ハイエンドショー2009春に出展します

今年も春のハイエンドショーに出展します。今年の開催は5月22日(金)からです。
ハイエンドショー
昨年の春に初めて出展しましたが、秋は一回お休みしました。年に2回の出展は弊社の様な規模では大変なのと、申し込みが3ヶ月前なので3ヵ月後にそれだけの余裕があるかどうかを見極めるのは正直難しい・・・。弊社の規模だと出展前後は事実上が業務が止まってしまうので大変です。

<昨年のハイエンドショーの反省>
昨年春の出展は初めてでいろいろ反省点がありました。何より出ていた音が今ひとつで、説明している本人が納得いかない状態でした。装置を事務所に持ち帰ってからはいつもの通りいい音質で鳴っていたので、原因はなんだろうと考えていた部分もあるのですが、最近この辺じゃないかという見当はつきました。部屋が違うのでスピーカーの部屋も含めた音響特性が変わることはもちろんですが、それ以外にも考慮すべき事があります。詳細は秘密ですが、通常の家庭での使用状況では問題にならないことでも、ああいった大規模のビルというか展示会場では問題になる点もあります(ということに出展して初めて気づいたのです)。
会場での音質調整は一発勝負で、そもそも弊社だけが音を出せる時間というのは開場前には無いので、本番を通じて必要ならセッティングを調整する必要があります(そんなことできるのか?)。まあ少なくとも多少の調節ができるような小道具、大道具は事前に準備しておくべきだったなーと思っています。

<今年のハイエンドショーでの工夫>
また、説明の仕方ももう少し工夫して、音を聴きながら製品内容を理解していただける様にしたり、展示ももう少し工夫してみたいと思います。
製品内容はこれまでのプリ、パワーに加えて、できればもう一機種(試作品レベルになるかもしれませんが)加えて、弊社のアンプの音質の良さを少しでも多く伝えられるようなデモを工夫して見たいと思います。いま通常業務の合間を縫って新製品を間に合わせるべく鋭意開発中です。
展示に関するアイデアはいろいろあるのですが、最近注文も多くなってきたのでどの程度ショーに盛り込めるかはわからないところもあるのですが、昨年は新製品のパワーアンプを間に合わせるのが精一杯でしたので(フロントパネルのシルク印刷がない状態でした)、それよりは余裕があるかもしれません。

今年のハイエンドショーはいつものとおり有楽町の交通会館で5月22日(金)からですので、是非会場へ足を運んで頂ければと思います。

ちなみに事務所の方もかなり落ち着いてきまして、既に何人かの方に試聴にいらして頂きました。以前の事務所で聴いたいただいたときよりも、よりご好評をいただいていると思います。

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オーディオアンプの左右独立電源について考える(2) -パワーアンプ編-

前回のコラムで左右独立電源にについてプリアンプを念頭に置いて解説しましたが、やや説明というか内容がわかりにくかったかもしれません。今回の話はその続きですが、さらにわかりにくいかもしれませんがお付き合い下さい。今回はパワーアンプの左右分離電源について考えてみます。

パワーアンプというのは電力供給系とアース系の処理がかなり複雑にならざるを得ず、しかもこの配線の仕方が非常に重要です。 パワーアンプの電力系の配線に非常に太い線材を使用しているとしても50mΩ/m位の抵抗がありますから、20cmで10mΩ、ここに5A流れればこれだけで50mVの電圧が発生する事になります。50mVというのは通常のパワーアンプの残留ノイズの1000倍になりますから、結構な大きさです。まあ、無信号時には5Aも流れないでしょうが、平滑用電解コンデンサに流れているリップル成分とかはそこそこあると思いますし、いずれにしろ通常の小信号理論だけで考えているととんでもないわなに落ちる事があります。ちょっと横道にそれますが、パワーアンプというのは

1.通常の電子回路の技術に加えて、

2.電力系統としての取り扱い(強電分野)とそして

3.高周波領域の電子回路の知識(想像力)

という3点の考察が必要になります。通常の電子回路の技術者はこのどれか1分野の専門家でこれらの3つのすべてに通じているというという事はなかなかないと思います(これに加えて世間一般ではデザインとか機械強度なども問題になるのかもしれないが・・・・)。ですのでパワーアンプというのは詳しく見てみると製品の弱点も露呈しやすいのです。

話を元に戻すと、そのパワーアンプですが、電力系統の配線が難しいといいましたが、どういう事かというとこういう事です。

power-g-wirering2.gif
パワーアンプの回路部品(アース配線はこのGと書いた記号をつないでいく)

上の図はパワーアンプの電圧増幅段に安定化電源を使用した場合の部品構成を簡略化して示したものです。この図で例えばGとかいたところはアース電位になるべきなので、すべて接続します。Gの接続方法によってノイズレベルは大きく変わってきます。その接続の仕方はこの場合で単純に組み合わせと考えてもGの数が17なので一筆書きで配線した場合 (17-1)! (=16*15*14・・・・)となって約21兆通り、まあ実際に自然な接続の仕方だけでも数十通りはあると思います。よく言われるのは一点アースと呼ばれる考え方で、ここでいうとすべてのGをシャーシアースに接続するということでしょうか?この一点アースは基本的にはその通りなのですが、必ずしも最適な配線方法ではありません。

配線の仕方・考え方は苦労して習得したノウハウなので詳細は秘密なのですが、かわりに配線が上手にできたかをはかるバロメーターをお教えします。それは残留ノイズです。残留ノイズは入力をショートしたときに出力に現れるノイズ成分ですが、配線が不適切だとその分ノイズ成分が大きくなる傾向があります。下の図は市販パワーアンの残留ノイズを比較したものです。通常よくできたパワーアンプの残留ノイズは数十uV(A補正)レベルです。酷いのになると数百uV以上あります。ちなみに弊社のパワーアンプの残留ノイズは平均で7uVでこれはもう抵抗が原理的に発生するノイズレベル(黄色の領域)に近いのです。すなわち余計なノイズをほとんど拾っていないのですが、一般のパワーアンプでは配線材の引き回しによってピンクの矢印の分だけノイズを拾っているといえます。

power-noise-earth.gif
■が他社のアンプ△が弊社のパワーアンプのの残留ノイズ、黄色は抵抗の熱雑音レベル

老舗アンプメーカーの配線もかなり怪しいというものがあります(カタログの内部写真からわかってしまう)。そもそもよくあるパワートランスと電解コンデンサ を中心に配置して両脇にアンプ基板を配置するという構成は見ためには安定感があっていいのですが、配線上は問題を抱え込みやすいのです。左右のアンプの基板の中に電力系のトランスと電解コンデンサが並んでいる ので、配線が長くなって、アンプ回路の中にノイズ源を抱え込んでしまっている様なものなのです。

さらに実際問題として、残留ノイズがパワーアンプ単体では聞こえなくてもプリアンプに接続するとハムが聞こえるというケースもあります。これはパワーアンプの入力線によってループができて、そのループの磁束変化を検出しているのだと思います。実際に電力ラインの配線化を徹底的に行うとこの種のハムも消えるので、配線の不適切な部分が使用状況によって露呈しているだけという言い方もできます。トータルで同じ電源容量で左右分離電源にしたら音質が向上したというケースがあったとしても、この様な配線の不備が緩和されただけというケースもあるの思うので、それだけの結果で左右分離電源の方がいいと結論付ける事は早計だと思うのです。配線を最適化するという観点からも左右共通電源のの方がまとまりやすく、性能も出やすいということも確かなのです。

もちろん左右分離電源パワーアンプには
1.同じ電源構成(トランス容量、コンデンサ容量)で左右独立構成として、総電源容量が結果的に2倍になれば音質も当然良くなることが期待できる。

2.ステレオアンプからモノーラルアンプx2にすると、パワーアンプの配置がSPにも近くなるので結果的にSPケーブルも短くなって音質も向上する。

という効果は期待できます。

ですので左右分離電源がいいとおっしゃる方は弊社のパワーアンプのを2台購入いただき、(片CH使用しないで)モノーラルアンプとしてお使いいただくか、バイアンプ構成で高音、低音にそれぞれのCHを振り分けて頂ければより音質は向上すると思います。
以上パワーアンプの左右分離電源について考えてみました。