ヘッドホンアンプのリリース予定

おまたせしておりますが、現在ヘッドホンアンプは製品版を鋭意製作中です。
製品のリリース予定では次のとおりです。

現在回路、基板の小改良・修正を終え新基板の納品待ちです。
外観も小変更があります。機能も一部追加されています。

仕様・性能は次のとおりです。

ヘッドホンアンプ
型名:DCHP-100

仕様
入力数: 3系統(RCAアンバランス)
出力: Phone(6.3mmΦ)x2(出力切り替えSW有り)、 RCAx2(同時出力)
音量調節: アドバンスドLパッド型アッテネーター
      0~-74dB 1dBstep
ゲイン調節:Low High 有り
その他:出力HPジャック切り替え機能あり
寸法: 330 (W) x 74 (H) x 260 (D) mm
重量: 3.2Kg
価格:224,700円(税込)

外観

左右に円柱が付きました。

性能
ヘッドホンアンプの性能は次のとおりです。参考までに数万円の市販ヘッドホンアンプの性能も並べてあります。


性能項目DCHP-100DCHP-100他社HPアンプ
(ご参考)
ゲイン0dB(Low)15dB(High)
THD+N(1KHz, 1V, 30Ω)0.002%0.0023%0.027%
THD+N(10KHz, 1V, 30Ω)0.002%0.0023% 0.091%
SN ratio(IHF-A, 2V)124dB113dB70dB
SN ratio(IHF-A, Maximum Power)140dB129dB85dB
Noise(IHF-A, Input short)1.2uV4.2uV590uV
周波数特性(-3dB, 30Ω)360KHz360KHz100KHz
上記は全て実測値です。弊社ヘッドホンアンプはプロットタイプ(ショウ展示機)の特性です。

以下ご参考までに過度応答波形を御覧下さい。

他社製ヘッドホンアンプの過度応答(30Ω負荷、10KHz)
素直な特性です


DCHP-100の過度応答(30Ω負荷、10KHz)
これはもう完璧

現在弊社ヘッドホンアンプは製作中ですのでもう少々お待ち下さい。製品版の情報が得られ次第適時このページは更新していきます。

ヘッドホンの基本特性 -結構奥深いものなのね-

以前にスピーカーシステムに関してすばらしい本としてスピーカー・システム(ラジオ技術社)を紹介しました(ただしもう絶版なのでどうしても見たい方は図書館等を検索してください)。
この中にヘッドホンの動作に関しても一章さかれているので、その中からいくつかトピックを紹介します。

ヘッドホンの周波数特性
ヘッドホンの実測周波数特性はたまに雑誌などでも見る事がありますが、ヘッドホンの周波数特性は基本的にはこんな感じになってしまうそうです。
ヘッドホンの周波数特性は基本的にこうなります。

この測定ではマイクロホンを逆にイヤホンとして使用し、プローブチューブマイクロホンというものを人間の外耳道の入り口に挿入して測定しています。

低域が下がっているのは、なんと肌の弾性によってだそうです。年を取って張りが無くなった肌ほど低域が聞こえなくなるって事でしょうか(そりゃまずい)。高域の山谷は外耳道の共振によるものだそうです。

耳を近似したものとしてIEC標準の人口耳があり、測定にも使用されていると思いますが、単純な円筒形カプラーで測定した場合にヘッドホンに要求される周波数特性としては、次の様な特性が必要だそうです。

ヘッドホンに要求される周波数特性

低域を多く、高域を少なく、こういう周波数特性が必要という事はわかりました。でもヘッドホンでそんな事ができるのでしょうか?これ結構難しいですよね。この本ではさらに低域を盛り上げる方法として密閉型のチャンバーを利用する方法など理論的に記述されていました。他にも高域の下げ方もいくつか記述がありました。構造が単純なだけに周波数特性を調整するのに一苦労(というより苦労しても完全にはならないのかもしれない)ですね。

ヘッドホンって簡単な様で実は大変な世界なんですね。
イヤー、ホンと。

ヘッドホンとヘッドホンアンプについて考えてみました

はじめに
ヘッドホンアンプについては時々依頼が寄せられていました。当初は具体的に考えてはいなかったのですが、最近は少し気になってきました。

ヘッドホンに関してはもう”そこまでやるの”というくらい超マニアの方がいるので詳しくは書きませんが(書けませんが)、私の様に普段スピーカーを使っていて、ヘッドホンの事は良く知らないという人のために、さわりを書くとこんな感じでしょうか。

ヘッドホンの特徴  -スピーカーと比べて-
ヘッドホンとスピーカーの違いを箇条書きにするとこんな感じでしょうか
(+は長所、-は短所、+-はどちらでもないを表しています)
+聴感(特性)が部屋に影響されない
+フラットな周波数特性が得られやすい
-逆にスピーカーの様に配置を工夫して周波数特性を調節するとか、ツイーターのアッテネーターのレベルを変えるとか、そういう調整は原理的にできない。
-スピーカーで聴くことを前提としたソフトを聞くので中高音が多く聴こえる。それを考慮して全体の補正したヘッドホンとそのまま聞かせるヘッドホンのタイプがある(ように思う)。
+スピーカーに比べれば安価ですし場所もとらないので、合わなければ他のものを買える。
+実際ものすごい数・種類のヘッドホン(全機種といえるくらい)を持っている(試している)人がいる。
+再生装置の微妙な音質差がわかりやすい
-再生装置のあらも聴こえてしまう
ヘッドホンアンプもパワーアンプに比べれば安い

代表的ヘッドホンの種類と特徴
AKG
AKG K702 すばらしいAKGが一番好みかも
モデルはK701等が代表的。とにかく中高音が繊細で綺麗できめ細かいです。どちらかというと中高音よりなのですが、その音がきれいなので不快ではないというか、これはこれでイイナーと思わせてくれます。
K702(K701とほぼ同じ、ケーブルが取れるモデル)を購入してみてその音の良さに感心しました。ただヘッドホンアンプを良くすれば良くするほど中高音の情報量が増えて低音がもうちょっと欲しくなるので、密閉型の272の方がいいかも。オープン型の702でも手でヘッドホンの両側をふさいで、密閉型もどきにするとぐっとバランスが良くなって申し分がなくなります(聞いているのがたいへんですけど)。

ソニー

MDR-CD900ST、MDR-Z1000等が代表的。900の方は長年モニター用として使われている実績があるようです。Z1000の方は高価だが非常によさそう(量販店でチョイギキした程度ですが)。ということで最近Z1000を購入しました。
うやうやしく、なんと布を張った箱に入っていました。出してみるとちょっと外観がしょぼいので、箱で頑張ったのでしょうか?とはいえヘッドホンは全メーカー箱がかなりおしゃれです。
最初の音は「??」って感じです。とにかく音が硬い(聞いていられないくらい)、どの機器につないでもそういう音なのでヘッドホンのせいだと思います。チョイ聞きしたときもその感はあったのですが、それはヘッドホンアンプがしょぼいせいか思っていたら、そういう音だったのね(がーん)。1日中鳴らしたら多少ほぐれてややまともになってきたので、1ヶ月位すればよくなるのかも・・・そう信じています。ただ、今でも音のしまりとか、雄大さなど他に類をみないよさもあるので、現在悪いながらもそのポテンシャルをかもし出しているという音です。

ゼンハイザー

代表モデルはHD650ですが、私はHD595というのを4,5年前に買っています。ヘッドホンがたくさん並んだ専門店で聞き比べてこれを選んだのですが、今考えるとお店のヘッドホンアンプがあまりいいものではなかったので聞きやすいモデルを選んだのかなーとも思います。特徴は低域を厚めというか、量感があって中高音も聴きやすい感じですね。全体のバランスが取れていて長時間聞いていても疲れません。

オーディオテクニカ
どちらかというと中高音をはっきり聞かせるタイプのヘッドホンを作っていると思います。5千円くらいのエントリーモデルを昔買いましたが、私にはあまりあってない様な・・・・。

デノン
実際に聞いた事は無いのですが、ヘッドホンショーでも持ち歩いている方がいらっしゃったので、根強い人気があるように思います。他の方の評を参考にすると、低音を力強くして全体のバランスを取っているようなタイプと思います。どれか一つ欲しいと思っています。

スタックス
コンデンサー型で有名ですね。独特の繊細な音色がきけるタイプだと思います。試聴したのみで所有した事は有りませんが、根強いファンの方がいらっしゃいます。アンプは専用アンプを使用しないといけません。

他にもベイヤーダイナミックとかいろいろあります。


ヘッドホンアンプ -アンプの構成から考えてみる-

ここからが本題です。次にヘッドホンに適したアンプをヘッドホンの動作原理、アンプの回路の面からから考えて見ましょう。

1.出力インピーダンスが大きくても良い
ヘッドホンとスピーカーの原理の違いで一番大きい点は制動メカニズムだと思います。ヘッドホンの動作はコーン型スピーカー(ウーハー)よりもドーム型ツイーターに似ています。振動板の制動に電磁制動よりも空気制動が効いていると考えられるので、ヘッドホンアンプの出力インピーダンスを小さくする必然性がありません。パワーアンプの出力に直列に抵抗をいれてヘッドホンに接続しても良い理由はここから来ています。

2.出力が小さくて良い
ヘッドホンでは能率が良いのでヘッドホンアンプの出力は30Ωで1Wもあれば十分です(一部に600Ωというものもあるが)。振幅の実効値で約5V程度で、電源電圧、最終段のトランジスタにとっては非常に楽です。
ヘッドホンの能率で90dBなんて書いてあるものもありますが、これ1mWあたりの音圧で、1Wではないのです。

3.ヘッドホンのインピーダンスが比較的大きい
出力が小さくていい事に加え、ヘッドホンのインピーダンスはせいぜい30Ωですからこれもヘッドホンアンプの設計にとっては大きいですね。パワーアンプではあきらめなければいけない高精度なアンプ回路が使えるようになってきます。プリアンプの回路はそのままでは使えないのですが、ヘッドホンアンプはプリアンプとパワーアンプの丁度中間的な位置づけになります(プリアンプそのものでも、パワーアンプそのものでもないもの)。

以上を考慮するとヘッドホンアンプに関しては回路の幅が広がります。これらの特徴を踏まえて最も高忠実度なアンプを考えてみると立派なヘッドホンアンプができるかもしれません。