物色していたら、DVDプレーヤーではあるのですが、こんなの見つけました。それは「TOSHIBA SD-9500」です。なんだピュアオーディオにはだめじゃん、と思われるかもしれませんが、ところがどっこいスペックや評判を見

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専用リモコンがないのですが、東芝の一般的DVDプレーヤーリモンコンで再生、停止、早送り位はできます

てみると、なかなかすごい。

何しろ当時30万円で売りだした、東芝のフラッグシップ機です。

アナログデバイス社のマルチビットDACを使用し、ピュアオーディオ時には3chを一つにまとめるマルチDAC方式で聴けます。またすべての音源を192kHzにアップサンプリングする機能もあります。

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例えばこれがHDCDフォーマットのCD

その音はというと、中高域が済んでいてすがすがしい音、爽やかなおとでこれだけ綺麗な中高音を出すプレーヤーはないのではないかと感心してしまう音です。ただ残念なのは低音域でちょっとというか、そうとう軽い。出てはいるのですがズシーンという感じでは聞こえないのです。ですので全体的に音に厚みがないというか、もう少し力強さみたいなものが出れば完璧だったのですがおしいところです。ただそれでもこの中高域の爽やかさは魅力で、最近はもっぱらこのプレーヤーで聴くようになりました。

もともとHDCDにしたらどんなによくなるか?ということで出発したのですが、普通のCDのを聴いてもさわやかな音で、結局HDCDの効果よりもプレーヤーの音質差の方がはるかに大きく、HDCDそのものの効果はよくわからなかったのでした。

おかげ様で、これをかってからクラシックのCDを掛けることが多くなりました。

ここで、一つだけ注意点が。SD-9500の中古を探すと、怪しげなネットショップで在庫有りになっています。私は見事に詐欺にひかかってしまいました(詐欺にあったのは初めてかも)。その後、ちゃんとしたお店から購入しました。皆さんも購入の際は注意してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

古くて新しいデジタルオシロで開発が加速するかも

今回は測定器の話をさせていただきます。

オシロは大事

アンプなどの解析にはオシロスコープが必須です。オシロは何台か持っていますが、もっぱら使用しているのはアナログオシロです。波形の記録にはデジタルオシロが必要で以前はパソコンに取り込んでサーマルプリンタなどでシール式の感熱紙に印刷していました。その頃のノートはこんな感じです。

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デジタルオシロの波形をパソコンで取り込んで編集後、 サーマルプリンタで印刷してノートに貼り付けていた

ただこの方法は面倒で、気合が入った時にしかしませんでした。もっと簡単にオシロの波形を残したかったのですが、最近は面倒なので自分で波形を書いていました。超原始的ですが、これが一番早いのです。

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その内、波形は手書きになった

オシロの波形記録の変遷

このオシロの波形を残すために、あれこれ試行錯誤してきました。

  1.  USBオシロ(波形データをボタン一つでPC に転送できるもの)–>PC で画像を整えて印刷するのが大変、オシロそのものが使いにくい

2. オシロの画面をでカメラで撮る、その後PCに取り込んで、サーマルプリンタで印刷–>いちいち操作が面倒(写真中央上)

3. チェキ(ポラロイドカメラ)で撮る:画面が小さすぎてダメ–>接写レンズを使う:不鮮明でダメ視界も狭い(写真右)

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左が新しく買ったプリンタ内蔵デジタルオシロの印刷結果、 右がチェキに接写レンズをつけて撮ったアナログオシロの波形 真ん中下がスマフォで撮ってスマフォ用写真印刷機でプリントしたもの

4. スマホ専用の写真印刷機でとる–>これは結構いける(写真中央下)

5. プリンタ内蔵オシロ–>チョベリグ(写真左)

これが一番良かった

最終的に行き着いたのが5のプリンター内臓のオシロスコープです。これがあるのは知っていましたが、結構お高いので敬遠していました。最近だめもとで中古で購入してみたら、これが予想以上に良かったのです。ボタン一つできれいに波形コピーが出来ました(ちょっとサイズがおおきすぎるのですけどね)。YOKOGAWAのDL1540というデジタルオシロで、上部に感熱プリンターが内蔵されています。帯域も150MHzあるので十分です。操作性でアナログオシロにはチョット負けますが、いわゆる4-5万円の安いデジタルオシロよりも遥かに使いやすく、実用に耐えます。

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オレンジ色の波形のオシロにプリンタが内蔵されていて ボタン一つで波形のコピーが上から出てくる

 

 

今後、製品開発がますます加速するかもしれません。